宇野常寛のレビュー一覧
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理解できたのはせいぜい5〜6割かな、という意味で☆3。
今の私にとって一番重要だったのは、この議論のもっと下位のステージにある。それは、カルチャーが、ひとにとってなくてはならないものだということ。
その時代を象徴する「文化」は、何か一貫する人間の奥底でつながった深層意識みたいなものが動かしているということや、カルチャーを分析していくことで人間の思考回路が浮き彫りになるということ。それを前提に話が進んでいた、はず。
文化とは娯楽の形をしているが、そのコアに、生きる切実さが組み込まれていると思う。というか、そうであってほしいと思っていた。だからそれを納得できる形で示してもらったことが、いまの私にと -
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AKB48に「マジ」で嵌った4氏が叫ぶ、推し愛と社会学的分析の結晶。
AKB48、ならびに48Projectがこれだけのムーブメントを巻き起こし、他のアイドルとは一線を画している特徴というのは、劇場というホームグラウンドを抱えている点が大きい。
おニャン子クラブであったり、モーニング娘。であったり、過去の大所帯アイドルグループには、このようなホームグラウンドを抱えた例はなく、故にマスメディアとの結びつきがブレイクのうえで必要不可欠であったが、AKB48は劇場という下地を抱えている分だけ地盤がしっかりとしており、マスメディアへの露出は、より間口を拡大するためのあくまでも副次的な要素に過ぎないの -
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よく知っているものも、タイトルしか聞いたことのないものも、とにかく95年付近〜ゼロ年代の主要な「流行った」漫画アニメドラマ映画等々があらすじ・主題とともに紹介されているので、世間話のネタになる浅く広い知識を手に入れられた意味でためになった。
あまりに卑近に思えて、自分のなかで系統だっていなかった作品群が筆者の描く系図に則って頭の中に並んだ。鵜呑みにするのもまずかろうが。
筆者の言いたいことは何度も繰り返されているのでよーーく伝わった(くどいくらい)が、別人の文体で書かれた(当たり前だ、別人が書いたのだから)最後のインタビューは要らないと思った。
ともかく東氏の『動物化するポストモダン』を -
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ネタバレマンガ・アニメ・ゲームなどのサブカルチャーを代表とする「周辺領域」であった〈夜の世界〉の想像力が、政治や経済といった〈昼の世界〉を書き換えていく・・・
すでに『PLANETS vol.8』を読んでいたので、すんなりと読めてしまう。『P8』での多くの刺激的な議論から抽出されたさまざまな論点が、この「〈夜の世界〉からの社会変革の戦略」を帰納的に論証していくかのように、新書としてまとめられている。
論点①クールジャパン:日本が世界に輸出できるもの
それはソフトそのもの(作品)ではなく、ニコ動やコミケといったコミュニケーションのインフラである。消費と創作の主体が一致してしまうような(二次創作)、現実 -
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昨年の大河『平清盛』を論じるネット界隈で偶然宇野氏を知り、現代のサブカルチャーを批評する人たちの動きに興味を持つようになった最近。先日はETV特集にも出演した宇野氏が考えていることが、新書本らしく端的にわかりやすくまとめられたというのが本書のようである。
論点3〔音楽消費とコンテンツの「価値」〕、論点5〔ファンタジーの作用する場所〕は、とりわけ興味深く読み進めた。そして論点6〔日本文化最大の論点〕(内容はとある国民的アイドルグループについて)をクライマックスにもってくるような強かさこそが、彼の批評家としての活動の原動力なのだろうか、と感じた。
情報社会で立ちまわる宇野氏が、あえて先日のようにE -
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宇野さんの活動を追っていたり連載を読んでいるとこれは前に言ってた事や書いてた事をわかりやすく、普段読まない人に手に取ってもらおうとしているのがよくわかる。
だから新書でということなのだろう。
『リトル・ピープルの時代』から『PLANETS』vol.8からそしてその先へ向かうための過程にあるものたちが書かれている。
宇野さんがEテレに出たりとかそういう活動が普段届かない層に向けて昼の世界を夜の世界に導くためのものだと思うがどんどん仕掛けていく決意というかある種の本気の遊びなのだろう。
またAKBの話かよという人もいるのかもしれない。僕はAKBに関して詳しくはないが宇野さんや濱野さんが語る事で興