宇野常寛のレビュー一覧

  • 希望論 2010年代の文化と社会
    「自己承認なんてものは、もはや断片的で確率的なものでしかあり得ない」

     失われた10年だったのがいつの間にか20年になって、僕たちが青春を過ごした時代が無意味だったかのようなことを言われちゃって、それを聞く僕たちも、何となくそんな気分になっていたけど、それに異を唱える人がいる。そのうちの二人が著者...続きを読む
  • ゼロ年代の想像力
    今の世の中を的確に描写した一冊だったように思う。
    批評の題材としてマンガやドラマといったポップカルチャーを扱っていたので、今まで思想や批評に感じていた「そんなの、一部の人間だけじゃん」という思いを感じなかった。

    思想の内容としては、政治や経済成長といった誰もが持ち合わせる大きな指標がなくなった現在...続きを読む
  • AKB48白熱論争
    気になった論点とかをノートにまとめていたら4ページにもなりました。本当は皆さんにも本書を読んでもらうのが一番なんですけど、宣伝も兼ねてその中のいくつかを紹介します。

    1.「ゆきりんに居場所がない」問題。優子→あっちゃんのいないAKBを守るという物語。まゆゆ→次世代センターの本命。ゆきりん→前田政権...続きを読む
  • AKB48白熱論争
    最近読んだ本の中で一番おもしろかった。
    教養のある大人がマジメにアイドルにハマり、政治まで絡めて議論するバカバカしさ。
    エヴァンゲリオンの謎解きをサイト上で議論するのに似た、二次的な楽しみ方という感じ。
  • AKB48白熱論争
    (印象的な箇所)
    <ソーシャルメディア時代のアイドルAKB>
    ・AKBはマスメディアに頼らず、ソーシャルメディアを駆使して、ファンとアイドルの新しい関係を作った。
    ・AKBは、おにゃんこやモーニング娘。に似ていると言われるが、ガチの度合いが全然違う。
    ・おにゃんこもモー娘も、所詮フェイク・ド...続きを読む
  • AKB48白熱論争
    その昔、カルトQという一般人には絶対分からないマニア向けの難問ばかりのクイズ番組がありました。わからないけど、なんかもう回答者の無駄知識がすごすぎて面白いという番組。この本の面白さはあの間隔に似ている。マニアの熱さは伝わるよ。しかも社会的にも論陣はったりする人たちだから説得力もすごい。こういう大人は...続きを読む
  • 希望論 2010年代の文化と社会
    東日本大震災によって既存の枠組みに対する絶望感が生まれる中、日本人はどこに「希望」を見出したらいいのか?
    戦後日本の社会構造、日本におけるインターネットの発達史などを紐解きながら、2010年代の「希望」へとつながる萌芽を探っていく本。

    実世界とコンピュータがより密接につながりリアル空間を広げてくれ...続きを読む
  • 希望論 2010年代の文化と社会
    今までの社会構造の矛盾や限界に対して、大変共感できる整理と今後の方向性を打ち出している事に感銘を受けた。この考え方に立った何らかの試みを実現したいと思う。
  • 希望論 2010年代の文化と社会
    いやー、面白かった。特に第Ⅲ章「希望」を考えるはすごくなるほどと。目指すべき方向性は全く同感。私ももっと勉強せねば。
  • 水曜日は働かない
    この方の本は初めて読んだ。
    確かに、水曜日と土日休みだとどの平日も休日と隣り合わせになるんだ。私たちはあまりにも休まないことに慣れてしまってるんだなぁ。
    張りつめた糸は切れやすいって話や、内面と向き合わないとどんなに外に向かっても何も掴めない話は納得。
  • 2020年代の想像力 文化時評アーカイブス2021-2023

    __しかし、もはや読者/観客の多くは、作品そのもの(虚構)ではなく、作品についてのコミニュケーション(現実)に関心の重心がある。作品の表現よりも、作家の人生に関心があるし、他のみんなが褒めている/貶しているものに、自分がのるかそるか、どちらにすればポイントが稼げるかという現実に興味がある。


    _...続きを読む
  • チーム・オルタナティブの冒険
    序章がながい笑
    軸となる事件?が起きるまでが長い(笑)
    葉山先生が亡くなった時点で事件は始まってるはいるんだけど。
    森本の独りよがりが、ちょっときつかったなぁ。残り3分の1くらいになって、ようやくエンジンがガーッとかかってきた感じでキタキタぁ!ってなり、真相は異星人的な話じゃないの?と思ってたら、え...続きを読む
  • 2020年代の想像力 文化時評アーカイブス2021-2023
    ブーム。何故それがブームになっているのか。人々が求めているから。なぜ人々はそれを求めるのか。
    この作品が描いていることは何か。表現のされ方、方法は適切か。過去や他の作品の比べて、どうか。
    ただ受け取るだけでなく、さまざまな角度から検証してみる必要がある。
  • ひとりあそびの教科書
    日々に忙殺されていたり、自身に価値が無いと感じる人に刺さる内容だと感じた。
    ひとり遊びの代表格であるテレビゲームがなぜ面白くなくなっていくのか、それを踏まえた上でどう面白くしていくか、そしてそれを生活にどう転用していくかのパートが特に面白い。
  • 2020年代の想像力 文化時評アーカイブス2021-2023
    久しぶりにこの手の文化批評を読んだが、理解に時間がかかった。

    最近の文化作品の批評集であり、各作品の抱える問題点や作品から見える現代の想像力について数ページで解説される

    個人的には『SPY×FAMILY』、『カムカムエヴリバディ』あたりはおもしろく、気付きのある形で読めた

    感情的に作品を楽しむ...続きを読む
  • ひとりあそびの教科書
    目的なんかあるとすべて義務感や使命感になる。無目的でただ走る、ただ見つけて観察して愉しむ、ただ集めて触れていつくしむ。正解。
  • 遅いインターネット
    他の方も書かれているように文体が難しく、一度では理解できない部分が多かったです。

    自分自身がSNSをほぼほぼやらないので、あまりピンと来る話ではありませんでしたが、遅いインターネットが必要というのは理解できました。

    フェイクニュースや陰謀論を信じてしまわないために、速いインターネットからはできる...続きを読む
  • ひとりあそびの教科書
    宇野さんの著書の中でもスイスイ読める部類

    宇野さんの紹介するひとりあそびがおもろしろく
    忘れてきた何かを思い出させてくれるものだった

    人間関係のネットワークから離れて没頭できるひとりあそびがあると生活が豊かになると思った

    SNSに執着しているような人に特にオススメしたい
  • ひとりあそびの教科書
    「14歳の世渡り術」ってシリーズの一冊。50年前は、14歳にとっては「世渡り」って言葉自体が、ちょっと避けたいものだったような気がしますが、これだけAIに仕事奪われる、とか、アクティブラーニングの必要性とか、少子高齢化とか、未来への心配事が山積していると、現在の中高生にとって「世渡り」はポジティブな...続きを読む
  • 遅いインターネット
    イギリス人ジャーナリスト、デイヴィッド・グッドハートが「境界のある世界」に生きる人たちを「Somewhere」な人々、「境界のない世界」に生きる人たちを「Anywhere」な人々と名付けた。
    非日常ー日時の軸と他人の物語ー個人の物語の軸で捉える考え方。
    世界を捉える別の視点を得られた一冊。