宇野常寛のレビュー一覧
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「もはや世の中は何も私たちに与えてくれない。正しい価値も、生きる意味も、すべて私たちは自分で調達しなければならない」
2000年以降のアニメや漫画、小説、映画を引き合いにあげ、現代の「想像力」の変遷をとき、ふんわりとした淡い色合いで彩られているソーシャルな現在へと向かっていく社会の変化をたどっていく。刊行されたのは08年だから、東日本大震災のことには全くふれていないけど、変化の萌芽を感じとることはできる。
現代は歴史や政治が与えてくれる「大きな物語」が崩壊し、個人個人が選びとる「小さな物語」が跋扈している状態で、大きな物語に規定される価値観の支えを失った不安な個人が集団化している、という -
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シラケ世代(古いね)でもないのだけれど単に性格が捻じ曲がっているのか、どうもいわゆるネット論客とか正当なことを朗々と唱える人が苦手なのです昔から。
テレビで一番嫌いなのは討論番組だしね。
なのでこの本、まったくこの人のこと知らないんだけど、裏表紙の写真みた時点で「あーこいつ、あたしの苦手なタイプ~ははは~~ん」と決め付けてます。はいすいません。
でもこういう人って別に、あたしに嫌われたって大勢に影響ないでしょうしね。というわけであたしの中では勝手に「なんか角度をつけたカメラ目線のきもいひと」に認定。以上完了。
・・・じゃなかったか。
えっとこの本は、まぁよくある、最近の「サブカルチ -
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提示する処方箋がことごとくぬるいのは宇野らしいけど、状況の整理と問題の提起については抜群にうまくて、そこはやはり参考になる。
たとえば日本のアニメやマンガを輸出しようというクールジャパンな議論のイケてなさを宇野はちゃんと指摘する。オタク文化が花開いたのは個々のコンテンツのおかげてはないしそこに価値を還元できないという当たり前が、ことクールジャパンだ、海外で売り込みだって話になるとその辺がすっぽり抜け落ちておかしな議論になる。日本のマンガ・アニメは優れているのだから適切な出版と流通の体制があればいけるはず、なんていう安易な発想で議論が進められて、それでコンテンツ立国知財立国と言ってるわけだから議 -
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AKBは「生きる歴史」で、AKBの運動が世界を変える。
さらに、三島由紀夫がAKBを見たら、天皇よりもこっちの方がいいと言ったかもしれない、と気鋭の社会学者?野智史は宣っております。AKBはナポレオンで、舞台の上にいるのは世界精神なんだとも言い出しかねない勢いです。
本書にはその他に漫画家の小林よしのり、元祖アイドル評論家中森明夫、若手批評家の宇野常寛が参加しています。論争というより座談会ですね。我ら如何にしてAKBにはまったか。それも「あえて」でなく「マジで」・・・
AKBは誰もがアイドルになれるカルチャー・フォーマットで、「絶対に必要な条件はない。実は美人である必要もない。その子がアイドル -
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文化系トークラジオLIFEにて聞いた話が多いです・・・だって出演者だもの。
この半年くらいのは、『希望論』を元ネタに構成していたか、それとも希望論はLIFEのまとめじゃないのか?ってくらいに。
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拡張現実・・・・「現実」と異次元にある「虚構」としての仮想現実から、
「現実」の上にコンピューターから引き出された情報を重ねる「拡張現実」、Augumented Realityの時代へ
cf.Twitter、フォーススクエア等々のチェックイン機能
日本のインターネットにおける「繋がりの社会性」実現への機能の偏り
・・・村井純→ひろゆきへの「正当」、顕名を前提とする議論の場としてのネット空間(ア