【感想・ネタバレ】AKB48白熱論争のレビュー

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Posted by ブクログ 2012年12月24日

気になった論点とかをノートにまとめていたら4ページにもなりました。本当は皆さんにも本書を読んでもらうのが一番なんですけど、宣伝も兼ねてその中のいくつかを紹介します。

1.「ゆきりんに居場所がない」問題。優子→あっちゃんのいないAKBを守るという物語。まゆゆ→次世代センターの本命。ゆきりん→前田政権...続きを読むでの有力閣僚だったけどナンバー2ではないので後継者にはなれない。

2.大島優子には「嫌われる才能」がない。アンチがいるからスターが生まれる。あっちゃんと違い、優子にはアンチがほとんどいない。

3.よしりん「AKBの選挙には同情票が膨大にある。単なる美少女コンテストで票を入れていない」

4.総選挙という名の公開処刑。中森「なぜ彼女たちは裁判にかけられ、国民の前で公開処刑されるのか。これはある意味、罰を受けているんです。何についての罪を問われているかといえば、それは「夢」を持つことに対する罰だと思う」

5.よしりん「あっちゃんや優子は家族の茶の間に入れる。お父さんもお母さんも子供も好きになれる。大衆化できる存在。珠理奈や玲奈は、まだオタクのアイドル。家庭に入り込めるようにならないとセンターで引っ張ることはできないと思う」(「茶の間に入れる」という言葉を見て、僕の頭にはももちこと嗣永桃子さんの姿が思い浮かびました。)

6.中森「この選挙は野蛮だから不条理なものが残る。ゆきりんが悪い理由はない」

7.現実の選挙は「チルドレン選挙」。個人を見ていない。金で買える票の方がピュアな本気が込められている。

8.公共性。日本中の何万人ものAKBファンの投票で決まったならどんな結果であっても受け入れなければならないという感覚が共有されていた。自分がそこに参加したというたしかな手応えがあるから納得できる。日本の政治にはこの正当性の空気、公共性の手応えがない。

9.AKBの成立にはブログ等のソーシャルメディアの存在が大きな役割を果たしてきた。むしろ最初の数年間はテレビのようなマスメディアとはある程度の距離を置いてきた。

10.AKBの多様性。麻里子さまとみおりんのファンの間には「女の子の趣味」という面で共有できるものはほとんどない。

11.インターネットの定着は「情報」の性質を変えた。「ただ受け取る」から「自分でも発信する」へ。完成品を受け取ってただ消費するだけの快楽しか提供しないものでは消費者にアピールするのは難しくなっていく。

12.テキスト、音楽など原則的にコピー可能なコンテンツ(情報)そのものに人はお金を払う価値を感じにくい。人は入れ替え不可能なものに対して相対的な価値を認めやすい。AKBはコンテンツではなく、コミュニケーションを売っている。

13.コンテンツ自体ではなく、それを媒介としたコミュニケーションこそが価値を帯びる。AKBには握手会や総選挙など、「参加する快楽」がある。

14.今はみんな将来が不安だから自分の生活で精一杯。だからこそ自分の利害関係とは離れたところで誰かを「推す」ことが心の支えになる。アイドルオタクにCDを大量に買わせる資本主義の権化みたいな「搾取」のシステムがむしろ「共同体」を生み出している。

15.中森「『ロミオとジュリエット』もそうだけど、絶対的なタブーを破ることこそ真の純愛であり、恋愛は感動的になる。恋愛可能性の過剰と恋愛禁止の厳格化。ダブルバインド」

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Posted by ブクログ 2012年12月02日

最近読んだ本の中で一番おもしろかった。
教養のある大人がマジメにアイドルにハマり、政治まで絡めて議論するバカバカしさ。
エヴァンゲリオンの謎解きをサイト上で議論するのに似た、二次的な楽しみ方という感じ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年11月04日

(印象的な箇所)
<ソーシャルメディア時代のアイドルAKB>
・AKBはマスメディアに頼らず、ソーシャルメディアを駆使して、ファンとアイドルの新しい関係を作った。
・AKBは、おにゃんこやモーニング娘。に似ていると言われるが、ガチの度合いが全然違う。
・おにゃんこもモー娘も、所詮フェイク・ド...続きを読むキュメンタリー。楽屋の生の様子を視聴者に見せているようでいて、製作者側が何を見せるか、繊細にコントロールしていた。
・AKBは、もうフェイクじゃない。ガチの人気競争をファンに見せている。毎日劇場で公演して、女子たちにGoogle+やブログを好き勝手に更新させることで、アイドルの日常をソーシャルメディア上にだだ漏れ状態にしている。
・あとはオタたちが、ソーシャルメディアにその感想を吐き出し、勝手に盛り上がっていく。テレビ前提のアイドルとは、ファンとアイドルの関係性が全く違う。

<米大統領選に近いAKB総選挙の公共性と正当性>
・AKBの総選挙の仕組みはガチだから、正当性の空気、公共性の手ごたえがある。
・総選挙の順位は、夢を持つことの罰、公開処刑である。夢を持っても叶わない、ガチで順位がつく。その残酷さ、ガチっぷりに正当性が生まれる。
・日本の政治には、選挙の正当性も公共性も感じられない。AKBの総選挙はファンの民意の積み上げ。アメリカの大統領選に近いシステム。

<秋元康のビジネスは資本主義を超えるか>
・80年代活躍し、資本主義を超克しようとした思想家、文化人として、柄谷行人、糸井重里、秋元康の3名があげられる。
・柄谷は、資本主義に変わる地域通貨経済や、くじ引きの代表選出を構想したが、こけた。(くじ引き代表選出は、AKBのじゃんけん選抜に似ている)
・糸井重里は、「ほぼ日」で、消費社会に優雅にコミットしつつ、主流のがつがつしたビジネスから距離をおくライフスタイルの変革を実践したが、大きな波及効果はない。
・秋元康には柄谷や糸井のような思想はない。秋元のは単なるビジネスだが、大衆に一番売れており、色々批判されながらも、社会を動かしている。
・良い消費生活のモデルが、資本主義に勝つとする糸井重里「ほぼ日」のコンセプトは、社会の全体的な構造に対する批判力がない。
・対して秋元康は、社会のシステムを直接批判するわけではないが、総選挙、じゃんけん選抜など色々面白い仕掛けを作っていくことで、結果的に「こんな仕組みもありえたのか」というショックを与えている。
・秋元は個人のライフスタイルではなくて、人やお金の集め方、動員のシステムについて、新しいモデルを提示している、しかもあくまで商売として。
・糸井と同じような「良い消費生活」志向の村上春樹も、個人のマインドセットに関心が向きすぎており、オウム事件など前にしても、社会の仕組みを変えていこうという発想に行かない。
・秋元がAKBでやっていることは、資本主義の力を使って、世の中のシステムを自動更新していくモデルに近づいている。これは重要なこと。

(読後の随想)
・秋元康は80年代、テレビ局に散々お金を持っていかれたから、自分のところに利益が残るシステムを作ろうとした。そして、AKBというソーシャルメディアを活用したアイドルが生まれた、というストーリー。
・ソーシャルメディアの時代にアイドルとファンは直に交流する。ネットでもブログや、Google+(AKBファンの間では通称「ぐぐたす」)で直接コミュニケーション。握手会でも直接肌と肌の触れあいコミュニケーション。
・次世代センター最有力候補で、じゃんけん選抜でも偶然なのか何なのか、1位になったぱるるの活躍が気になる。(秋元さんが推したぱるるが、じゃんけん選抜でも1位になり、本当にセンターになってしまう。こうした物語が、ファンの間で更なる二次創作的物語を派生させる。僕がこうして書いたことも、AKBの物語の一部として、ネット上で繁殖する)

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Posted by ブクログ 2012年10月11日

その昔、カルトQという一般人には絶対分からないマニア向けの難問ばかりのクイズ番組がありました。わからないけど、なんかもう回答者の無駄知識がすごすぎて面白いという番組。この本の面白さはあの間隔に似ている。マニアの熱さは伝わるよ。しかも社会的にも論陣はったりする人たちだから説得力もすごい。こういう大人は...続きを読む楽しいだろうなぁ。

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Posted by ブクログ 2017年12月18日

48のムーブメントは縮図であったりコードであったりとして機能できうるのではないかなぁと感じていたんだけどそれを使っていろいろな話をしている。それ自体に可能性がある事や、それを使って様々なことが語られていて面白かった。

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Posted by ブクログ 2014年01月25日

みんななぜAKB48にはまるのか。人は何故人を推すのか。
ここまで熱く語れるAKB48を解いていて、とても面白い。モテない男を救うシステムは果たして世界に通用するのだろうか。
なお、12年8月当時「SKEで一枠取れないから紅白は不公平だ」と嘆いていたが、13年NMB,SKEで出場し、予想を超えたパワ...続きを読むーを示していて驚きだ。

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Posted by ブクログ 2013年05月17日

読み物として面白い。

ただ私は、AKB48というシステムを語る上で重要になっている、「ガチ」という要素がそもそも本当なのか疑ってる。
うーん、現場を見て感じ取るべきなのか…

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Posted by ブクログ 2013年04月20日

AKB48に「マジ」で嵌った4氏が叫ぶ、推し愛と社会学的分析の結晶。

AKB48、ならびに48Projectがこれだけのムーブメントを巻き起こし、他のアイドルとは一線を画している特徴というのは、劇場というホームグラウンドを抱えている点が大きい。
おニャン子クラブであったり、モーニング娘。であったり...続きを読む、過去の大所帯アイドルグループには、このようなホームグラウンドを抱えた例はなく、故にマスメディアとの結びつきがブレイクのうえで必要不可欠であったが、AKB48は劇場という下地を抱えている分だけ地盤がしっかりとしており、マスメディアへの露出は、より間口を拡大するためのあくまでも副次的な要素に過ぎないのである。
もちろん、このような形態をソーシャルメディア全盛の時代に思いついたという幸運は決して見逃すことが出来ない点。今でこそ、Google+を利用したソーシャルメディアによるマーケティング手法を意図的に、かつ積極的に利用しているが、グループ立ち上げ当初に既にそこまで考えが及んでいたとは考えにくい。

些か盲目的になりすぎてはいないか、こんな言説はあまりに馬鹿げているのではないか、と失笑を買いそうな熱の入りようであり、その点に関しては否定しない。引き合いに出される他グループに対する認識は、やや甘めに見える。ここまでAKB48に対して入れ込んでしまったら、もはや致し方ないことなのかもしれないが笑
だが、一見、馬鹿馬鹿しくも映るこういった議論の中に、社会を紐解くための意外なヒントが転がっていたりする胡散臭さが、実は社会学という学問の本質であり、面白さであると個人的には思う。

変なバイアスをかけて堅苦しく読まずに、熱いおっさんたちがソーシャルメディアでAKB討論をしているところにちょっと耳(目?)を傾けるような、軽いノリで読み進めば面白い本。

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Posted by ブクログ 2013年02月14日

AKB48というもねに関してのザックリ議論です。あまり深くは言及してないけど、軽い感じで全体が書かれているし、政治や宗教と関連させた話もあるので、AKBをテレビ程度でしか知らない人でも楽しんで読める内容です。

個人的にはもっと深く、核をついた話を期待してました。
また対談の機会があれば、ぜひという...続きを読む感じです(笑)

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Posted by ブクログ 2012年12月17日

先輩の薦めで読んだ。
読み始めは、4人(小林 よしのり・中森 明夫・宇野 常寛・濱野 智史)が座談会でAKB48が好きということを語っているだけの本かと思ったが、彼女らの本気度を評価して、政治・宗教・資本主義と関連付けて、AKBシステムを語っているところが面白かった。

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Posted by ブクログ 2012年12月16日

第2章「AKBで変わる政治・メディア・宗教」が面白かったです。
読むと、劇場なんかに足を運んでみたくなりますね。

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Posted by ブクログ 2012年12月15日

AKBのメンバーもSKEのメンバーもほとんど区別がつかない。そんな僕がこの本を読み始めたのは、対談している4人非常に興味があったから。そして、その期待にこたえてくれる本でした。AKBのとりわけ総選挙の話から発展して、メディア論から政治、社会、資本主義まで、思い切り語り合ってる。濱野さんとか宇野さんに...続きを読む興味があるけど、でもちょっと敷居が高いかな…なんて思ってるひとは、ぜひ、この本から読んだらいいと思う。AKBの握手会にも行きたくなりますw

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Posted by ブクログ 2012年11月06日

すごく良かった。
何が良いって4人の知識人たちが本気でアイドルへの愛を叫んでいる
んだもん。愛のあるものはこんなにおもしろい!
そして何かが「劇的に流行る」、「社会現象になる」には理由と、それが時代に受け入れられる土台ができていることが必要なんだとおもった。
AKB48は、というかAKB48というシ...続きを読むステムは時代に受け入れられるべくものとして、というか時代を切り開くものとして登場したのだ。
とりあえずこれ読んでからドラマ「マジすか学園」を再試聴し、ドラマのおもしろさというか設定の巧さを再認識し、秋元康ってすごいんだなとおもった。

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Posted by ブクログ 2012年11月05日

あの小林よしのり氏がAKBに轉んだとは聞いていたが、いやはやここまでとは。いい歳した大人どもが熱く熱く語るのである。
呆れるやら、笑えるやらで楽しく読ませてもらった。
世代を代表する知識人たちをここまで熱狂させるAKBに少なからず
興味が湧いたのは確かである。まぁ、轉びはしないとは思うが(笑)

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Posted by ブクログ 2012年11月04日

あっちゃんが辞める発表があったあと(1部)、指原がHKTに行くって決まったあと(2部)。
4人のおとこがひたすらAKBについて。
暇ならぜひ。

「あえて」の時代が終わった。とか、
半分は作り、半分は成り行きに任せる。とか・・・・

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Posted by ブクログ 2012年10月14日

おもしろかった。何気なく見ているAKBをここまで語るとは。いつもは社会のこと、マジメに語っている人たちのAKBについての対談。仕事でAKBを研究している訳ではなく、遠征してコンサートに行き、握手会まで行ってしまう程にこの人達がなっている。おニャン子クラブから、モーニング娘までと、AKBは全然違うと。...続きを読むこの人達のことなので、単なるファンで終わることなく、それがどのようなビジネスで、社会に何を与えているかなど、多いに語る。
難を言えば、私のAKB知識が乏しく、登場人物をネットで検索しなければならなかったことか。

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Posted by ブクログ 2012年10月04日

“あえて”ではなく“マジで”はまった4人の男。
その熱さが面白く、うらやましいとさえ思った。
(とくに濱野さん!)現場に行きたくなりました。
本論とは外れるが、阿久悠がテレビ時代の画角に
あわせて2人のピンクレディや3人のキャンディーズを
つくった(らしい)。そういう意味ではAKBは、
16:9時代...続きを読むにうってつけの存在なのかも。
中森明夫の論客っぷりに感心しました。

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Posted by ブクログ 2012年09月24日

Google+で日常を語らせ、その中から浮かび上がってきたストーリーを歌詞にして歌わせるという秋元康に脱帽。

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Posted by ブクログ 2021年05月31日

全盛期に起きた事件について政治を絡めて話す4人に驚いた。
ただ推しについて語るだけでなく、その当時の時代背景を元に論争を繰り広げていて面白かった。

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Posted by ブクログ 2018年10月12日

前田敦子引退後はじめての総選挙がおこなわれ、その後に指原莉乃のスキャンダルおよびそれにともなう彼女のHKT48への移籍が発表された2012年におこなわれた、いずれもAKB48を愛する論客4人の座談会を収めた本です。

「まえがき」で小林よしのりが「我々は「あえて」嵌っているのではなく、「マジ」で嵌っ...続きを読むている」と述べています。ただし、その「マジ」の中身にも論者によってちがいがあります。小林は、『ゴーマニズム宣言』でもくり返し語っていた彼自身の信じるプロフェッショナリズムにもとづいて、スター性のない少女たちが「ガチ」で芸能界という舞台で夢をめがける姿に声援を送っているように思えます。

これに対して宇野は、「あえて」というスタンスをとりたがる人びとが自己の内側にとどめている屈託を外部化し、「マジ」というスタンスで応援することができるようなシステムとして、AKB48を評価しているようです。戦後という共通の物語が喪失した80年代以降に「オウム真理教にハマる若者たち」が生まれたという社会状況のなかで、彼らを救う宗教としてAKB48が機能しているという彼のシステム論的な視座は、「ももいろクローバーZ」に「強度」を見る安西信一と対照的で、それなりにおもしろく読みました。

ただ、やはり一番説得力があるように感じたのは、戦後のアイドルの歴史を正確に踏まえた中森明夫の発言だったのですが。

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Posted by ブクログ 2014年11月30日

AKBについて、語った。時代は古いけど、さしこのHKT移籍などおもしろい動きがあった年だったのでおもしろく読んだ。
ニコ生の文字起こしみたいな感じ。

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Posted by ブクログ 2014年04月29日

面白かった。
普通の人にしたら4人のおっさんが若いアイドルに熱を上げて口角泡を飛ばして議論するのなんてキモいだけだろうけど、これは女について語ってるのではなく、AKBと言うシステムについて語ってる。
アキバ系アイドルと思われていたAKBが今日の日本社会とどの様にコミットしているのか、4人の論客が喧々...続きを読む囂々。それぞれが別々の専門分野を持ってるからいろいろな見方があって、ヒートアップし過ぎて所々で論理が飛躍してしまってる(笑)のにも、その場の熱さとか思いの深さによるものだろう。
文中にある“「俺はこいつを推せる」そう思えた時、人間は初めて本気を出す”。AKBに限らず、みんな自分の大事なものには本気を出すと思うから私はこの四人のおっさんの本気を「キモい」と責められない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年03月18日

 漫画家の小林よしのり氏やサブカル評論家の人達 計4名が、AKB48について熱く論争した本。議論は、AKB48の魅力・アイドル論から、政治・メディア・宗教論へと展開していく。

 最も印象に残ったことは、中森明夫氏の「アイドルは価値の創造(ねつ造)」であるという主張。私も同じようなことを考えていた。...続きを読む
 小説などの「近代文学」にはもともと価値は無いと考えられていた。最初は大衆だけに受けて知識人にバカにされていたジャンルが、数百年かけて高尚な文化としての地位を勝ち取った。他の芸術のいろいろなジャンルもそうだと思う。
 マンガ・アニメ・ゲームと同じく、アイドルというジャンルも、今その過渡期で摸作中なんだと思う。無料ダウンロードなどでコンテンツに対価を払うという意識が希薄になってきた現在、握手会や人気投票のために同じCD大量購入するという新たな消費行動を生み出した秋元康の手法は、経済価値の創造と言って良いのかもしれない。

 ただ、この本の欠点は、著者4名がAKB48グループに心酔しすぎていて、冷静さを失った意見が多いこと。また、他のアイドルをきちんと論じきれていない。ももいろクローバーZは5人しかいないから多様性に欠けていて面白くない、と書かれていたが、目指すところが違うのだ。
 何でも社会や政治に結び付けて考えたい著者達にとっては、AKB48グループだけが魅力的で、語る価値があるに見えるのだろう。

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Posted by ブクログ 2013年06月21日

「あえて」ではなく「マジで」ハマった四人の男性論客が、AKB48の魅力を語り合い、現象を分析する。
アイドル評論家・中森明夫と、保守を自認する小林よしのりは、立場を弁えたAKB論を展開しているが、宇野常寛と浜野智史は、それ立場関係ないよね的な発言も飛び出し「それは保守であるワシが言うならわかるけどさ...続きを読む」など戒められる場面も。
そこが「あえて」ではなく「マジで」な部分なのかな。主観にどっぷり埋没しつつも、客観的に観察し分析することの難しさよ。小林よしのりはこの秋でAKBに関する一切の言論活動をやめるらしい。61点。

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Posted by ブクログ 2015年06月10日

AKBは「生きる歴史」で、AKBの運動が世界を変える。
さらに、三島由紀夫がAKBを見たら、天皇よりもこっちの方がいいと言ったかもしれない、と気鋭の社会学者?野智史は宣っております。AKBはナポレオンで、舞台の上にいるのは世界精神なんだとも言い出しかねない勢いです。
本書にはその他に漫画家の小林よし...続きを読むのり、元祖アイドル評論家中森明夫、若手批評家の宇野常寛が参加しています。論争というより座談会ですね。我ら如何にしてAKBにはまったか。それも「あえて」でなく「マジで」・・・
AKBは誰もがアイドルになれるカルチャー・フォーマットで、「絶対に必要な条件はない。実は美人である必要もない。その子がアイドルになれるかどうかは、誰かがその子をアイドルと思うかどうか決まるんです」(中森)、ここに「なぜ人は推すのか」という問いの答えがあるようだ。つまり、一人のファンが劇場公演でも何でもいいから、一人のメンバーに出会い、ボクのイチ推しはキミだと宣言した瞬間、一人のアイドルが誕生する。
ある種のゲームを積み重ねることで何かしらの公共性を生む仕組みをゲーミフィケーションというが、AKBは日本での一番の成功例だと宇野は言う。総選挙においては「一票の格差も少ないし、死に票もない。複数投票で政権=センター争いのダイナミズムを味わうこともできるし、一票が重い下位メンバーの当落を左右するゲームも楽しめる」わけで、現実の選挙とは完成度が段違い、参加意識を醸成する回路の強度が別次元なのだ。
近年の「政治の劇場化」に対するマスコミの否定的な論調は、自らの社会を取り込むべく物語形成能力の劣化に対する反動であって、ソーシャル・メディアを前提とした「ゲーム」への参加は、今日の先進民主主義社会にあって倦怠期にある公共性や正当性をリフレッシュするための手掛かり、文化的回路のひな型になりはしないか。
たしかに総選挙をはじめ、握手会やじゃんけん大会などは金儲けのための商売であり、?野が言うように、アイドルオタクにCDをじゃんじゃん買わせる資本主義の権化みたいな搾取のシステムなんですが、公と私、個と多(他)を繋げるステージであることに間違いなく、そこにはファナティックだがある種の共同体が生み出されている。
情念だけが人を動かす。だがそれだけでなく、人と人の間には「推す」という独特な距離感が必要なのだ。

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Posted by ブクログ 2012年11月19日

2012/8/25初版

AKB48にマジでハマった現代論客4人が、主観丸出しでAKB48を語ったお話。

AKB48がどれだけ巧くチャンスオペレーションされた
ビジネスエコシステムになっていて、
そこにどれだけの人間の人生が絡めとられているのかが、
改めて良く分かった一冊。
要するに、秋元康がすご...続きを読むいっていうね。
いろいろつっこんだ見解が飛び交いまくっていて、
かなり面白いところと、まったく飛躍しちゃってるところがあって、
まあ適当に読めばいい一冊だと思います。

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Posted by ブクログ 2012年11月13日

社会現象となってるのはわかるけど
ん~、やっぱり、いまひとつそこまでノレない・・・
歳とった~。

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Posted by ブクログ 2012年10月21日

AKB48について語る人が違えばこんなに面白く「AKB48現象・システム」を読み解くことが出来るのか!と視点・観点の重要性に気付いた本。
私はPerfumeファンなので本文に「Perfumeは誰でも良い(代替がきく)」と書かれていて、これにはものすごく反論したいが、「のめり込み具合」でグループに対す...続きを読むる見方も変わるものなのだなぁと思った。

頑張る女の子は、やっぱり誰しも応援したくなるものなのだ。

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Posted by ブクログ 2012年09月28日

『その子がアイドルになれるかどうかは、誰かがその子をアイドルと思うかどうかで決まる』
システムとしての"人が人を推す"AKBフォーマット、社会への落としどころが非常に分かりやすく理解できる。
総選挙とは、人に推された結果、普通の女の子が夢を叶え自己実現してしまう、そのことへの罰...続きを読むとしての公開処刑なのだと。面白い。

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Posted by ブクログ 2012年09月25日

 最初は楽しいけど、途中から社会論とか文化論みたいな話になってしまいちょっと残念。かつ難しかった。でも今後もこういった本が出てきたらまた読んでしまうんだろうな。

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