佐竹美保のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ大魔法使いクレストマンシーシリーズの一応5作目。
ここまで何冊かこのシリーズを読んであるからこそ楽しめる部分が沢山ありました。物語の設定的にここまでの5作品の中では一番好きかも。
またしても、ちょっと頼りない男の子が主人公ではありますが、頼りないけれど心はまっすぐで優しいのが良いです。そして、身近な人に酷い人がいて、勧善懲悪なのもパターンですが安心して読めます。
ネタバレの内容ですが、変化が起こるたびに、世界の様子が変わるので、想像するのが大変ではあるけれど、だからこそファンタジーの醍醐味があるように思います。また人物描写が面白くて、それも想像する楽しみがありました。
クレストマンシー城に来る前のクリストファーと、大人になったクリストファーしか知らないので、成長過程のクリストファーに会えたのは良かったです。ちょっと気障ったらしくて高慢なのが玉に瑕ですが、本質的にはミリーを助けようと頑張っている一生懸命な男の子だし、あの頼りなくて他力本願だった彼を思えば、成長したと思います。きっと悪い部分もこれから直して成長していくのだろうと思って、物語になっていない裏側に思いを馳せました。
シリーズの他の作品も、物語前半のペースが遅く、後半に向けてスピードアップする感じがありましたし、ラストの展開の面白さがあると思いましたが、この作品も、ラストの大団円に向けての展開にスピード感もあり、華やかさもあり、大掛かりなお芝居を観ているような感覚がありました。うん、アニメとかじゃなく、映画とかの実写で観たら面白いかも。他の作品より、前半の面白さが私にとっては大きかったです。
それにしても「風の脚」」とか「業の主」とかがイマイチ掴みきれませんでした。あれって、どういう生き物(生き物だかもわからないけれど)でどういう設定のものなのだろうか。もしかして、この作者の他の作品を読むとわかるのだろうか。
あと、本のタイトルの邦訳、巧いですね。これ「コンラッドの運命」とかだったら、ピンとこないし惹きこまれない気がします。訳者の作品への愛を感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大魔法使いクレストマンシーシリーズの一応4作目。
おぉ、こう来たか、という感じで、結構前半から楽しく読めました。時系列的には「魔女と暮らせば」より前の話なのですが、「魔女と暮らせば」を読んでいるおかげで、別の楽しみ方がありました。
どうして、この作品の男の子はちょっとこう頼りないのだろうかとも思いつつ、いろいろなことを考えて成長していく姿を楽しんでいたら、特に、問題勃発の後の成長ぶりが素晴らしく…。
個人的にはタクロイも魅力的なキャラクターだと思います。
女神もとても素敵な女の子で、でも、彼女って「魔女と暮らせば」でも登場した彼女ですよね。
そんな風に、いろいろな伏線が、シリーズ全体にわたって引かれ、回収され、という感じで、シリーズを早く読破したくなりました。
それにしても、「魔女と暮らせば」のグウェンドリンもそうだったけれど、親切そうな顔をして他人を利用して嵌める人がまた登場。反面教師なのかもしれませんが(多分、クリストファーはラルフ伯父からいろいろ学んだと思うし)、物語の中の毒だと感じます。勧善懲悪で終わって良かったです。 -
Posted by ブクログ
なぜか人を引きつけるチャグム。バルサがどうしてここまで惚れ込むのか今までわからないところがあったが、今作ではなんとなくそのあたりを読者に理解させる描写が多い。ヒュウゴもそうだが、一緒にいた呪術師弟ソドクも「なんだか不思議なやつだ。肩入れしたくなる」みたいなことを言うのだけど、そのあたりが好きだ。p.250
チャグムだけでなく、登場人物それぞれの立場からの正論、筋の通し方がとても面白い。リアルさとでもいうのか。
旧ヨゴ皇国ってやつは地理的にもっと遠い存在で簡単には行けないところかと思っていたが、船で簡単?にたどりつけてちょっと想定外だった。
それにしても新ヨゴは閉鎖的すぎる。外部の状況を知らなさすぎ。帝の志向が思いっきり反映されているのかもしれないけど。
タルシュは強大すぎ。それなら、前作に出てきた「タルハマヤ」をタルシュにぶつければいいのに、とか思った。 -
Posted by ブクログ
赤ちゃんの時に両親を亡くしたベッツィーは、町でハリエット大おばさん、その娘のフランシスおばさんと一緒に暮らしていました。おばさんたちはとてもやさしい人で、通信教育で子供の育て方を勉強したり、ベッツイーを守るために学校への往復も手をつないで一緒にいったり、怖い夢をみたらかならずかけつけたり。しかし大おばさんが病気になり、ベッツイーは田舎の農場に行くことになります。
農場では、いきなり荷馬車のたずなを持たされたり、朝も起こしに来てくれなかったり、とこれまでとは全く違う生活。
ひさしぶりに、読書していて泣かされました。
後半で語られる、いつもボロボロな服を着ているライアス少年のお話。彼にたいして子供たちが一生懸命になって行動して考えて、胸がいっぱいになりました。
当時の学校の様子や、バター作りだとか、森の感じ、家畜の品評会なども描かれていて、その場面や、家の様子、農場の風景が思い浮かぶよう。
暖かい農場の家族とのふれあいで成長していくベッツイーの姿も見事に描かれている。
100年以上も昔に出版された物語なんですが、古臭さなんてなくて、色あせず、とても楽しめます。名作です。