佐竹美保のレビュー一覧
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「ゆりの木荘の子どもたち」
富安陽子.作 佐竹美保.絵
百年以上前に建てられたというゆりの木荘は、不思議な魔法がかけられていると言い伝えがありました。今は、お年寄りたちが一緒に生活する「有料老人ホーム.ゆりの木荘」になっています。ほとんどすべてのものが捨てられてしまったのに、玄関には大きな古時計だけが、置かれています。
春、ベンチに座ってお話ししている二人のおばあさんがいます。ゆりの木荘の住人のサクラさんとモリノさんです。サクラさんが、手毬唄が聞こえると言い出しました。サクラさんが思い出しながら、手毬唄を歌い終わると、玄関の古時計が逆回りして、風が吹いて、気がつきと、サクラさんもモリノさんも -
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ゆりの木そうの時間がもどっちゃったのは、古時計のせいだと思ったら、ざしき童がげんいんだったから、おどろいた。
サクラちゃんが、ざしき童とのやくそくを守って、自由にしてあげられたのがよかった。
サクラちゃんはやくそくの後ゆりの木そうに来なかった。戦争があったし、その後も来なかった。カズミちゃんは広島で、死んじゃったかもしれない。ざしき童は、この間ずっとゆりの木そうで待っていた。きっとさびしかっただろうな。サクラちゃんが老人ホームに来なかったら、ずっと一人ぼっちだった。ふしぎなぐうぜんだ。
ざしき童はいなくなっちゃったけど、ぶじにげんざいに帰ってこられて、全員幸運だったんじゃないかな。
大さんとし -
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久保田さんの作品は『駅鈴』『氷石』『もえぎ草子』と読んだけど、これが一番いいのでは?と思った。
私が読んだ中では唯一ファンタジー要素のある作品だが、それが久保田さんの中世をリアルに描く力、誠実な物語運びとうまい具合にミックスされてる感じ。
頼光四天王の一人平貞道が、頼光の郞等となるところから話は始まる。妖狐葉月を助けてやったことが縁で、貞道と葉月はピンチの時にお互い助け合う約束を交わす。
葉月は、賀茂神社の斎院である幼い尊子姫の女房をしており、斎院は葉月が狐であることを知った上で姉のように慕い、頼っている。幼くして母と別れ、実家に戻ることもままならない斎院を愛しく不憫に思う葉月は、何としても彼 -
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「トリスタンとイズー」を読んで、サトクリフでアーサー王伝説シリーズ読もうかなと思ってはいるのですが、
ちょうど仕事でこの、金原瑞人先生訳に出会ってしまい、ぐいぐいお話が進んでいくんで、あっという間に読み終えました。
あの、有名なシーン、アーサー王が名剣エクスカバリーを岩から抜いて後、ブリテン全土の王となり、
その後サクソン人やアイルランド、ノルウェー、フランスと近隣の国をどんどん征服していく。
そこには、騎士たちのめくるめく戦いがあり、馬も騎士もざくざく殺される。
最初は恐ろしかったけど…
いやあ、騎士道って素晴らしい✨
女、子ども、丸腰の相手、倒れた相手を殺すような -
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私の人生を象ったのは小野不由美著の十ニ国記シリーズなのだと思うが、その布石として本の世界を開いてくれたのは間違いなく、上橋菜穂子著の守り人シリーズだと思う。守り人シリーズに小学校2年生に出会っていなければ、十二国記に中学1年生で出会えていなかっただろう。
この外伝は出ていることを知らず、ふと手に取った。瞬時に物語の中に入って、特に今回はジグロとバルサ、サリとエオナ、オリアとルミナの親子の関係が胸を打ちすぎて、ああ上橋さんの文章、関係性、そして行間にある余韻がとても好きだと改めて思った。子供の頃はそれが物足りなく感じることもあったのだけど、今読むとこれでいいな、十分雰囲気が語りきってると思いま -
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旅人シリーズは前の虚空の旅人のときもそうだったが、完全解決できないシチュエーションでどうやって切り抜けるかというところが描かれていて、とても人間味があるというか、大人向けな物語だと思う。
今回はこれまで以上に、というか最終的に解決していないのは初めてじゃないかと思う展開で、チャグムの苦悩にこちらも悩まされた。
しかしこういった壮大なハイファンタージというのは、最初のほうは不思議な体験や経験を通して主人公自身の成長が描かれていくのだが、物語が進んでいくにつれて、他国との争いなど、国と国との政治力学みたいな話が出てくるものが多い気がする。漫画だが、「マギ」や「ワールドトリガー」などを思い出した。そ