佐竹美保のレビュー一覧
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ネタバレあのヒュウゴの少年時代の物語。タルシュ国密偵アラユタン・ヒュウゴ。やたらと気になる存在だったあのヒュウゴ。
バルサやチャグムにとって、敵対する関係のはずなのに、完全な敵ではない。
ラウルを説き伏せた能力の持ち主。
なぜ、あんなにもヒュウゴという人物が心に残ったのか、本作の上橋さんのあとがきで納得。ヒュウゴのこの少年時代の物語は、ヒュウゴが登場した時点で出来上がっていたとのこと。だから、ヒュウゴがあんなにも、登場人物の中でも際立つ存在となっていたのだ。
本作は守り人シリーズのスピンオフみたいな位置づけなのだろうけど、もはやひとつの物語として完璧に出来上がっている気がする。
ヒュウゴが家族全員 -
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ネタバレシリーズ7作目。
いやぁ、おもしろい。ぐんぐん物語に引き込まれてしまう。
チャグムがサンガル王国へ儀式のために出向いた頃にまかれていた火種(タルシュ王国のサンガル王国への侵略
)が一気に燃え上がっていて、新ヨゴ皇国も大きな波にのまれていく。
なんと、サンガルがどうにも持ちこたえそうにない、どころか、タルシュ王国の手に落ちていた・・・!あの快活な海の民が・・・!
サンガルがタルシュの手に落ちたということは、新ヨゴ皇国にとっては南の城壁が崩れ去ったことになる。
と、物語の序盤ばかりを思い返してしまったけれど、本書はなんといってもチャグムの成長が素晴らしい。
父である帝から命を狙われ、タルシ -
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ネタバレ『きつねの橋』の続編が読めるなんて嬉しい。
平貞道を中心に、平季武、公友、白きつね・葉月のオリジナルメンバーに渡辺綱が加わり、物語にますます深みが出てきて前回以上に面白かった。
弱みにつけこまれ鬼に取り憑かれてしまった季武。
季武を助けようと力を合わせて鬼に挑むみんなのチームワークが良かった。
実際の伝説『鬼の腕』をモチーフにしているため、ファンタジー要素にも説得力があり、読んでいてハラハラ。読み応えがある。
古木の桜の花びらや紅葉の葉が優雅に舞う様子も映像が浮かぶ位素敵で、児童向けにしておくのは勿体ない。ぜひ大人用の小説にしてほしい。
巻のニ、ということはこの後三、四と続くのかな。
更なる -
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外国で産まれた物の身の上話を通して、その国をのぞいたような気持ちにさせてもらいました。
アフガニスタンは依然、混乱が続いています。古都ヘラートで作られるヘラートグラスの工房も次々閉まっていく中で、作中のグラスは外の世界へと送り出されました。グラス工房の娘さんが、グラスに語りかける言葉が印象的でした。その身を以って、まだヘラートグラスを作っている職人がいるのだと、世界中に伝えておいで、というのです。世界中で苦しむ人にとって、職人が力を尽くして作った美しいヘラートグラスの存在は、希望を届ける存在でもありました。
目の前にある物の向こうに、それを作った人たちの存在を感じ、作られた場所へ関心を持った -
購入済み
渡辺綱、登場
渡辺綱だ!いつも屈託のない感じで描かれる人の気がするけど、同僚から見るとこんななのかな。これから打ち解けていくのだろうけど。狐の葉月が姫と再会できるといいな。鬼が邪悪というだけでないのが良いです。倫理姫も登場しましたね。平安時代の日常が伝わってくるお話です。