古川日出男のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
吉川英治の新平家を読んでいたら琵琶法師の所作も取り入れてすごいからこれも読めと勧められた
平曲風?の語り口調が独特で合戦の場面みたいな物理的な緊迫感がある場面は勢いがあって良いのだが他はつい目が滑ってしまう。あと掛け声の「よ!は!」とかも慣れるまで笑ってしまった。凄いことをやっているのはわかるのだが。
あと新平家がキャラ付けが強烈で人間くさかった余韻なのかそれぞれの登場人物の個性があまり感じられなかった。文量の違いもあるが新平家はかなりガツンとくるがこちらはサラサラ読める感じ
個人的には本編より後書きや解説が読み応えがあった。
全文訳してるとのことだが平家物語の原文が900頁に納まる量とい -
Posted by ブクログ
長いタイトル、本文も350頁あまりでそこそこ長い。
パンデミックのころを、京都を軸に描くという体の作品なのだが、一筋縄ではいかない。
第一部は著者自身の回想や実在の人物との交流で始まる。が、発想はあちらに飛び、こちらに飛び、パースペクティヴ的である。八艘飛びを繰り返しながら、「あの頃」が立体的に立ち上がっていく。同時に、空想の中から、三島由紀夫のフェイクである「二島」由紀夫や、冥界で閻魔の補佐をしていたという小野篁、そして源氏物語の著者である紫式部が召喚され、彼らが現代の京都を闊歩し、オペラを演じるのだ。
・・・いや、何を言ってるのかわからないと思うが、だいたいそういうお話なのである。
こう -
Posted by ブクログ
紫式部本人による紫式部日記、ということで、所々補足があって理解しやすい作りになっている。
紫式部が小式部内侍のことがとても好きなこともしみじみ伝わってくるし、清少納言に対する苛立ちも現代的で面白い。
けれども使っている言葉が「ワイフ」「グルーミィ」など、度々普段自分は使わないものに置き換えられていて気が散ってしまった。
具体的にいうと、90ページの「大晦日の夜には鬼やらいがある」のところなんて、原文が「うちとけゐたるに」(くつろいでいたところに)が「いずれにしても、いつもはどこか冷めているわたしは、けれどもこの瞬間は、ただの冷静(チル)な物腰よりもチル・アウトをもとめていた。そう、くつろぎ。 -
Posted by ブクログ
湯浅監督のアニメ「犬王」がこれまた傑作だったので、原作も気になり手を取ってみました。どうしても、アニメーションと比べると映像がない分、臨場感に欠ける印象はあるのですが、それでも口承のていで展開する短い文章が連続する構成は非常にテンポがよく、まるで能を見ているような気持ちよさがありとても新鮮でとても楽しめました。
あくまで個人的な感想なのですが、映画は友魚と犬王の友情がかなり濃密に(時に湿っぽく)描かれていたのが印象的で、かつそこが一番好きな点でもあったので、そのあたりが結構あっさりとしていたのは少し残念でした。(ただ、ラストの展開は小説版も負けず劣らず良かったです) -
Posted by ブクログ
まさに古川日出男さんのノンフィクション。
歩く。考える。問う。語る。
福島が、イチエフを代名詞とする前、ゼロエフには一体何があるのだろう。
筆者の側を歩くように読む。
読みにくさはある。
歩きながら、見たり、聞いたり、考えたり、考えたことから思い出したり、するからかもしれない。
でも、そのテンポが、嫌いではない。
「残さないと駄目なんです。残さないと消える。もしかしたら消される。それを避けたい。だからね、慰霊碑はね、石です」
「想定外という言葉は許せない。あっちゃならない」
「いま、たとえば、(世間は)石炭を叩きます。原子力を叩きます。しかし、完全にー化石燃料を、原子力をーなしとしてし