【感想・ネタバレ】平家物語 犬王の巻のレビュー

あらすじ

室町時代、京で世阿弥と人気を二分した能楽師・犬王。盲目の琵琶法師・友魚(ともな)と育まれた少年たちの友情は、新時代に最高のエンタメを作り出す! 「犬王」として湯浅政明監督により映画化。

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Posted by ブクログ

圧巻。小説の持つ力を、思う存分堪能しました。
平家物語が平家物語として成立する過程の物語であり、芸に生きた者の物語であり、ふたりの結びつきの物語でもある。それらがガンガン響き合い、拡散し収縮する。
小説を読む幸せに浸りました。

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2025年10月27日

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映画を見て、原作も気になって読んでみた。
原作と同じように淡々とした語り口の本。さらりと読めて、でも、胸に来る。

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2025年10月26日

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室町時代に実在した能楽師・犬王と、琵琶法師となった友魚の物語。
琵琶の語りのような文章は軽妙にしてリズミカル。
映画版とは設定の違いはあるものの、こちらも素晴らしい。

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2022年07月18日

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ネタバレ

映画「犬王」原作本。
室町時代、京で実在した能楽師・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚のお話。

スピード感たっぷりの文章が心地よく、あっという間に読み切る。
友魚と犬王の友情が熱い。
二人の生い立ち、芸能の頂点にたつまでの物語。
犬王の顔の面が取れる瞬間は、震える。
実際に目にしたような感動があった。
そして、頂点を極めてから、あっさりと終わってしまうのも、またなんとも言えず熱い。
しかも、権力者の都合によって、有無を言わさぬ、絶対抗うことができないというのが、また苦しい。が、それもまた物語としての美しさになっていて、素晴らしい。
友魚の最後は泣ける。そして、犬王の最後のセリフも泣ける。
これは映像でみたくなるわ。映画見よう。

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2022年07月05日

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語り口が軽妙・痛快でサラッと読めた。
話の筋も分かりやすくかつ面白かった。
映画との相乗効果でより輝く作品

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2022年06月19日

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映画で話題になっているので読んでみた。
熟練の話芸のような語り口で、文章のテンポが良く、スルッと読めた。焦点が定められ、ぶれない。物語が走る、疾る。
映像的なイマジネーションが豊かな感じで、アニメになるのも頷ける。
犬王の人生、友魚の人生。
それぞれ過酷ながら、切り拓き進む二人を固唾を呑んで見守った
読んでよかった。

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2022年06月11日

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なるほど平家物語。
短いセンテンスで綴られて、口に出して読みたくなる。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

歴史から消された能楽師犬王と、盲目の琵琶法師友魚の物語。普通に楽しんだけど、どうやら映画の評判が良いようなので見てみようかなー

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2025年01月11日

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醜くても魅力的、醜いから魅力的。
犬王と友魚の友情は光だった。
未だアニメ版は見られてない。
いつかいつかと先延ばし。

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2024年11月23日

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どちらかというと源氏派なので、平家物語は初めて。
旅行した厳島神社に清盛の像があって興味が湧いたとこだったので、映画版は軽く面白く読めた。
逆に物足りないので古川さんの分厚い方に挑戦しようかと。

「イシュタルの娘」の歌舞伎もそうだし、今回の能楽も、文化の起源や歴史を知ることは大事だな。

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2023年11月28日

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何度も同じような内容を反芻するように物語が展開していくのですが、一つ一つの章が2〜3ページと短いため、ポンポンとテンポがよく、スイスイと読むことができました。
犬王や友魚(ともな)の出会いや二人の数奇な人生が、今で言うファンタジーのようで、面白かったです。
アニメ映画になったそうなので、どのようにこの物語が再現されたのかが気になります。

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2023年02月08日

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古川日出男が2017年に発表した「平家物語 犬王の巻」の文庫版。2022年5月にはアニメーション映画が公開されました。実在の能楽師である犬王を主人公とした作品ですが、「平家物語」にも「後世に多大な影響を与えた」「作品はいっさい既存していない」と記されており、本作は犬王を大胆に解釈し、友魚との友情・成長物語として描かれます。文体が非常に特徴的で、琵琶法師が語るようなリズミカルでスピード感あふれるものになっています。次々とページをめくる手が止まらなくなりました。

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2022年12月28日

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書評で読みやすいとはあるけれど、全体に事象が口語体で語られ、心理描写はあまりなく、細かい所は読み手が読み解かなければならないので、少々大変だった
なかなか古典(この作品は古典風?)は読まないので、不慣れなこともあってか時間がかかった
2人の男性、友魚と犬王の出生から逝去までが語られ、最後まで読むと2人の友情が熱いものだったと気付かされる
映画も観てみたい

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2022年12月09日

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 時は室町。犬王は疾り、謡い、舞う。友魚の琵琶が響く。
 父親が、芸の頂点を窮めるために魔性の者と交渉し,異形のものとして生まれた犬王。壇ノ浦から引き揚げた草薙の剣によって視力を失った友魚。二人は出会い、能楽師として、琵琶法師として、名声を得ていく。
 リズムのある短文を重ねた語り口で『腕塚』『重盛』『鯨』と、能の舞台が目に浮かんだ。
 「世に知られていないからこそ、それゆえに語ってほしいと願う者たちがもたらす真の異聞」とある。友魚の死を知る犬王、友魚の呪縛の様、そして解きあい。また、「犬王は余の偏愛する者」と足利義満に言わしめたにもかかわらず、観阿弥・世阿弥以上に歴史に名を残すことのなかった理由。そのあたりも気になる。
 映画化されていることを知らず、偶然YouTubeでいくつかの画像を観た。室町で能舞台だけれど、とにかくRockで、いつまでも耳に残った。舞台化するのもおもしろそう。

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2022年09月04日

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映画を観てからこちらの小説に触れたので、犬王や友魚の台詞はあの声や抑揚で聞こえるし、もちろんビジュアルは映画そのものを想像して読んでいきました。けれど、それで違和感を感じないほど、しっくり馴染めてたのしく読めました。

それは、展開も結末もところどころ違う小説と映画だけれど、物語の根っこにある「犬王と友魚」という不運に遭いつつも前向きに生きるふたりの生き方や友情が篤く描かれている、その芯がまったく違っていなかったことが、まずひとつ大きいからだと感じました。

そしてもう一つは、小説そのものの文体。歌をうたいあげるように、切れ味の鋭い抑揚の波に載せられるがままに、人々の運命を紡ぎあげてゆく描きかたが、歌で物語を紡ぎあげる映画ととても近しいものだと思えたのです。そういう意味で、最高の原作と映画という関係なようにも思いました。

映画の結末の付け方もとても浪漫を感じるものでしたが、この原作の結末も、これはこれでとても好きです。知らず闇へ放りだされた二人の最期として、潔く、そして美しいものを感じました。

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2022年09月02日

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映画を観て面白かったので衝動買い。
映画は原作であるこの本と多少プロットが異なっていたけど大まかな理解は同じで進められていた。
映画の一瞬一瞬の速さでは理解できなかった情報を十分に補完しながら読み進められた。
比叡座のために息子の無垢の身を売った父親と、それによって生まれた犬王と友魚の関係はどれも相補的であるように感じた。つまり、映画では後者の2人が主役として扱われているが自分の中では犬王の父親もなかなか大事な存在であるように感じた。圧倒的に悪役感はあるけど。

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2022年07月19日

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映画を見てもっと理解を深めたいと思って読み始めた。やはり読みながら映像イメージが頭に浮かんでスルスル読めた。一方で本を先に読んでたらどうだったんだろうかとも思った。
映画では読み解けなかった、犬王が醜態で生まれた経緯や芸を習得すると美しさを得ていく理由などがより深くわかった。また琵琶法師や能楽の流派が長い歴史の中で栄えたり廃れたりを繰り返してきたのかと思うと今の時代我々が目にしている様々な文化の評価とは何に基づくものなのかと思った。時の権力者に愛でられた物だけが残り消えてしまったものも沢山あるんだろう。

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2022年07月04日

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映画を見てとても良かったので原作も買った。原作と映画でかなり描き方が違うことに驚いた。内容というよりかは、メイン登場人物のどの部分、どの歴史、どの思想、どの関係性をピックアップするか…の視点がかなり原作と映画で違うのだなと。
小説は淡々と歴史が描かれているのが逆に、キャラクターの実在性をかなり強く感じた。

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2022年06月18日

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アニメーション映画『犬王』原作
室町時代、時の将軍は足利義満のころ。猿楽の能の頂点を求めた父の呪詛によって犠牲になり、醜く穢れた姿で生まれ落ちた犬王。
平家と共に壇ノ浦に沈んだ草薙剣の光によって盲目となり、琵琶法師となる友魚。
2人が「平家物語」によって固くむすばれ、解放され、縛られていく。

リズム感を重視されているのか、出来るだけ短く区切られた文体でつづられていく物語です。
個人的に文章だけではイメージが追いつかないところがあって、わたしは先に映画を見ていて良かったとおもいます。

映画と原作と比較できて、演出方法に学べたのが何よりおもしろい。
犬王と友魚の関係性が好きです。

「さあ、お前、光だ」
互いが互いを照らす、その果てに。

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2022年06月16日

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映画を観てから原作を読みました。ので、かなり原作通りに作られていたのだなと。アニメを想像しながら読めたので、もし観ない前だったらどんな風に読めたのかなと、かなり不思議な文体でした。プロットを読んでいるような。平家物語はアニメで履修していたのですが、知識の下地がないと、読んでてもハテナ❓だったかも。

このプロットから湯浅監督が導き出した答えがアニメーションという映画になったこと、主人公のふたりのピッタリ感、奇跡的な出会いだなあと思いました。ぜひ舞台化してほしい。絶対観たい。

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2022年06月06日

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ネタバレ

親の業によって犬王がぐちゃぐちゃで生まれてしまうのは悲しい。悲しすぎる。呪いという言葉もまた悲しくてつらい。

でも犬王はそういった悲哀を感じさせないキャラクターで、生きる力が強くて、とても惹かれました。
すごい魅力ある人だなあと。目に映る美醜ではない美しさ。目の見えない友魚だから、犬王のほんとうの魅力がわかったのかもしれないですね。

映画も観ました。映画を先に観て、色々と確認したかったので原作を読みました。
映画も本も、すごく良くて映画のパワーに圧倒されましたが、この本が無ければ存在しなかった映画なのかと思うと、それもまた友魚と犬王の関係のように感じられて胸が熱くなります。

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2022年06月03日

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平家物語は以前読んだことがあるが、『犬王の巻』犬王とは何だろうと興味を引かれ手にとった。

 時は室町、歴史から消された
謎の能楽師犬王と盲目の琵琶法師友魚が奏でる
もう一つの「平家物語」
鳴り響く琵琶は呪いか?祝福か?

 読み終わって、あれ?と思ったのが手塚治虫の『どろろ』と似ているなと。
さすがに百鬼丸みたいに仕込み刀とかはないけど設定とかは似ている。
文体も独特で読み手に語りかけるような口調で同じ言葉を反芻したりと「べんべんべん」と琵琶の音が聴こえてきそう。

犬王と友魚の対比が興味深い。
特に後半では真逆の対応をしている。
最後まで抗い続け悲劇にあった友魚、抗うことを諦めてしまった犬王。
犬王は友魚の悲劇をみて何を思ったのか?
命を奪われる恐怖からなのか、友魚と紡いだ芸だけは残したかったのか?友魚を失い抗う気持ちがなくなってしまったのか?
語ること、舞うことが唯一呪いや権力から抗う術であった筈なのに…。
絶対的な権力の前では無力、どちらにしても報われないな。

疑問に感じたのが、「平家であらずんば人であらず」と平氏の圧政下で、なぜ平家の没落や悲劇の物語が庶民に受け入れられたのか不思議だった。
当時は娯楽が少なく琵琶法師が語る話が娯楽の対象になっていたのと平氏への同情や憐れみが一種のカタルシスになっていたのかなと感じた。

一度は芸の道で頂点を極めた二人。
結局は諸行無常、盛者必衰。
ラストの「さぁ、お前光だ」犬王の台詞
希望、友情の光?成仏するための光?最後まで余韻が残る終わり方だった。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

これはこれで面白かったけど、映画の方を先に見ちゃった分、そっちの印象が強い。
映画を見て謎だった部分の補完の意味合いが強い読書になってしまった。
先にこっちを読んでいれば、たぶん、また違った印象を持ったと思う。

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2024年05月22日

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湯浅監督のアニメ「犬王」がこれまた傑作だったので、原作も気になり手を取ってみました。どうしても、アニメーションと比べると映像がない分、臨場感に欠ける印象はあるのですが、それでも口承のていで展開する短い文章が連続する構成は非常にテンポがよく、まるで能を見ているような気持ちよさがありとても新鮮でとても楽しめました。

あくまで個人的な感想なのですが、映画は友魚と犬王の友情がかなり濃密に(時に湿っぽく)描かれていたのが印象的で、かつそこが一番好きな点でもあったので、そのあたりが結構あっさりとしていたのは少し残念でした。(ただ、ラストの展開は小説版も負けず劣らず良かったです)

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2024年03月30日

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冒頭、友魚と犬王のそれぞれの来歴が語られた章の勢いがとても新鮮で面白く響いて一気に読んだ。評価の高い映画の方も観てみたい。

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2024年03月26日

Posted by ブクログ

2023-12-02
映画が素晴らしすぎて勢いで原作も。
読むと言うより語りを聞く感覚。目眩が起こるほど言葉が踊る。え、そこそれだけで終わる?という所もあり。
どちらが好きかと言われると、映画。どちらを勧めるかと言われると、原作。
疾走感は原作か。映画は曲や見た目の好みがあるだろうし。QUEENすぎるというのは、原作読んで納得した。
しかし、改めて「どろろ」だなあ。

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2023年12月02日

Posted by ブクログ

最初は読みにくかったけど、慣れると面白い。
短いセンテンスが独特のリズムを生み、いつのまにかぐんぐん読まされてしまう。

呪いにより母でさえ正視できない奇形に産まれた犬王と、壇ノ浦から草薙剣を拾ったために盲目となった友魚。互いに朋とし、それぞれ能楽師・琵琶法師として名声を得ていく。
正伝でない平家物語を奏でる2人の物語。

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2023年01月31日

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ネタバレ

映画を見て、細かい所がよく分からなくてでも感動して、原作も読んでみることにしました。

結果、正解。

映画を見た後だからこそイメージできて、
得た情報を持って、また映画を見てみたくなる

これからあの映画ができたと思うと凄いな

実際はどんなふたりだったんだろう、
映画の表現の仕方は本当に夢があったな

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2022年07月14日

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平家物語を猿楽の演者と琵琶法師の視点から追う。と表現してしまうと、まったく筋とは異なる様子になってしまいます。独特なリズムで、禍々しくも妖艶な雰囲気が、怪奇な世界を築き上げていました。

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2022年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を観た後に読みました。
呪いや演目についてなど、分からなかった点を知ることができました。
なので、作品そのものを楽しみという読み方ではなかったかも。
文体は平家物語にふさわしく、短く、時に繰り返しを用いたリズムのあるもの。
登場人物の心情などは細かくは描かれておらず、文章の余白やセリフから想像させるものになっています。
映画とは描写やシーンが異なる点もありました。

ただ、映画がなかったらこの作品を楽しんで読めたかというとわからないです。

これは平家を謡う犬王の物語であり、その犬王を謡う友魚・友一・友有の物語なのだということはわかりました。だから犬王の巻なのだと。

平家物語の予備知識があるともっと楽しめると思いました。

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2022年06月18日

Posted by ブクログ

平家物語を完全現代語訳した古川日出男さんの〝続編〟。伝奇であり、友情物語であり、歴史小説でもある。200ページに満たないが、中身は意外と濃い。友魚(琵琶法師)と犬王(能楽師)と平家、それぞれの物語が次々と切り替わって進み、最後余韻を残して終わる。とにかくテンポが良く、サクッと読めるが、講談調の独特な言い回しは好みが分かれるかも。5月公開予定の劇場アニメも面白そう。

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2022年03月13日

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