あらすじ
室町時代、京で世阿弥と人気を二分した能楽師・犬王。盲目の琵琶法師・友魚(ともな)と育まれた少年たちの友情は、新時代に最高のエンタメを作り出す! 「犬王」として湯浅政明監督により映画化。
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Posted by ブクログ
映画「犬王」原作本。
室町時代、京で実在した能楽師・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚のお話。
スピード感たっぷりの文章が心地よく、あっという間に読み切る。
友魚と犬王の友情が熱い。
二人の生い立ち、芸能の頂点にたつまでの物語。
犬王の顔の面が取れる瞬間は、震える。
実際に目にしたような感動があった。
そして、頂点を極めてから、あっさりと終わってしまうのも、またなんとも言えず熱い。
しかも、権力者の都合によって、有無を言わさぬ、絶対抗うことができないというのが、また苦しい。が、それもまた物語としての美しさになっていて、素晴らしい。
友魚の最後は泣ける。そして、犬王の最後のセリフも泣ける。
これは映像でみたくなるわ。映画見よう。
Posted by ブクログ
親の業によって犬王がぐちゃぐちゃで生まれてしまうのは悲しい。悲しすぎる。呪いという言葉もまた悲しくてつらい。
でも犬王はそういった悲哀を感じさせないキャラクターで、生きる力が強くて、とても惹かれました。
すごい魅力ある人だなあと。目に映る美醜ではない美しさ。目の見えない友魚だから、犬王のほんとうの魅力がわかったのかもしれないですね。
映画も観ました。映画を先に観て、色々と確認したかったので原作を読みました。
映画も本も、すごく良くて映画のパワーに圧倒されましたが、この本が無ければ存在しなかった映画なのかと思うと、それもまた友魚と犬王の関係のように感じられて胸が熱くなります。
Posted by ブクログ
映画を見て、細かい所がよく分からなくてでも感動して、原作も読んでみることにしました。
結果、正解。
映画を見た後だからこそイメージできて、
得た情報を持って、また映画を見てみたくなる
これからあの映画ができたと思うと凄いな
実際はどんなふたりだったんだろう、
映画の表現の仕方は本当に夢があったな
Posted by ブクログ
映画を観た後に読みました。
呪いや演目についてなど、分からなかった点を知ることができました。
なので、作品そのものを楽しみという読み方ではなかったかも。
文体は平家物語にふさわしく、短く、時に繰り返しを用いたリズムのあるもの。
登場人物の心情などは細かくは描かれておらず、文章の余白やセリフから想像させるものになっています。
映画とは描写やシーンが異なる点もありました。
ただ、映画がなかったらこの作品を楽しんで読めたかというとわからないです。
これは平家を謡う犬王の物語であり、その犬王を謡う友魚・友一・友有の物語なのだということはわかりました。だから犬王の巻なのだと。
平家物語の予備知識があるともっと楽しめると思いました。