古川日出男のレビュー一覧

  • 平家物語 犬王の巻

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    どちらかというと源氏派なので、平家物語は初めて。
    旅行した厳島神社に清盛の像があって興味が湧いたとこだったので、映画版は軽く面白く読めた。
    逆に物足りないので古川さんの分厚い方に挑戦しようかと。

    「イシュタルの娘」の歌舞伎もそうだし、今回の能楽も、文化の起源や歴史を知ることは大事だな。

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    2023年11月28日
  • 平家物語 犬王の巻

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    何度も同じような内容を反芻するように物語が展開していくのですが、一つ一つの章が2〜3ページと短いため、ポンポンとテンポがよく、スイスイと読むことができました。
    犬王や友魚(ともな)の出会いや二人の数奇な人生が、今で言うファンタジーのようで、面白かったです。
    アニメ映画になったそうなので、どのようにこの物語が再現されたのかが気になります。

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    2023年02月08日
  • 平家物語 犬王の巻

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    古川日出男が2017年に発表した「平家物語 犬王の巻」の文庫版。2022年5月にはアニメーション映画が公開されました。実在の能楽師である犬王を主人公とした作品ですが、「平家物語」にも「後世に多大な影響を与えた」「作品はいっさい既存していない」と記されており、本作は犬王を大胆に解釈し、友魚との友情・成長物語として描かれます。文体が非常に特徴的で、琵琶法師が語るようなリズミカルでスピード感あふれるものになっています。次々とページをめくる手が止まらなくなりました。

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    2022年12月28日
  • 平家物語 犬王の巻

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    書評で読みやすいとはあるけれど、全体に事象が口語体で語られ、心理描写はあまりなく、細かい所は読み手が読み解かなければならないので、少々大変だった
    なかなか古典(この作品は古典風?)は読まないので、不慣れなこともあってか時間がかかった
    2人の男性、友魚と犬王の出生から逝去までが語られ、最後まで読むと2人の友情が熱いものだったと気付かされる
    映画も観てみたい

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    2022年12月09日
  • 平家物語 犬王の巻

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     時は室町。犬王は疾り、謡い、舞う。友魚の琵琶が響く。
     父親が、芸の頂点を窮めるために魔性の者と交渉し,異形のものとして生まれた犬王。壇ノ浦から引き揚げた草薙の剣によって視力を失った友魚。二人は出会い、能楽師として、琵琶法師として、名声を得ていく。
     リズムのある短文を重ねた語り口で『腕塚』『重盛』『鯨』と、能の舞台が目に浮かんだ。
     「世に知られていないからこそ、それゆえに語ってほしいと願う者たちがもたらす真の異聞」とある。友魚の死を知る犬王、友魚の呪縛の様、そして解きあい。また、「犬王は余の偏愛する者」と足利義満に言わしめたにもかかわらず、観阿弥・世阿弥以上に歴史に名を残すことのなかった

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    2022年09月04日
  • 平家物語 犬王の巻

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    映画を観てからこちらの小説に触れたので、犬王や友魚の台詞はあの声や抑揚で聞こえるし、もちろんビジュアルは映画そのものを想像して読んでいきました。けれど、それで違和感を感じないほど、しっくり馴染めてたのしく読めました。

    それは、展開も結末もところどころ違う小説と映画だけれど、物語の根っこにある「犬王と友魚」という不運に遭いつつも前向きに生きるふたりの生き方や友情が篤く描かれている、その芯がまったく違っていなかったことが、まずひとつ大きいからだと感じました。

    そしてもう一つは、小説そのものの文体。歌をうたいあげるように、切れ味の鋭い抑揚の波に載せられるがままに、人々の運命を紡ぎあげてゆく描きか

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    2022年09月02日
  • 平家物語 犬王の巻

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    映画を観て面白かったので衝動買い。
    映画は原作であるこの本と多少プロットが異なっていたけど大まかな理解は同じで進められていた。
    映画の一瞬一瞬の速さでは理解できなかった情報を十分に補完しながら読み進められた。
    比叡座のために息子の無垢の身を売った父親と、それによって生まれた犬王と友魚の関係はどれも相補的であるように感じた。つまり、映画では後者の2人が主役として扱われているが自分の中では犬王の父親もなかなか大事な存在であるように感じた。圧倒的に悪役感はあるけど。

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    2022年07月19日
  • 平家物語 犬王の巻

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    映画を見てもっと理解を深めたいと思って読み始めた。やはり読みながら映像イメージが頭に浮かんでスルスル読めた。一方で本を先に読んでたらどうだったんだろうかとも思った。
    映画では読み解けなかった、犬王が醜態で生まれた経緯や芸を習得すると美しさを得ていく理由などがより深くわかった。また琵琶法師や能楽の流派が長い歴史の中で栄えたり廃れたりを繰り返してきたのかと思うと今の時代我々が目にしている様々な文化の評価とは何に基づくものなのかと思った。時の権力者に愛でられた物だけが残り消えてしまったものも沢山あるんだろう。

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    2022年07月04日
  • 平家物語 犬王の巻

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    映画を見てとても良かったので原作も買った。原作と映画でかなり描き方が違うことに驚いた。内容というよりかは、メイン登場人物のどの部分、どの歴史、どの思想、どの関係性をピックアップするか…の視点がかなり原作と映画で違うのだなと。
    小説は淡々と歴史が描かれているのが逆に、キャラクターの実在性をかなり強く感じた。

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    2022年06月18日
  • 平家物語 犬王の巻

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    アニメーション映画『犬王』原作
    室町時代、時の将軍は足利義満のころ。猿楽の能の頂点を求めた父の呪詛によって犠牲になり、醜く穢れた姿で生まれ落ちた犬王。
    平家と共に壇ノ浦に沈んだ草薙剣の光によって盲目となり、琵琶法師となる友魚。
    2人が「平家物語」によって固くむすばれ、解放され、縛られていく。

    リズム感を重視されているのか、出来るだけ短く区切られた文体でつづられていく物語です。
    個人的に文章だけではイメージが追いつかないところがあって、わたしは先に映画を見ていて良かったとおもいます。

    映画と原作と比較できて、演出方法に学べたのが何よりおもしろい。
    犬王と友魚の関係性が好きです。

    「さあ、お

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    2022年06月16日
  • 平家物語 犬王の巻

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    映画を観てから原作を読みました。ので、かなり原作通りに作られていたのだなと。アニメを想像しながら読めたので、もし観ない前だったらどんな風に読めたのかなと、かなり不思議な文体でした。プロットを読んでいるような。平家物語はアニメで履修していたのですが、知識の下地がないと、読んでてもハテナ❓だったかも。

    このプロットから湯浅監督が導き出した答えがアニメーションという映画になったこと、主人公のふたりのピッタリ感、奇跡的な出会いだなあと思いました。ぜひ舞台化してほしい。絶対観たい。

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    2022年06月06日
  • 平家物語

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    アニメ「平家物語」の元になったということで興味があり読んだ。
    大変な長編で圧巻だったが、読んでいくにつれ、私はここまでのものを求めていたわけではないということに気づいた。なぜなら、アニメとはだいぶ違ったからだ。アニメでは、重盛や建礼門院徳子など描かれるのは数人ながら、その代わり心情などは細かく描写されていた。一方今回読んだ「平家物語」は文字どおり平家の物語。実にさまざまな登場人物とエピソードがある。これがあの有名な「平家物語」か、という満足感はあったものの、やっぱり私はアニメの方がわかりやすくて好き。幼い我が子を亡くし自分だけ助かってしまった徳子の悲しみや、次々と入水していく様子などは、アニメ

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    2022年06月03日
  • 平家物語 犬王の巻

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    ネタバレ

    親の業によって犬王がぐちゃぐちゃで生まれてしまうのは悲しい。悲しすぎる。呪いという言葉もまた悲しくてつらい。

    でも犬王はそういった悲哀を感じさせないキャラクターで、生きる力が強くて、とても惹かれました。
    すごい魅力ある人だなあと。目に映る美醜ではない美しさ。目の見えない友魚だから、犬王のほんとうの魅力がわかったのかもしれないですね。

    映画も観ました。映画を先に観て、色々と確認したかったので原作を読みました。
    映画も本も、すごく良くて映画のパワーに圧倒されましたが、この本が無ければ存在しなかった映画なのかと思うと、それもまた友魚と犬王の関係のように感じられて胸が熱くなります。

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    2022年06月03日
  • 作家と楽しむ古典 平家物語 能・狂言 説経節 義経千本桜

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    『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』は一冊も読んでいないし読む気もないが、現代語訳をした方々が何を思ったのか、そして単純に「平家物語」と付くものは何でも摂取したいという気持ちから手に取りました。

    「平家物語」古川日出夫
    …『平家物語』のなかで人は本当によく泣きますよね。…月を見て泣きます。風が鳴ると泣きます。…現代のわれわれは近代ヨーロッパ以降に教育された泣き方しか知らないんです…現代の教育が入ってくる前の人は別の感性をもっていて、別のことで泣いていたはずなんです…(p.48)
    私は月を見て泣き、空の色が変わっていくのを見て泣く人間なので、そうか私は別の感性で生きている人間なのかと指摘された

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    2022年04月21日
  • グスコーブドリの太陽系―宮沢賢治リサイタル&リミックス―

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    めちゃ良かった……!賢治は詳しくないし、読んだことないお話もあったし、読んだはずやけどいまいち内容が思い出せないのもあったけど、読み直したくなった。なめとこ山の熊、鉄道のない「銀河  の夜」が好き。
    手持ちの『銀河鉄道の夜』(新潮文庫)を読み直して、古川版すご……!ってなったし、後半の「グスコーブドリの伝記 魔の一千枚」もめちゃくちゃ良かったなって。グスコーブドリは自分的神作品である『プラネテス』でもたくさん触れられてたから筋は何となく知ってるけど未読で、未読なりにモヤってたことが整理されてた。
    「一人の犠牲で大勢を助ける」シチュは王道ゆえに何度も何度も語られてるけど、物語とシチュとそこから導

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    2022年01月05日
  • グスコーブドリの太陽系―宮沢賢治リサイタル&リミックス―

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    『宮沢賢治へのオマージュ?作者の自伝?』

    前半は、宮沢賢治作品のスピンオフといった感じで始まる。
    徐々に、作者の東日本大震災での体験とオーバーラップしていき、哲学的な話になっていく。ん〜、ちょっと難しかった。

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    2021年11月10日
  • おおきな森

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    ネタバレ

    理解不可能だけれど、一大交響曲を左脳で聞いたという風に読み終えた。
    銀河鉄道、百年の孤独、長崎の二十六聖人、満州、東北弁
    ありとあらゆる興味深い事柄を編み込んでいって、坂口安吾も探偵家業をなしている。おおきな森に迷い込むというよりも余りの難解さに大海原にひとりぼっちでなげ出されたような気さえする。
    あの車両の中で早々に溺死したのはこの私だったのかもしれない。

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    2020年05月29日
  • おおきな森

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    僕には理解できない。だけども雰囲気は味わえたからそれでいい。あと、本棚に置いときたい。無性に。

     

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    2020年05月21日
  • 走る?

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    14人の新進気鋭の作家たちが、Number Doに寄稿した「走ること」に関する短編集。走る気になる作と、ならない作があるが、作家さんたちがランナーという訳ではないので仕方ない。でも、その著者なりの「走る」ということの考え方がなんとなくわかり面白かった。

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    2017年09月17日
  • 平家物語

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    900頁の大作をやっと読み切った。
    平家物語が源平合戦で亡くなった武将達の鎮魂の物語というのがよく分かった。
    前半で清盛の傍若無人を描き、後半で子孫達の哀れな末路を描く。因果応報である。
    この平家物語を起点とする幾多のスピンオフ作品があり、興味があり、色々と読んでみたいと思った。

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    2017年07月17日