野沢尚のレビュー一覧

  • 魔笛

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    絶品!!
    手記の独特な読みづらさがあり、とにかく読まされる。でも何故か読んでしまってページが進まない。が…面白い!
    ラストに向かう臨場感は他に無いくらい凄かった。
    正義って何を定義しているのか考える本であった。
    わたし的に「信じる者は救われる」って言葉は宗教的な観点であるっていうことが理解できた本。

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    2017年08月27日
  • 魔笛

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    再読。これがデビューして間もない作品だったなんて、すごいなあ。何で死んじゃったんだろう。いろいろ圧力がかかったのではと思えてならない。書きすぎる作家として。。。

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    2015年12月08日
  • 砦なき者

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    『大衆は退屈の中で阿片を求めているわけだから、無意識のうちに阿片に適合したような物語を作ってしまうんです。

    つまり共同幻想できない新しいもの、ショッキングなもの、感動的なものは、ことさら演出しなくても、情報の受け手が貪欲に吸収して、肥大化させていく。』

    本作も良かった。野沢さんの作品は好きだ。
    早くに自ら死を選んでしまったことが悔やまれる。

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    2015年11月08日
  • リミット

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     数頁読んで「いやな予感」がする。
     それは、怖いことが起きる的な、不安を招くような、いやな感じ。

     私は主人公が追い詰められる系の小説が苦手なんだけど、この話はすごいイヤで怖いのだけれども、それでもページをめくる手が止められないくらい先が気になるという意味で、すごいなと。

     読んでいる途中で「あれ、タイトル何でしたっけ?」となり、どきりとさせられる。いやなタイトルである(褒め言葉)。
     久しぶりに読み終えるのが惜しくなった本でした。
     面白かった! 分厚い本を読むのに抵抗がない方ならオススメ。

     面白かったので、作家さんの第1作目から追って読むか……と思って調べたら、お亡くなりになって

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    2015年08月30日
  • 破線のマリス

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    読み出しは興味を引くという部分は余りありませんでした。メディア業界というものは、こういう様子なんだということが無知な者にもわかりやすく描かれている部分が多いです。
    しかし、後半に進むにつれ、主人公と事件に関与したと思われる人物のやり取り、誰かわからない主人公に対するストーカー行為、主人公の私生活盗撮。主人公をを追い「いつも見ている」人物は…。そこには、主人公との意外な関係があることが…。後半は思わぬ展開が続き、どんな結末を迎えるのか、誰が犯人なのかを知りたくなる気持ちでいっぱいになりました。

    一方で、「働く女性」ということについて今も昔も変わらないということを実感しました。働く女性が結婚する

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    2014年09月25日
  • 破線のマリス

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    ネタバレ

    映像編集を駆使して視聴者を煽る主人公。報道番組担当なのにどうなの、その行為?結果として真実があぶり出されたとしても…

    と思っていたら案の定、社会的に“排除”されたターゲットから陰湿な復讐を受けるハメに。その描写にはじわじわとすり寄る恐ろしさがあって、なかなかにスリリング。

    仕事に没頭しすぎて離婚してしまい、かつそのような状況下でストーキングにあう主人公の瑤子に、一瞬共感しそうになりました。辛い状況に追い打ちをかけられる様子がいたたまれなく思ってしまったのであります。

    しかし、その要因を作ったのは瑤子本人であり、ストーキングしている麻生は瑤子に陥れられた被害者でもあります。かつ、昨今の傲慢

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    2014年07月20日
  • 龍時(リュウジ)03─04

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    ネタバレ

    選手の心情、ボールを扱う足の使い方、シュートシーン一つ取ってもこと細かい描写を
    細部まで研究に研究を尽くした表現は映像を見ていなくてもわかるくらいの描き方。
    筆者の熱狂的とも言えるほどのサッカーファン熱が文章からも伝わってきた。
    フィクションでありながら日本が強豪国と戦って勝って行っていく試合のエピソードの数々。
    そしてあのリュウジのラストシーン。小生はキャプテン翼の翼くんのワンシーンをすぐさま想像した。
    サッカー経験者の実体験をもとにした監修も含め、たぐい稀なる貴重なサッカー小説を
    見つけることができた感動。ありがたいです。

    03-04で続編はもうないのですが、今後の話としてはケガやリハビ

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    2014年07月13日
  • 龍時(リュウジ)03─04

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    私的サッカー小説の1番です。
    スポーツ小説の中でも1番です。
    これを超えるものはもうないと思っています。

    なのに…、もう続きが読めないなんて…。
    悲しすぎる…。

    私が初めてこの本に出会ったのは、すでに野沢尚さんが亡くなった後でした。
    読み終わって、興奮冷めやらぬまま続編を探そうとしてその事を知りました。
    その時の衝撃たるや…。

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    2014年01月27日
  • 龍時(リュウジ)01─02

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    自分のバイブルとも言える本
    自分のいる環境に満足せず、外の世界に出て行って懸命にもがきながら自分を主張する主人公龍時にいつも励まされています。
    周りの環境に合わせて生きることに疑問を感じている人には大変オススメの一冊です。

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    2013年07月31日
  • 砦なき者

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    野沢さんが死んでしまったのがわかったような気がした。
    嫌な世界を見尽くした人にしか描けない作品だと思う。

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    2013年02月14日
  • ひたひたと

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    プロットのみの『群生』。
    みんながみんなそうではないのかもしれないけれど、小説家達の頭の中は一体どうなっているんだろう。

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    2012年12月24日
  • 魔笛

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    最後がハラハラさせられる作品だった。鳴尾と真杉の関係、鳴尾と籐子の関係、鳴尾と礼子の関係が上手く描かれていた。

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    2012年12月03日
  • 龍時(リュウジ)01─02

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    実はあんまりサッカー見ないんです。
    リーガ・エスパニョーラもすぽるとで眺めているだけ。

    それでも、、、
    面白いものは面白いのです。
    著者が亡くなってしまったのが悲しい限り。


    サッカーが好きな人ならモチロン、サッカー好きじゃなくても、心が伝わってくる作品。

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    2012年10月08日
  • 龍時(リュウジ)03─04

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    傑作。
    前にも書きましたが、私はサッカーをあまり見ませんが、それでも十分。
    サッカーシーンに描かれた、監督とリュウジの気持ちが交錯し、監督の家庭が描かれる。
    そんな言葉では語りつくせない世界があります。

    今はただ、野沢氏の急逝が残念でならず、ひたすら悼むのみです。

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    2012年10月08日
  • 龍時(リュウジ)03─04

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    シリーズ3作目。

    舞台はアテネ五輪。
    スペインリーグでの活躍が認められたリュウジが五輪で躍動する。

    相変わらず細部まで綿密に表現され、想像力を駆り立てられるライバル達との試合。
    実在する日本代表選手達との違和感のない融合・会話。
    五輪出場国が決まる前に描いたにも関わらず腑に落ちる展開。

    これらはもちろん面白いが、
    この作品の主たるテーマは監督論。

    「不安定な心を安定に導く、便利な処方箋」である「組織」と、
    その「組織」を壊す「個人」を活かす勇気を持つ事の必要性。

    この2要素のバランスの取り方は難しく、
    ケースバイケースでもあるため、答えはない。
    しかし、答えはなくとも、どちらも残しつ

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    2012年09月25日
  • 龍時(リュウジ)02─03

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    シリーズ2作目。

    スペインリーグ2シーズン目に突入した17歳のリュウジ。

    1作目ラストからの、この2作目冒頭。
    いきなり鳥肌もの。

    1作目ラストでは「結果」「試合後」を出さず、
    2作目の冒頭でその2つを物語っていく。

    それも、語り口の基本となっている主人公・リュウジ目線ではなく、
    あえて実在するスポーツ新聞やサッカー雑誌から伝聞調で。

    このシリーズの、伝え方が、物語方が、本当に好き。

    内容も相変わらず1つ1つの表現にリアルな想像が膨らませられ、
    まるでそこにいるかのようなこの上ない臨場感があって、のめり込む。

    名門・ベティスに移籍し、ホアキン・デニウソン・アスンソン・・・スタープ

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    2012年09月19日
  • 龍時(リュウジ)01─02

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    リスペクトする好きな人からのオススメ。
    最高のサッカー小説。

    文字だけでここまでリアルにサッカーを描ける事にガタつく。

    戦術の描写、繊細な技術の描写、実在する選手の特徴を如実に表す描写、全てに鳥肌が立つ。

    当然、感情的な部分の描写も巧く、家族・恋人・チームメイト・監督・・・関わる全ての人々との間で生まれる会話や抱く感情の表現にも心震える。

    無名の中学・高校からスペインへと単身乗り込む主人公・リュウジには常に感情移入ができる。

    これら描写力だけではなく、過去と現在の場面の替え方もイイ。
    基本的にはリュウジ目線での語り表現だが、手紙・記事での伝達表現が加わってくるあたりもイイ。

    リュウ

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    2012年09月10日
  • 龍時(リュウジ)02─03

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    野沢尚さんがサッカーを題材にして作品を描かれたことにまず驚き、そのクオリティの高さにさらに驚いた。

    日本サッカーにおけるドリブラーの立場、考え方は充分に納得が出来る上、試合の描写も素晴らしい。

    特に面白かったのがベティスでの戦いを描いた作品で、とにかく未完になったことだけが残念で仕方ない。

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    2012年07月01日
  • 龍時(リュウジ)03─04

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    とにかく読んでいて思ったのは、野沢尚は、彼なりの愛国心を溢れんばかりに持っていたということだ。
    日本人の良さと悪さをサッカーの中に表現している。

    『組織とは不安定な心を安定に導く、便利な処方箋』
    『どうしようもなく集団意識を持ってしまう日本人は、「自由」に憧れはするが「自由」を謳歌することができず、結局、慎重なプレーしかできなくなる。』

    サッカー選手だけの話ではないと思う。日本人という民族全体に当て嵌まるんじゃないかな。

    解放宣言が出て奴隷達が「何をしたらいいかわからない。奴隷でいさせてくれ」と泣いたという話を思い出した。
    孤独に慣れない者にとって、自由の刑とは恐ろしいものだ。


    オー

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    2012年05月08日
  • 龍時(リュウジ)01─02

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    一人の日本人高校生が、リーガ・エスパニョーラのユースチームへスカウトされた。
    日本の主流サッカースタイルでは、自分に居場所はないと感じていたリュウジは単身、スペインへのサッカー留学を決心する。

    「サッカーをしていない自分が考えられないから、あと20年くらいしか生きていられそうにない」
    と言い切り、わずかばかりのサッカーという“人生”を輝かせるために、自分自身の孤独と懸命に戦うリュウジの物語。part1。


    好みは人それぞれだから賛否は分かれて当然ですが、私はこの人の書く文章、好き。

    スピード感があって、一歩先を読みたい、次の一文を読みたいという気持ちにさせられる。
    美文は短文とはよく言っ

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    2012年05月11日