野沢尚のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
野沢尚は 読みやすく 映像が浮かびやすい
文章を書く 作者だった。
ただ この魔笛は ちょっと 違った。
なぜ 照屋礼子の 手記で 書かれなくてはいけないのか。
そのことで 鳴尾と 藤子のことが 浮き彫りになるからだろうか。
照屋礼子の視点から見ると やはり全貌が見えないね。
オウム真理教という事実の中に
様々な素材があって、創作意欲を
湧き立てることになるのだろう。
自分の救済をはかろうとして
無差別殺人に 発展するのか?
ということだろう。
照屋礼子は、公安の捜査員だった。
坂上輪水が創設した新興宗教に、潜入した。
それが、無差別殺人の渋谷爆発犯となる。
なぜ、そうなったのか?
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Posted by ブクログ
前半と後半で大きく物語は変わりますが、後半は何となく現実味に欠ける部分が目に付きました。そんな簡単に八尋が人気を得てキャスターにまでなれるものか、どうやって数多くの信奉者達を操れるというのか…。このあたりは少し納得しにくかったです。
しかりながら破線のマリスと連続するテーマである「報道の2つのF」についてを描かれる様はその内容とあいまってリアルな危機感を煽ります。実際、恐ろしくもありました。
報道が、テレビが育てたモンスターとの対決となるクライマックスでは何が起こるか分からない緊張感もあって読み応え抜群でした。八尋が模倣犯に出てくるスマイルと少しかぶるようなイメージでもありますね。
この作 -
Posted by ブクログ
有働公子は、目立たない存在だった。
作文能力があり、それが、
彼女の職務をスキルアップしていった。
連続誘拐事件 その背景は、
「臓器売買、人身売買」の犯罪が隠されていた。
タイを舞台にした「臓器移植」と売春
誘拐保険 そして、そこからお金を引き出すが、・・
有働公子は、母親であるということだけで、
必死に自分の息子の誘拐を助けに行こうとする。
人間の中にある「暗闇」は、さまざまな動機を作り出す。
篤志、泉水、そして、智永 元教師。
人間の枠を超えて、「凶悪」になっていく。
何故にそのような凶暴になるのか?なれるのか?
獣性なのか、それとも人間の本質なのか?
人間の生き方について、提起 -
Posted by ブクログ
1973にうまれる。
12歳で、成長が止まる。
1985年から物語がはじまる。
潤、厚介そして小春
4人を中心として物語が進む
1985(12歳);1992(19歳);1999(26歳);
2005(32歳);2010(37歳)
潤はアメリカの大学に行き、そして、銀行のトレーダーとなる。
厚介は、自衛隊に入りそして、特殊工作をうけ、北朝鮮にはいる。
片足が吹っ飛んで、帰ってくる。
小春は、伝説的な存在となり、妻子ある男と結婚するが
結果別れてしまう。
なぜ、成長がとまってしまったのか
「遺伝子操作」
母親探しをする。
新左翼、「日本赤軍」、イスラム原理教・・・ -
Posted by ブクログ
十二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのは―急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生』のプロット200枚も収録!野沢ミステリーが目指した高みが迫る。(「BOOK」データベースより)
内容は2本の連作の短編と、長編のプロット。短編もさすがだが、着手寸前だったという長編のプロットがすごい。プロットというよりはもう小説だった。完成作を読みたかったとひたすらに思わせる出来。本編とは関係無いが、最後の北方先生の弔辞が何回読んでも泣いてしまう。