野沢尚のレビュー一覧

  • 深紅

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    第22回吉川英治文学新人賞  江戸川乱歩賞の「破線のマリス」は面白かった。この「深紅」は衝撃的な出だしで事件の残虐性が際立った作品だ。目次は第一章から第五章まである。

    第一章
    事件が起きたとき修学旅行で信州の高原にいた小学校六年生の秋葉奏子(かなこ)の話。

    旧友たちとふざけながら寝る用意をしていた時、緊張した気配で担任が部屋に入ってきて、すぐ自宅に帰れと言った。よくない予感がしたが、付き添われて高速道路を使って帰ってきた。行き先が監察医務院だと言う。不安は的中して、霊安室で両親と二人の弟に対面した。頭があるところがへこみ白布の上からでもいびつな形をしていた。家族思いで仕事も順調に成長し、新

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    2026年02月13日
  • 深紅

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    尻すぼみ感は否めなかったが、前半の描写は凄まじく、これまで読んだ本のなかでもトップレベルに情景が浮かんだ。第二章は引き込まれた。

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    2025年11月28日
  • 深紅

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    ネタバレ

    特段ページ数が多いわけでも固い言い回しをしてるわけでもないがどこか重厚な印象を読後に感じる作品だった。
    カコがミホに対して自らが被害者の生き残りであることを言わなかったことはモヤモヤして、スッキリしないけれども、もし言ってしまっていたらこの一冊としての魅力は変わってしまうんだろうなと感じた。

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    2025年10月07日
  • 龍時(リュウジ)01─02

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    今なら若いうちから海外にというのは聞かない話ではない。けれど今から20年前に同じことをと考えると先を走っていた作品だと思う。
    主人公の思いがよく伝わってくる作品。スペイン人になろうとした主人公にぺぺの言った一言がズシンときた。国を失うということは、魂を失うということだ。様々なことが目の前に立ちはだかるが前を向き、誰も知らない土地で懸命に戦う姿がカッコいい。

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    2025年08月27日
  • ひたひたと

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    筆者・野沢尚先生の急逝によりふたりめの告白までで未完となってしまった本作。
    残りふたりの告白も読みたかったし、畠山がどう関わるのかも見届けたかった。

    後半は「群生」というプロットが納められていましたがもうこの物語が本当にすばらしかった。
    構想の段階であるのにすでに完成されていてこんなにも心に刺さる作品、完成作で読むことができないのが本当に残念でなりません。

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    2025年05月12日
  • 深紅

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    ネタバレ

    ずっと気になっていたので読んでみた。
    なんだか凄い作品に出会えました。
    那須高原修学旅行の夜、6年生の少女の奏子は、「家族が事故にあい病院に運ばれた」とだけ、言われ、急遽4時間かけてタクシーで東京へ戻ります。
    その道中での担任のぎこちない態度から、家族はすでにこの世を去っていて、その原因が交通事故ではないことを奏子は感じとります。
    監察医務院という場所で叔母に迎えられ、慰安室で目にした家族は皆亡くなっていて、白い布をよけて顔を見ることすら許されませんでした。
    父の不義理が理由で恨みを買い、奏子だけがいない夜に、一家惨殺事件が起きてしまったのです。
    奏子にはその後、家族が殺された日に東京に帰るま

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    2025年05月06日
  • 深紅

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    ネタバレ

    第1章と第2章の細かな描写に目を背けたくなったけど、とても惹き込まれた。第3章どんな展開になるかと思ったが、第4章からはやめて、会わないで、という気持ちが強くなった。最後までカコは騙し通した(素性を明かさなかった)けど、新幹線のホームのときにはミホは気づいていたんじゃないかなぁ。別れの予感含め。

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    2024年12月12日
  • 破線のマリス

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    ネタバレ

    読中は熱くなりっぱなしでした。

    なぜなら本書のテーマが自分の人生最大の関心事の1つだったから。

    タイトルのマリスとは報道に関わる記者や編集者の悪意を意味している。

    主人公の遠藤瑤子はテレビ局の編集者として映像を自分の主観に沿うように編集して刺激的な映像を作り出す。


    小説にテーマを伴った小説があると思ってますが本書はそれです。

    さらにいえばその中でも特にメッセージ性が強い部類だと思う。

    なぜなら本書は読後感を大きく左右するラストにおいてまでも猛烈に主張しているから。

    私は読後にメッセージごと顔面に張り手を受けたような印象を抱いたほど(まぁテーマが関心事ゆえってことが多分にあるかと

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    2024年09月29日
  • 呼人

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    ー 「おれたちが作りあげた物語だ。こういうふうに夏休みが終わってほしいって考えた物語なんだ。物語には感動的な結末もあるけど、さっぱり盛りあがらないまま終わる出来の悪い結末もあるだろ。でも、どんな物語にも終わりはある。終わって、幕が下りて 、あたりが明るくなって、映画館を出て、ぼくらは家に帰るんだ」 ー

    1973年に生まれて、1985年に成長が止まり永遠に12歳のまま生きることになった少年の物語。

    日本航空123便墜落事故の飛行機に乗る予定だったが、乗り遅れた設定となっており、その後も彼とその友人たちは時代の波に呑まれながら生きてゆく。

    呼人は肉体的には12歳のままで、友人たちは当然歳を取

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    2024年07月05日
  • リミット

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    真面目で地味な婦人警官だと思った公子が、どんどん逞しくなっていく様がとてもカッコいい!
    息子の健気さにぐっときた。
    我が家も一人息子なので余計に感情移入

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    2022年09月23日
  • ひたひたと

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    未完の作品とはいえ面白かった。本当に完成が読みたい作品ばかり。素晴らしいものになるんだろうなぁと思いながら読む。

    『群生』も、収録できるくらいに完成されているので、読物として十分面白い。もっと肉付けした物語が読みたい。惜しいことである。

    死体の視点から物語を描く…なんてなんか素敵。自分の死んだ後を想像してみる。
    『人の世の不思議
    生きる者と死ぬ者を分けるものは何なのだろう。殺人の罪とは何だろう。』

    『生きることは死ぬことだ。そして死ぬことは、人々の心の中で生き続けると言うことだ。』という北方謙三の弔辞も心にひびいた。

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    2022年05月31日
  • 魔笛

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    脚本家なだけあって描写が映画かドラマを見ているようでした。
    面白い。
    照屋礼子が鳴尾良輔を選んでおいて、最終的に自らの手で終わらせたことに脚本家としての嘆きを垣間見た気がした。

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    2021年03月14日
  • 魔笛

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    ネタバレ

    10ページをすぎたところで爆弾テロのシーン。
    それから10ページにわたって、ここの死の様子を延々と読む羽目になり、これはつらいと思ったのだが。
    案に相違して、読む手が止まらなかった。

    信徒を使って爆弾テロを行った新興宗教。
    死刑を言い渡された教祖と、逮捕された幹部信者の他に、報道されてはいないが潜伏を続ける信者がいる。
    照屋礼子、彼女は公安のスパイだった。

    公安のスパイではあるが、潜伏するためには信者に成りすまさなければならない。
    一番つらい修行を積極的に受けることで、彼女は教団の疑いをはらしたものの、徐々に彼女の中で二つの顔が均衡を崩し始める。
    いや、過剰に均衡を取りはじめるといった方が

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    2020年11月05日
  • リミット

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    最近、野沢尚さんの本を3冊読みました。「リミット」「深紅」「魔笛」。いずれも再読ですが、初読と変わらぬ感動・興奮が。「リミット」(1998.6刊行、2001.6文庫、全514頁)、一番インパクトがありました。①幼児を誘拐し解体して臓器を売り、あるいは性愛者の玩具として金に換える悪党たち。澤松智永、塩屋篤史、日色泉水ら。②息子貴之7歳を誘拐され、現金引き渡し役になった母親であり婦人警官の有働公子 ③犯人側から、警察からも追われ孤立無援の公子 ④犯人、公子、警察の3つ巴の戦いに果てに。

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    2020年04月05日
  • 呼人

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    12歳で成長が止まった男の子「呼人」は、何のために生まれて来たのだろうと思っている。 周りは彼を置いて年を重ねて行くだろう。

    MITで薬学研究をしていた日本人が 遺伝子操作で密かに作り出した成長を止める薬を、試験的に、たまたま出合った妊婦に注射をした。
    女はテロの首謀者として世界を転々としていた。生まれた「呼人」を妹に預けてまた世界に出て行った。
    今の母は育ての母だと知っても、彼は12歳まで普通に成長し、友達と山に基地を作って遊んでいた。
    この話はまるで「スタンド・バイ・ミー」のように始まるが、12年後呼人の成長が止まった。外見は子供のまま育たない呼人は、友達と進路がわかれた。

    14年後、

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    2020年01月13日
  • 龍時(リュウジ)02─03

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    ・買った経緯
    友人が泊まりに来てて勧められて
    ・買った理由
    友人とサッカーの話で盛り上がりたかったから
    ・のこってる感想
    ぺぺのお店みたいな人生歩むぞ!!

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    2019年07月04日
  • 破線のマリス

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    今と違ってまだテレビが強い影響力を持っていた時代の話というと言い過ぎだけどSNSによる個人の発信がなかったとき、編集されていることに気づかずに情報操作に操られる危険性を書いたミステリー。おもしろかった。

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    2019年04月20日
  • リミット

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    人が見たくないけど実際にある社会の闇にメスを入れた本。読むのはたしかに辛いとこもあるけど、小説としてもおもしろかった。

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    2019年04月20日
  • 砦なき者

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    報道番組の続き?と思ったらやはり主人公が替わってましたね。破線のマリスを読んでからこちらの本を読むことを是非ともお勧めしたい。それにしても野沢さんがこの本を書いたのはいつなんだろう。現在のSNSの使い方が絶妙に描かれていてびっくりする。インフルエンサーが持つ力、そして崇拝し実行してしまう影響された人々。本当に今でも起こりうりそうな事で、背筋に冷たいものが走った。長坂さんがあっけなく命を奪われたのがとても悔しい。そして火種が十分残った終わり方、今後の暗示なのかと疑ってしまいそうになる。

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    2018年11月26日
  • リミット

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    最初の方でなんとなく話が読め、あまり期待していない後半の展開に完全に引き込まれた。他の小説で女性警官というと、強く、勘で事件の解決へと導くことが多いけど、それとは違う、どこにでもいる女性警官で、事務仕事に長けていているが弱く、勘というより、長年の経験と知識からの読みで事件の糸口を見るけるようなキャラに親しみが持てた。最後にわかった主犯格には本当に驚かさせれた。公子はもとより、貴之とあゆみの今後、二人の関係性、古賀の行く先、それぞれが希望ある未来であってほしい、と切に思った。

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    2018年11月10日