野沢尚のレビュー一覧
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連続幼児誘拐事件を担当する主人公の捜査一課の有働公子は、誘拐された少女の母親役を演じ、犯人と電話で交渉をしていた。しかし母親でないことがばれ、犯人に身代金の運び役を命じられた。そして驚愕の事実を知らされた。
「お前の息子を誘拐した。殺されたくなかったら捜査陣を撒いて一人で来い」
どうして息子がいることを犯人が知っているのか。考えられる可能性はひとつ。警察内部に犯人と通じる裏切り者がいる。
公子はひとりで犯人を追いつめることを決意した。
有名な脚本家の小説だけあって、映像化されたらさぞかし面白くなりそうな(もうされてるのかもしれません)作品です。飽きることないストーリー展開です。15年く -
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マスコミの暗部。マスコミの特性を利用したモンスター。
P185 マスコミとは本来、何らかの事件を伝達するものだと考えられているがマスメディアの発達によって、伝達するための内容をメディア自体が創りだすようになった。「擬似イベント」イベントがあるからではなく、報道するためにイベントが作られる。現代ではこうした逆転現象が政治、経済など様々な領域で見られる。メディアの中では人は英雄的な好意によって有名になるのではなく、メディアでの露出度が高く、有名であるために崇められる。
P247 マスコミとは。風向きを読んで、退路と進路を選ぶ、狡猾で保身本能しかない森の生き物だ。
P276 テレビは定期的に大衆の中 -
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1作目からずーっと読んでいくと、
様々な面でパワーアップしたリュウジを見ることができる作品。
もはや、1人の人間として彼がカッコいい、とさえ思えます。
この作品では、
リュウジが日本代表としてのシーズンが描かれているのですが
1つ1つの試合の臨場感と、リュウジの心持ちにドキドキします。
「日本を捨てる」覚悟でスペインへ渡った彼にとって、
異国の地で生活し、改めて自分が日本人と感じた彼にとって、
日本代表になるということは、どういうターニングポイントだったんだろう。
思い返しただけで、何故だか感極まるものがあります。
"わが魂よ、不死を求むることなかれ。ただ可能の限界を汲み尽く -
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やっていることは全く違うけれど、
日本の外に身を置いて生活した経験がある為か、
"自分の選択は正しかったのか"
"日本へ帰る、という選択肢は逃げではないか"
…と言うスペインでのリュウジに共感するところ、ちょっとありました。
また、サッカープレーヤーとしての期間が自分自身の寿命だと言い切る彼。
カッコいいな~と思える反面、
サッカーに対するストイックさがちょっと羨ましいとさえ思える。
例え、自分の思い通りに行かなくても、素直になれなくても、
正面から壁に向かっていかなければ前には進めない、
という事を改めて思わされます。
理屈では分かっていても、言 -
Posted by ブクログ
正直なところ、
ここまでのスポ根な小説を読んだのは初めてだったので
色々な意味で衝撃でした。
話が進むにつれ、どんどん世界に入り込んでいく感覚が分かる。
心境描写が巧みだからか、
"自分自身がサッカーをしている"とまではいかないけれども
個々の心境と、プレー面の繋がりが分かって、ゲームの展開にどきどきする。
手に汗握る、とはこんな感覚なんだろうな。
実際のプレーヤーを見たことがなくても理解できるほど、
特徴がよく表現されているんだと思います。
古本屋から入手したため、
3部作の2作目から読み始めましたが、十分楽しめました。
スペインにとっての「サッカー」の存在の大き