野沢尚のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
青春小説という類に入るのか。
不器用だけど、まっすぐな話でした。
感情の揺れがすごくリアルすぎて。
入り込んだら抜け出せませんでした。
恋愛とか友情とか簡単なものではなくて。
人間と人間の絆が描かれていました。
別れがこんなに綺麗で残酷なものだとは。
人を切り捨てるってこういうことなのかな。
一人でいることが、
こんなに寂しくて、
こんなに恐くて、
こんなに寒いことを初めて知った。
一人になることを、
一人になってしまうことを、
自分が変わってしまうことを、
恐がらないで。
生きるっていうのは…
きっと、
今の自分を守り通すことじゃなくて、
精いっぱい生きる -
Posted by ブクログ
男子4人組のバンド プラス 女子1人が博多から飛び出して東京へ。
恋とか、友情とか、家族とか、社会とか、酸いも甘いもを経験するお話。
とってもよかった。
映画化されていることもあり、トレンディードラマテイストは濃いけれど、
ただのトレンディーではなかった。
バンドのメンバーではないけれど、リーダーと突拍子もなく恋に落ちて、
恵まれた現実をすべて捨てて一緒についていった女の子。
映像化してしまったら、あっけないただの女の子になりそうなくらい、
ほとんど描きこまれてないのに、すごく存在感があってよかった。
あ、野沢氏の思う「女」がここにも居たって思った。
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Posted by ブクログ
最後です。これが本当に最後なのよね・・・。
感無量でしたわ・・・。
5編からなる短編集の、2編で終わってしまった表題作と、
次の長編のためのプロットが掲載されております。
このプロットが、すごい。
プロットをかなり書き込む方だというのは知っていたけれど、
このプロットは、本当に、もう、作品じゃないか!というくらいの
完成度。
細かい裏づけ部分が割愛されているので、もちろん荒いんだけど
でも、多分ここにはこんなストーリーが肉付けされる予定だったん
だろうなぁ、って、十分に想像できる。
ある意味、完成された作品よりおもしろかったかもしれない。
これは、書き上げて欲し -
Posted by ブクログ
ネタバレ【江戸川乱歩賞受賞作品】。
首都テレビの報道番組『ナイン・トゥ・テン』の中で、高視聴率を保つ特集コーナー『事件検証』の映像編集を担う遠藤瑤子は、視聴者を引き込む映像を作り上げる有能な女性であると同時に、タブーすれすれの映像を平気で作るような女性。
そんな彼女に、ある日「春名」と名乗る郵政官僚から、汚職、ひいては、それに関する殺人をも示唆するような内部密告のビデオを手渡される…。
因みに、「破線」=テレビ画面を構成している525本の走査線、「マリス」=報道の送り手側の意図的な作為・悪意のこと。
麻生と瑤子の関係は、そうなるか!? と、結構、衝撃的でしたねー。
他にも、そうだったのねー、という