野沢尚のレビュー一覧
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これは、死刑囚「照屋礼子」による手記である。
警察・公安・宗教団体、三つの組織が織り成す関係。
どの人物が誰に対して、どのような精神が彼・彼女に魔笛を吹いてしまったのか。
様々な精神異常者達の持つドロドロとした心理が
面白い。
メシア神道は何かを敵にすることで存続してきた。
そのような宗教に入っている人達も、何かを敵にするように生きている。それでしか生きていけない。
そのように生きることで、奇跡が起こると信じている。しかし、人々の人生には様々な地点に奇跡は落ちている。そういった物に気づけるように生きたい。
そういった物に気づくことが出来れば…。
これは死刑囚「照屋礼子」による手記である -
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小学校の修学旅行の夜、先生に起こされて向かった監察医務院。そこには惨殺された父と母、そして幼い二人の弟の遺体があった。たった一人残された奏子は「私は生きていていいのか」と問い続けながら大学生に成長する。
奏子の父への恨みからハンマーを振るった加害者は死刑囚となるが、彼にも同じ年の娘がいることを知った奏子は正体を隠して加害者の娘・未歩に近づいていく…。
昔読んだ「破線のマリス」が面白かった記憶のある脚本家・野沢尚さんの手による小説。第22回吉川英治文学新人賞受賞作。
小学生の奏子目線の第1章、死刑囚都築則夫目線の第2章、圧倒的な緊張感にぐいぐいと引きつけられる。
被害者家族も加害者家族も形は -
Posted by ブクログ
急逝の為、未完となった短編集のうち2作と“群生”という小説のプロットが収められた一冊。
短編の2作は性的犯罪が絡んでいるので眉間に皺を寄せながら何とか読み進めた、といったところ。
それでも、野沢氏がそういった犯罪をとても重く受け止めていることが感じられました。
群生はプロットとは思えない完成度。
罪を償うとは?という明確な定義が困難なテーマに迫っています。
罪を償う、とりわけ人を殺めた罪を償うこととは?
深く考えさせられる作品。
これまで破線のマリス、真紅、砦なき者など野沢氏のミステリーはほとんど読みましたが読んでいる間は本当に心が暗くなります。
どんよりしていくのを実感します。
が、