野沢尚のレビュー一覧

  • 破線のマリス

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    テレビ界に身を置き脚本家である著者が、テレビの報道番組の内幕を描いた、第43回江戸川乱歩賞受賞作。
    何かの番組で彼の名前を見て、24年ぶりに再読。
    主人公は、ニュース番組の映像編集を担当する遠藤瑶子。
    彼女は、報道の理想を掲げるわけではなく、刺激的な画面を創り、視聴率を稼ぎ出す。しかし、何者かの黒い網に絡め取られ、次第に追い詰められてゆく。
    執拗に追い回す者の正体が明らかになったとき、彼女とともに、読者も慄然とするのではないか。
    題名の「破線」は、テレビ画面を構成している走査線で、「マリス」とは、報道の送り手側の意図的な作為または悪意のことだそうだ。

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    2024年11月15日
  • 深紅

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    実際に起きた事件に興味があり、いろいろ調べていたら「練馬一家殺人事件」を基にしているというこの本を知ったので、読んでみた。

    父親が恨みを買い、自分以外の家族が殺され、1人生き残った当時小学生だった女子大生が主人公。加害者にも自分と同じ年の子供がいたことを知り、素性を隠して近づいて仲良くなっていく、という話。

    家族が殺された、ということも耐え難いが、修学旅行に行っていなければ自分も殺された、という事実の方が恐怖な気がする。父親が加害者にどんなひどいことをしたとしても、それは法廷で争うべきで、殺されて当然ということはない。
    その後引き取られた親戚宅で普通に成長できて、もう事件のことは考えたくな

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    2024年02月23日
  • 魔笛

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    序盤のページは、会話文が少ないせいか、ほぼ文字で埋め尽くされていて、読むのに時間がかかった。爆弾の中身の説明や宗教の説明など難しいところはほぼ斜め読み(^^;
    半分くらい読んでからはスピードアップ!
    決戦の日に入ってからは面白かったけど、手記により結末が分かるのでハラハラ感はなかったかな…
    全体的に難しかった。なぜ鳴尾刑事はあの情報だけで目的地が分かったのか?難しすぎるよ。

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    2023年11月23日
  • リミット

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    ネタバレ

    ヒール側の描写が深く、クライムサスペンスが好きな人にオススメできる作品。主人公である母親は母は強しとしか言い様のなく。一見めでたしめでたしに見えて救い様のないストーリー。

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    2023年08月17日
  • 魔笛

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    新興宗教の教祖に死刑判決が下された瞬間、白昼の渋谷は無差別爆弾テロに襲われた。
    その犯人は公安が教団に送り込んでいた女潜入捜査官照屋礼子だった。
    刑事の鳴尾が実行犯の照屋礼子を追い、礼子を送り込んだ公安は面子を保つために躍起となる。

    前半はかなり読みづらかったが、後半は何とかスピードアップで読み終えました。
    及第点。

    公安が送り込んだ潜入捜査官照屋礼子の冷静さと追う刑事の鳴尾の泥臭さは結構魅力的だが
    ストーリーとしてはイマイチ繋がらない部分が多数あるのが残念。

    第一に話は照屋礼子の刑務所収監後に書き記した文章で進むが、その設定にこだわる理由が不明だ。
    収監後の面会等でヒアリングをしたと書

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    2023年02月18日
  • 深紅

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    修学旅行中に、家族全員を惨殺され、ひとり残された少女奏子。加害者の娘で、同じ年の未歩と会い、ある事件に加担していく。頭では理解していても、心の底から燻る思いに駆り立てられ、ブレーキをかける事なんて出来ない奏子の心情が、とても伝わってきた。これから先は、拓巳に心の黒い芯を溶かしてもらい、幸せになってもらいたい。

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    2023年02月12日
  • ひたひたと

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    後味が悪くて
    気持ちよくないんだけど、
    ページをめくるのが止められない
    そんな作品だった。

    最後のページを読むまで
    楽しませてくれるけど、
    結局好きかどうかっていわれたら、
    やっぱり好きではない。
    でも、嫌いでもないんだけど。

    群青では、人間は
    みんな都合のよいように解釈する
    て、突き付けられた気がする。

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    2023年02月01日
  • 深紅

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    前半はすごくヘビー。
    修学旅行から急遽タクシーで地元に戻り、これから向かい来る困難に備えようと心の準備をするシーンなんか、心の動きが手に取るように分かって素晴らしい描写と思う。

    被害者遺族と加害者遺族、実際に会ったらどういう感情になるんでしょうね。

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    2023年02月11日
  • 砦なき者

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    ネタバレ

    短編のあとに中編のある、テレビ関係者たちの作品。展開は面白いものの、テレビ関係者に接触し、殺人事件の情報を流したり、警察の許可なく勝手にロケを敢行するなど、ちょっと大丈夫かな?という展開が多い。ラストの祭り上げられた巨悪も、そこまで民衆を扇動できるのだろうかと疑問に思った。

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    2022年09月06日
  • 破線のマリス

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    ネタバレ

    テレビ業界ミステリー?
    主人公の女性の転落というか、狂っていく感じは読んでていたたまれなかった。
    人の思惑でテレビでもなんでも見え方は変えられてしまうんだなってことですかね。

    最後の撮影者のオチは、登場人物の残りから消去法で読めたけど、悲しいオチでした(O.o)

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    2022年06月19日
  • ラストソング

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    一日で読んでしまった。映像作品のノベライズなのでかなり読みやすく、読む手が止まらない。切ない終わり方だったけれど、登場人物のキャラクター像が野沢尚さんらしく、他作品同様好きだと思った。

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    2022年06月13日
  • 破線のマリス

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    昔よりもメディアが多様化しているからこそ、目の前に出された情報を鵜呑みにせず、一度疑ってみる目を持つことも重要だと思った。
    実際は違うのに、編集者の意図してる事を真実だとして無意識に刷り込まれてしまっているかもしれない。
    この本を読んでそんな事を感じた。

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    2022年05月17日
  • 砦なき者

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    ネタバレ

    テレビ局を巡る短編連続作品。後に若者のカリスマとなる青年が徐々に物語の中枢へ絡んでくる。このストーリーの進み方が、どんな人でも八尋になり得そうな感触があって不気味。所々、脳○ネウロ(こちらの方が出版はだいぶ後なので、この表現はNG)かよ的な演出はあったものの、意外にもテレビ局にまともな人物が多くて(意外にもという発想が八尋信者予備軍?)、安心して読めた作品。第一話の録音を繋ぎ合わせて編集する技法、メディアでも日常生活でも、故意でも他意でも使い用によっちゃ非常に恐ろしい。。

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    2022年01月17日
  • 龍時(リュウジ)01─02

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    野沢尚の描くサッカー小説。

    リュウジという、素晴らしいサッカーの才能に恵まれた17歳の少年が
    日本からスペインに渡ってプロデビューを目指すというストーリー。
    漫画やゲームのような内容だが、そこは野沢尚の書く小説という事で
    リュウジのひねくれ、父親の存在、母親の想い、妹の健気さ、
    海外生活の理想と現実などが上手くミックスさせてある。

    抜群の才能を持つリュウジだが、最初のうちは周囲と合わない。(いや、合わせてないのか)
    知り合いもおらず、徐々にチームメイトから浮いてしまう。
    上を目指す為に日本を捨てたはずが、スペインの片田舎のユースチームで燻っている自分。
    監督からも信頼されず、サブ扱い。

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    2021年03月14日
  • 砦なき者

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    ネタバレ

    どちらかと言うと一作目の破線のマリスの方が好きだったかな。女性の主人公の方が感情移入しやすいという点で。
    それと、最後あと一歩のところで作戦が成功しなかったのが悔しい。やっぱり故人は悪く言えないし。
    でも各章の最後に謎の青年のシーンが入る、という本作の構成は好き。

    メディアそのものや1人のカリスマ以上に、視聴者の恐ろしさがよく描かれている。
    作中では『カリスマによっていびつな形にされた「大衆の総意」』と表現されている。
    テレビから媒体は変わっても、現代にも共通して言えることだよなぁ。

    若者をこれだけの暴力に走らせる程のカリスマとか団結感って想像できないなと思ったけど、たとえば同時代のドラマ

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    2021年03月01日
  • 破線のマリス

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    ネタバレ

    冒頭から中盤まではわくわくするような展開で期待が高まったが、
    主人公が暴走を始めた辺りからどんどん冷めてしまった。

    ミステリーよりもメッセージを優先した結果かと。
    面白かったけどちょっと残念。

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    2020年10月20日
  • 砦なき者

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    大好きな『破線のマリス』の続編。

    作者が訴えたかったテーマは、よく伝わってくるものの・・・再読したこのタイミングとしては、もはやTVにそこまでの影響力はなく、ネットとの競争にどう生き残っていくのかーにスイッチしている状況なので、残念ながら題材そのものが古く感じられてしまいました。

    ただ、『破線のマリス』から脈々と受け継がれている「悪意のある切り取り」については、より深刻になってきているのではないでしょうか。

    テレビは 草創期から60年以上の年月をかけて、人権への配慮や誤報を出さないためのルールづくりなど、様々な指針を、少しずつ積み上げてきました。もちろん、そのこと自体が「テレビを面白くな

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    2020年09月21日
  • リミット

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    前回読んだ同じ作者の『破線のマリス』がイマイチだったので、またラストでモヤモヤ終わるのかな、と思っていたら、良い意味で裏切られた。しかし、また一人息子がいる女主人公の暴走と、ラストでの主犯格による人々への”語り”、これは同じ。ここでまた冷めてしまった。こんなこと、あんな場面で言う?しかもあなたが?という感じでした。

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    2022年03月13日
  • 魔笛

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    読み応えのある一冊。
    前半は某宗教団体の事件を思い出してしまうところもありましたが、後半は緊迫感が伝わってきてハラハラする場面もあり、映画を見ているかのような描写や展開が面白くて引き込まれました。

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    2020年06月30日
  • 呼人

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    愛や思想が絡み合った内容・・・
    想像してたのと
    全く違ってましたが
    どーなっていくのか
    気になる作品でした。

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    2020年01月29日