野沢尚のレビュー一覧
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八尋はたびたび「テレビがつくった化け物」という言い方をされる。
なぜ彼が化け者なのか。
彼の怖いところは二つある。一つは、彼が自分の成り上がりのためには手段を選ばないこと。これには、彼が力を持っていないこと、力に対する強烈なこだわりが影響している。二つは、大衆をいとも簡単に動かせること。
この二つの怖さを持った、ただの元大学生が「化け物」になってしまうのは、私利私欲のために大衆をいとも簡単に動かすことだってできるかもしれない、それだけの影響力を持つテレビの怖さゆえである。
八尋が、ネットでカリスマ性を発揮するのよりも、活躍の場をテレビに選んだことが怖いのだ。私たちは今テレビで垂れ流されてい -
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『破線のマリス』に続いて再読。
“報道番組『ナイン・トゥ・テン』に売春の元締めとして登場した女子高生が全裸で首を吊った。恋人を番組に殺されたと訴える青年八尋樹一郎の姿は、ライバル局の視聴率を跳ね上げた。メディアが生んだ一人のカリスマ。その邪悪な正体に気づいたのは、砦を追われたテレビマン達だった。『破線のマリス』を超える衝撃!”―裏表紙より。
第一章 1997 殺されたい女
第二章 1998 独占インタビュー
第三章 1999 降臨
第四章 2001 Fの戒律
前作に続いて、メディア・マスコミの影響力とその恐ろしさについて考えさせられます。
読み始めは、各章が独立したストーリー -
Posted by ブクログ
ネタバレスペインでのプロ生活にも慣れたリュウジはアテネ五輪代表に招集される。彼を選んだ監督の意図は何か?谷間の世代と言われながらも予選を突破したリュウジたちは、世界各国の代表らと熱き闘いを繰り広げていく―。大好きなサッカーをテーマに著者が魂をこめて書き続けたシリーズ、遺作とも言うべき最終巻
「龍時」シリーズの最終巻となってしまった巻です。読むごとに面白くなっていったから、完結しないままなのが残念です・・・1巻完結型だから十分読めるんですけど、龍時の成長をもっと見たかったです。ついに龍時が日本代表に!私でも知っているサッカー選手の名前がたくさん出てきました。舞台がオリンピックなので、スペインのことは