村井理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
プロローグ 古ぼけたアパートで始まる
「川沿いの砂砂利を少しだけ港に向かって歩いた場所に、さくら荘はあった。」
まるで自分の目の前で
起きているかのように
「家族」が壊れていく。
胸が締めつけられて辛い、
しかしズーンとした重たさはなく
読み続けられてしまう。
著者はこの本を書くことで
「家族」を心の中に
取り戻せたのかもしれないと
エピローグを読んで思った。
「琵琶湖のそばの田舎町に
私は二人の息子と夫、
そして愛犬とともに暮らしている。
(中略)
育った家とは
正反対の穏やかな空気に
満ちたこの家で、常に心の片隅に
両親と兄の存在を感じながら、
私は暮らしている」 -
Posted by ブクログ
「私が一番大事にし、ケアしなければならないのは自分自身だったというのに、それを怠っていたのだ」
「心臓手術を経験してからの私は、何に関しても、まずは自分のことを優先させる練習を重ねた」
「自分を優先させて、体を休めることは悪いことではない。その点を自分自身に叩き込むのには、しばらく時間がかかった」
女性は他者優先、家族優先になり自分を大事にすることは後回しになるからなぁと首がもげるほど頷く。
筆者にすっかりハマり、4作目。
ハードな入院生活なのに客観的な描写で読みやすく、
今回もすらすらと読み終わった。
村井理子氏の本、次は何を読もうかな。
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Posted by ブクログ
これら、自分の周りの大切な世界を、自分や家族のために住みやすくしていく、愛の話である。
好き!!
川添むつみさんのイラストもどタイプ!
村井さんの本、追い続けます。
年上のワーキングマザーさんで、息子さんたちが高校生。英語を使う仕事をされている。
学ぶことしかないです。
道を譲ることでできた時間で、その人を観察する。
その人もちょっとラッキーを感じてくれる。
村井さんが執筆に生かすなら、私は英語に生かそう。
仕事もある程度しながら、家事や他の家族の支度もしなくてはならない。
その中で苦手で好きじゃない家事はある。人間だもの。
その苦手を少しでも“楽しく”するように、作業の前倒しのために、自分と家族のために、便利なシステムを利用していいんだよと背中を押された!はぁ、気が楽。
そして、ついでのひと手間にとてつもない快感を得る点に激しく同感。冷蔵庫に重曹スプレー、夕飯の具材を一部取り出し冷蔵。_φ(・_・メモメモ。
ダイニングとリビングのテーブルをクリアにする、これを目下の目標としよう。決めた。 -
Posted by ブクログ
書かれているのは、母なら、娘なら、嫁ならば、
いつかどこかで感じた出来事、のような気がする。
モヤモヤしたり、元気になったり、
自分を立て直したり、と、確かにあったこと。
しかし、それぞれのシーンの中で
感じたことも言葉にできず、うやむやに忘れ去っていたことを
しっかりと的確に書かれていて、
そして、それは大切なことだったのだ、と
気づかせてくれることが多かった。
何度も心が震えた。
著者の作品をもこれからもっともっと読みたいと思った。
>>備忘録として
P124
指の間からこぼれ落ちそうになったいたものを、なんとか失わずに済んだ。
また落とすのではないか、またすり抜けていくのではないかという不安がないわけではない。
でも、その時は、その時だ。再び、進むべき道を考えればいい。
P145
学ばない私は、すぐに感情的になり、子どもに怒りをぶつけ、そして罪悪感に苦しむ日々を繰り返している。どうすればいい親になれるのか、皆目見当がつかない。でも私の心のなかにひとつだけ、何があろうと気持ちを立て直すための、決して消えることのない情景が生まれたような気がする。
バックミラーに映った、一心不乱に走る次男の姿だ。 -
Posted by ブクログ
とても面白かった。読む前は人間社会の中で生きるのを中断してヤギのような生活をした記録を書いただけの本かと思っていた。読む前の自分のヤギに対する解像度は4足歩行をしている反芻動物くらいだったけれど、ヤギの外部骨格を作る過程をたどることで、たとえば背骨は真っ直ぐだということや鎖骨がないことを知った。ヤギの解剖した骨をヒトのように組み立てているところは、発想が面白いし、ヒトの骨格と非常に比べやすくなった。ヒトもヤギも他の動物もやはり自分の生活に特化した形質を持っているから、能力を比較して優劣をつけるものではないなと改めて思った。筆者がヤギになるまでさまざまな困難があったけれど、ヤギになりたいという熱意でやり遂げていて本当にすごいなと思った。研究も面白いし、ところどころ筆者のコメントが入っていて気軽に読めて楽しかった。
「深い知性を離れ、泳ぎ出す僕についてきてくれ。一人だと溺れてしまうかもしれないからね」という言葉が素敵だなと思った。 -
Posted by ブクログ
とてつもなく余韻が残る本。この本を読むと自分の家族について考えざるを得ない。家族と円満であろうが、問題があろうが、どんな状況にあるにせよ読んでよかったなと思う。当たり前のことだが、様々な形の家族があるのだなとわかる。恐らく、理想的な家族なんてない。あるのはそれぞれの家族の幸せや苦悩や葛藤なのだと思う。そういう意味である家族を取り上げたノンフィクション作品なのだろうと思う。
それにしても、当事者である著者が淡々とその当時の感情や現在の想いを決して感傷的になりすぎずに吐露していく筆致にも驚いた。著者の家族を俯瞰的にとらえ、一気に読者を引き込んでいく、その文章にも魅了される。