森絵都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2011年3月に発生した東日本大震災に誘発された福島原発事故。その放射能の危険性のため、原発から半径20キロ圏内への立ち入りが制限された。制限された街に残されたペットは、家畜は、動物たちは、どのような生活をしているのだろうか。ペットたちは飼い主のもとへ戻れるのだろうか。
立ち入り制限区域に残されたペット、犬や猫を中心に保護、飼い主に引き合わせる、といった活動をボランティアで行う人々に筆者が密着、見たままに記述された本。
人々の行動のモチベーションが何なのか、何のために活動をするのかという心理・ペット保護の経緯について知見が得られた。
ペットも家族の一員なのだということ、彼らがどれほど安ら -
Posted by ブクログ
めったに併読をしない私が、たまたま3冊併読になってしまいました。
最初にクラフト・エヴィング商会の『すぐそこの遠い場所』に手をつけ多のですが、これが辞典形式で一気読みするような作品でないため寝床で読む本にして、メインの読書時間の通勤には中島京子を読み始めたのですが、ある日持っていくのを忘れ、予備としてカバンに入れていた本書を読みはじめました。
多分そのせいでしょう、全体の印象が希薄になってしまいました。改めて目次を見れば、一編一編は結構印象に残っているのですが。
一番印象に残った短編は「プレノワール」。フランスのブルターニュの田舎で因習に囚われた生活を行う母とパリのレストランでの新たな暮らしに -
Posted by ブクログ
今リアルタイムで小学校高学年の子や中学生の子に向けた本という感じだった。漢字も少なく、字も大きいので、子供も読みやすいと思う。
最近読んで印象に残っている中学生が主役の本といったら宮部みゆきの「ソロモンの偽証」だったのだが、随分と趣の違う、殺人等のセンセーショナルな出来事など起こらない、平和な日常生活を描いた作品。
東京のある中学校の1年A組の1年間を、1章ずつ別の子の視点で書いていて面白い。色々な性格の子がいて、色々な感じ方があって、「平和な日常生活」の中でもちょっとした「事件」がある。人生の中でもこの時期だけの独特な時間を、不器用に真っ直ぐに生きる彼らの姿がとても眩しく感じた。