宮澤伊織のレビュー一覧
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作者のやりたいことを、やりたい放題に詰め込んでしまえ!の「ウは宇宙ヤバイのウ!」
隕石落下で地球滅亡の物語開幕の時点で、主人公のククリとバディのヌル香が何かやりそうという雰囲気がたっぷりであります。
気軽に(本当は違うけど)禁忌である世界改変を行うとことか、基本的にヌル香が倫理感がぶっ飛んでいるので一番の危険人物は彼女なんだろうな、と理解しながら読む進めていると、ところがどっこいという展開。
物語の救世主となるちほちゃんもさることながら、やはり主人公のククリが一番イカれているという始末です。彼女の深淵は見せてくれないのが、またにくい。
とにかく、ハイパワーなドタバタコメディSFであります。新 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「紙越さん、泣いてたじゃないですか。私の膝枕で」
潤巳るなの言ったその一言が引き金になったのか、今回は膝枕の怪談に振り回されました。鳥子が度々口にする裏膝枕、気が付くと乗せられている電車内、徐々に近づいてくる〈猿夢〉。段々とヤバくなってくるのは分かるのに、その中心にあるのは膝枕で何かおかしいし、何をされそうになっているのかが分からないのが殊更恐怖を煽っている様に感じました。最後に喫茶店で目覚めてからも、本当に膝枕の呪縛から逃れられたのか、いまいち確信が持てなく恐怖が後を引いている感じがしました。
後半の話では戸館さんの話に出ていた熊が登場。怪談の怖さとは違う、野生動物と対峙した時の怖さが -
ネタバレ 購入済み
前巻感想で『何とも懐かしい逸話の集大成』と記したが、今巻は裏世界に改めて向き合う上で色々な伏線がバラ撒かれた様な…。
接点の薄かった人物間の繋がりが出来て、次巻以降より複雑な裏世界からの干渉を引き起こすのか…、色々と気になってしまうので早めの続刊を望むばかりです。 -
Posted by ブクログ
文庫版の購入にあたり再度読み返したら、内容を殆ど覚えていたので僅か一日で読んでしまった。名作というのは記憶に深く残るもの。また時間をおいて読み返しても良いくらいの質の良さ。続編を望む声も多いが、私としてはこれで匂わせ完結でも良いと思っている。完成度の高い作品なので宮澤伊織の金字塔として後世にも読み継がれていくべきもの。ネタ切れになった時点でどうすればいいのかは作者本人が考えることだが、他の作品群(裏世界ピクニック・ときときチャンネル)が絶好調なので、再開はだいぶ先になるだろう。その時まで私は生きているだろうか。それが第一の問題だ。
文庫版追記でも触れられているが、ロシアのウクライナ侵略戦争は -
ネタバレ 購入済み
一気読み
少し怖かったけど、面白くて一気読みした。裏世界ならではの恐怖のなかにも、空魚たちの人間らしさで笑えるところもあって面白かった。るなの話もとてもよかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ表紙に惹かれて本を買いましたが、内容も物凄く面白く買って良かったなと思っています!
夢がテーマの作品なので作中で頻繁に夢の描写が出てくるのですが、それが実際に夢に見そうだなというリアルさと、読んでいてわくわくするような物語的ファンタジーさが融合していて、凄く読ませる文章だなぁと思いました。
初めの方は章の導入の1、2文を読むだけで「あ、これは夢の中の出来事だな」と思えたのが、後半になるにつれて読者側も登場人物と同じく、すぐに夢の話なのか現の話なのか判断するのが難しくなっていく所も、物語に没入できて良かったです。
あとはなんといっても沙耶とひつじの関係性が良いです!!
夢の中でだけは恋人とし