宮澤伊織のレビュー一覧
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閏巳るなが作った宗教団体、その拠点の山の牧場。そこから裏世界に入り閏間冴月の脅威と対面した空魚と鳥子。その後、改めてDS研職員と牧場の調査に行くことに。そこで空魚は恐怖の再会を果たす。
前巻で閏間冴月と直接会いその狂気を目の当たりにした鳥子。冴月への執着が激減して、これからどう裏世界と関わっていくのかの分岐点となった今回。空魚と鳥子は単純に裏世界を探検を継続する選択をするが、楽しいだけじゃないのが怖い所。裏世界は今度は空魚をターゲットにするが、そこが絶妙だ。これまで1人だけの秘密の遊び場→鳥子の閏間冴月探しを手伝う→鳥子と裏世界探索を楽しむ+冴月捜索、そしてまた鳥子と裏世界を楽しむに戻った。こ -
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ネタバレ空魚と鳥子の裏世界探索も順調に進み、さらに農機AP-1を導入して探索の充実化をはかる2人。相変わらず裏世界案件に踏み入れたり、巻き込まれたりを繰り返す。
裏世界での移動手段も手に入って裏でどんな都市伝説と出会えるのかと思ったら、表の案件が裏世界関連という展開だった。
今回のヤマノケとサンヌキカノはこちらが何もしていないのに巻き込まれる系でリアルでも遭遇する可能性はないとは言い切れない。1巻の猿夢やチャイムの訪問者など万に一つの可能性が自分にもあると想像してしまう。ましてや空魚と鳥子のようにどちらかに何かあってもどちらかが冷静に自分の出来ることを考え対処出来るとは思えない。
一方、ウルミルナの最 -
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ネタバレ今回も安定の面白さ。
シリーズ7作目だけど、飽きずに読ませる力量はさすが。
不気味な存在だった閏間冴月との決着。
葬儀、すなわち別れの儀式がもたらす効果。
空魚の大学での講義のシーンもよかった。
文化人類学のゼミでテーマを掘り下げていく様子はなじみがないから新鮮に感じた。
「そのテーマに興味を持った自分の情熱にも、同じくらい率直に向き合うべきかもしれない」
教授の言葉が、本巻の総合テーマにも思えた。
鳥子や茜理、夏妃、るなに対する感情に、空魚自身が率直に向き合おうとする。
人が人として存在し、かかわり、生きること。
空魚の生き方が変わっていくことと学問的興味とがリンクしていくのが面 -
ネタバレ 購入済み
DS研とコトリバコ
今回は潤間冴月が所属していた団体、DS(ダークサイエンス)研が登場。
汀さんがようやく登場。
潤間冴月の手掛かりを求めDS研へ。
空魚と鳥子以外の第四種遭遇者、その有り様は悍ましい…
最早、『何か』としか言えない程に変質してしまった姿、生物と言って良いのか…
空魚と鳥子はあの程度で済んで本当に運が良い…
そして潤間冴月が残したノート、それを読んでしまった結果…
置き土産としては最悪のセンスだね、コトリバコとは…
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空魚(主人公)が迷い込んだ謎な世界。
奇怪なモノと出くわし、死にかけるも、金髪の美少女、鳥子に出会う。
二人で何度も裏世界に赴いては、命からがら現実の世界へ。
都市伝説やネット怪談を元に、
この裏世界では怪異が現れる。
聞き齧ったことのある話と怪異がリンクすると、急に怖さが増す。
知らなくても怖いけれど。
裏世界は穏やかな世界ではなく、
むしろ精神干渉や幻覚などを誘引し、トラップもごろごろ。
こんな世界、一度行ったらもう懲り懲りだと思うけど、主人公たちは行くんだなー、これが…。
理由はそれぞれどうあれど。
続きは気になるが、怖いもの見たさに近い。
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ネタバレ自分だけが知っている秘密の世界「裏世界」、神越空魚はそこで死にかけていた所を仁科鳥子に助けてもらった。自分だけの秘密の世界が秘密じゃないことに残念がりながら裏世界で行方不明のなった鳥子の友だちを探す手伝いをすることに。
都市伝説が実在する裏世界、そこは不思議と不気味と奇妙がごちゃ混ぜになっている上につねに死と隣合わせ。読み手もハラハラとドキドキがごちゃ混ぜ状態になるが、空魚の一人称で書かれていて感情移入しやすく読みやすかった。そして、1話の中で都市伝説が2、3個は出てくる。くねくね、異界エレベーター、きさらぎ駅、猿夢、時空のおっさん、チャイムの訪問者を私は知っていた。1巻だけあって都市伝説の代 -
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東京創元社が、社名の「創元=GENESIS」を冠して二〇一八年に刊行したSF書き下ろしアンソロジー第一集。各作品の前に編者による洒脱な紹介コメントも寄せられていて、「日本の現代SF小説界、作家も出版社も一丸となってこんなメンツで盛り立てていきますぜ」という顔見世興行的な気合いの入りようが感じられる。今のところ二〇二一年の第四集まで毎年刊行が続いているようだ。
SFに限らず同時代の作家の好きと思える小説に出会えることには、古典名作を楽しむのとはまた違う喜びがある。創元さんの四年前のお薦め、彩り豊かで「ぜんぶ好き」とはいかないが、これだけいろいろ並べて出してくれたことにありがとうという気持ち。
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ネタバレネットロアでも最悪クラスの災厄が襲い掛かる、裏世界探索物語シリーズの2巻である。
初期からシリーズ化の予定があったのかはわかりかねるが、この巻からはさらに物語世界やキャラの関係性が広げられ、新キャラも複数登場する華々しい展開になっている。
その意味で、シリーズを進めるにあたって布石に近い印象もある一巻である。
とはいえ、物騒なピクニック模様は健在であり、暴力的な意味合いでは今回は1巻以上に色濃かった。
章立てでは以下のようになっている。
ファイル5 きさらぎ駅米軍救出作戦
ファイル6 果ての浜辺のリゾートナイト
ファイル7 猫の忍者に襲われる
ファイル8 箱の中の小鳥
個人的 -
ネタバレ 購入済み
猫の忍者に襲われる
この巻のほとんどが〈猫の忍者に襲われる〉の話でしめられていました。
ついにカラテカこと瀬戸茜理が登場しました。
今回は茜理が持ち込んだ依頼で猫の忍者というネットミームと対峙する事に…
刃物で襲いかかってくる猫の忍者は今までとは違ったヤバさが…
次巻はアニメ版では結局登場しなかった(確か…)DS(ダークサイエンス)研に行くようです。
楽しみ。 -
ネタバレ 購入済み
今までと違ったアプローチ…
作者さんも裏世界も、今回は今までと違ったアプローチで攻めて来ました。
一冊まるごと『寺生まれのTさん』のお話。
本来は怪談ブレイカーな彼を使って、こんな形で物語を展開するとは…
次巻も早く出ないかな…