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Posted by ブクログ
5巻はバリエーション豊かな短編集、6巻は番外編といった趣があって、更に前者は鳥子の気持ちに段々自覚的になる空魚、後者はそれゆえにちゃんと向き合おうと努力しようとする姿が描かれていたが、いずれも若干大きな跳躍へのステップのような感じがしていた。その待ちに待った跳躍が、今巻だろう。これまでばら巻いていた種が一気に結実するような爽快感と、一歩踏み込んだ空魚と鳥子の関係性。またその関係性も、新しい局面に突入こそするものの、一気に進め過ぎないのがもどかしくもあり、一方で素晴らしい点でもある。こっちは入り組んだ感情を解きほぐして、互いに一緒にいるためにはどうすればいいかを整理する過程が見たくて百合読んでんだ、これくらい丁寧にやってくれなくっちゃ。
ホラーとしても、初期の訳の分からないものに相対する怖さみたいなものが、盛り返して来ていて良かった。読んで怖いと感じるかはともかく、綱渡りで対処しなければならない緊張感のようなものは味わえるだろう。
その一方で、その訳の分からないものに対して、SF的なアプローチで分析をしかける魅力もまた、更に立ち入って描かれていたように思う。そこに付随して、攻勢に出た彼女らの、敵に対する対処法が民話的というか、宗教的なのも良かった。
こちらに戻ってくるための楔としての大学生生活においてもやや進展が見られるが、そこで講義という形で言及される文化人類学の思考枠組みの変遷は興味深かった。更に、空魚の研究テーマ(=学生生活の主題)と向き合うことが、とりもなおさず彼女が目を背けているパーソナリティに向き合うことと繋がっていて、本筋の進展と関わる要素になっているのも良い。
未解決の要素は決して少なくないが、空魚と鳥子の関係という面でも、ストーリーとしても(この二つはほぼ同義だとも言えるが)、ひとまずは新しい局面を迎えたと言えるだろう。次巻も楽しみだ。
ネタバレを含む詳しい感想は、コメントにて記す予定。
Posted by ブクログ
前巻に引き続き、単体のエピソードを1巻通して描いている。
と同時に、これまでのエピソードを貫く大串だった部分に決着をつける巻でもある。
葬儀というモチーフも、そこで起きる出来事もしっかりと恐怖を感じられるものでありながら、積み上げてきた裏世界という存在が認識や感覚の概念から成り立っているという設定をしっかりと活かしており、面白かった。
しかし同時に、大きくストーリーをドライブさせていた要素に区切りがついたということでもあり、次巻以降どう広がるのか、あるいは畳んでいくのかが気になるところ。
あとがきに記載されていた汀のモデルは、あまり意識していなかったが言われればなるほどと思う人選だった。
故人の冥福を祈りたい。
Posted by ブクログ
書店の売り上げランキングの類いにはラノベに属される本シリーズですが、ハヤカワから出ていることもあってか、ラノベっぽさなどはほぼ感じられず、この7巻では特に比喩の表現がとても豊かで、月の葬送という耽美なタイトルに相応しいシリーズの中では屈指の美しい作品だったと思いました。それでいて空魚の戦国時代の人ぶりや小桜のセリフや説教のキレももちろん健在でとても楽しめた一冊になりました。ラストの空魚と鳥子はSFでも百合でもなくもう紛れもなく純文学でしょ、現代版ハヤカワ版花物語!しかし全くいい意味で次巻からの展開が全く想像つかない…こういう読後の感情を久しぶりに思い出しました。余談ですが書店特典のポストカードがとても良かったです、ファンの方、電子版で読んだ方も書籍版買う価値あります、自分は両方買いました!
Posted by ブクログ
本気で面白かったよ!!と誰かに言いたい。
小6姪っ子が待っているのでクリスマスプレゼントとともにまわします。
空魚が人間味出てきてるのも良かったし、空魚の大学生活がまず善きものですね。
ゼミでテーマについて話す空魚は現実世界にまだ未練はあって、裏世界に消えていくことはないねんなーって今回の7巻でちゃんとわかった気がした。空魚の探しているもの求めているものをたぶん閏間冴月は同じように手にしたかったし、自分は平気だと裏世界に挑んでのみこまれたんだとワタシは思った。結局冴月は鳥子や小桜を利用して裏世界に行くことだけを選んで空魚はそうじゃなくて全部を引き受けることにしたから、現象となった冴月に引導を渡せたんやとおもう。でもまだ終わりじゃない。赤い女のこととか回収されてない。はやく続きをお願いしまっす!!
Posted by ブクログ
一巻から六巻はぜんぶ七巻のためだったと思うくらいに、今まで読んできてよかったくらいに面白かった。
これまで語られてきた怪談の文法やフレームというものに文字通りの中間報告がされていて興奮したし、牛の首やこっくりさんの攻略方法もすごく楽しかった。
そのあたりはもともとこのシリーズで一番買っていた部分で、今回はさらに、ある意味信用できない語り手、過酷な人生を単独で生き抜いてきて、一人称の視界に歪みやぼやけを持っている主人公だと一巻で明かされていた空魚の、周囲の人間への・からの解像度がじりじり上がっていま閾値を超えた感があるのが、これまでになく明確になっている気がして感慨深かった。
既刊分に好きな場面や文章はたくさんあるけど、今から思えば全部「月の葬送」にたどりつくまでの道のりだったな、と振り返ってしみじみするような、今までの裏世界ピクニックにないしんみり清々しい終わり方ですごくよかった。特に小桜。
面白かった!
アニメを見てから原作小説を読み追い続けてましたが、ついに完結………という訳ではなく、ひとつの物語が終わったって感じでした。次巻が凄く楽しみです!
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