宮澤伊織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2018年末に刊行された新しめの日本SFアンソロジー。短編8編+エッセイ2編が収録されています。
アンソロジーを読むこと自体、ちょっと良い(と見込んだ)食事処にぷらっと入って「おまかせコース」を頼むようなもので、満足したい気持ちと、意外なものを味わいたい気持ちが同居していると思います。
個人的には両ポイントともにちょうど良い感じの1冊でした。編集者の匙加減の素晴らしさもあるんでしょうが、SFというジャンルの中での振れ幅もなかなか心地良かったと感じました。
(正統派SFもありつつ、一見ファンタジーでは?日記では?となる作品や、突き抜けたシュールさの作品があって、色彩豊かでした)
1編挙げると -
Posted by ブクログ
軽快なやりとりが小気味良い。前巻は、露骨にいちゃついてる感じが、求めていたものではない気がしたが、なんか馴染んで来たというか。距離を詰めてきた鳥子に、ちゃんと応えてあげなきゃな、と前巻で決意した結果、今回はかなり努力しているのに加えて、人との接し方が自然と変化してきているのが良かった。人を通じて、自己の解像度を高めていく感じも良い。
少しずつ変わっていく二人の関係と、空魚の在り方。4巻までのように、劇的なポイントが設けられている訳ではないけど、一冊通じて「今の二人」を堪能できる。
裏世界の設定も、もう一段踏み込み初めているし、前巻でちらとしか出なかった話も、きちんと描かれている。こんなに -
Posted by ブクログ
「裏世界ピクニック」の宮澤伊織による百合SFがハヤカワ文庫から刊行された。単行本は既に2018年に刊行されているとのこと。
睡眠をテーマにして、高校生5人が睡獣(眠りを蝕む精神寄生体)に立ち向かう物語。「裏世界ピクニック」と同じく、主人公が大きな流れに巻き込まれていく心の葛藤が面白い。そして、それが無意識に百合世界に発展していく過程も見ものだ。
本作品もアニメ化しやすい内容なので、今後にいろいろと期待したい。睡獣のイメージや攻撃内容、ナイトランドの描き方等、コミック・アニメにしやすい描写表現がされている。また、次回を予感させる結末でもあり、小説もPart2, Part3と続々繋げて戴きたい -
購入済み
所々の恋愛描写…
所々の恋愛描写が怖い話を緩和してしまっているのが残念…
けど、今回のラストは次巻が期待できるかと想わせる展開だった。
ただ、最近は怖いというより不思議の方が勝ってきた気もする… -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回の話はバリエーション豊かで、短編集っぽさが強く出ていたように思う。
裏世界に侵入したとき、或いはそれに属するものと邂逅したときの、ひりつくような緊張感は健在で、ホラーをあまり嗜まない身としても(或いはだからこそ)十分に楽しめた。
SF的なアプローチで裏世界の事象を解き明かす面白さは、今回は少し抑えめな気がする。二人の関係性も前回大きく進展した分、これまでのように、最後に解像度が一段階高まって終わるという感じでもなく、終わり方としては少し弱いように感じた。二編目以外は、正直今後回収される要素が多いように感じて、しこりのようなものが残ったので、星4をつけた。
とはいえ、決してつまらなか -
購入済み
コミック一巻既読
コミック一巻既読済みです。
元々、コミック作画担当の水野英多さんのファンだから興味を持ち購入。
コミック一巻で世界観に引き込まれ、小説も購入しましたが、色々あって積ん読状態でしたが、アニメ前に読んでおこうと、読みだしたら止まらない。
雰囲気としてはクトゥルフ神話よりの人の恐怖や狂気に密接な感じ。
それでいて、題材はネットロアという現代怪奇譚という、変わり種な感じ。
オカルト苦手な人は気を付けてください。