宮澤伊織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「くねくね」や「八尺様」などの異形が跋扈する、世界の裏側を探索する少女二人の怪異譚SF。異形の描写はやや写実性が曖昧なものの、暗さではなく明るさをベースにした裏世界の描写は異世界感が際立っており、現実では無い場所を想起させる秀逸な描き方だと思う。下手な暗闇より不自然な明るさのほうが何倍も怖く、その明るさの恐怖を踏まえているからこそ、裏世界の夜はより恐怖が増大するというのは上手い描き方であった。
ただ惜しい点もいくつかあって、それは裏世界の夜での恐怖体験が少なかったことだろうか。怪異による精神汚染や、くねくねの突起が生えるなど、生理的な恐怖感もよかったが、もっと色んな方面で怖がらせても良かった -
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Posted by ブクログ
作者が百合について語るネットのコラムで知り、気になって読んでみた。
ライトノベルが苦手な身なうえ、ホラーもいまいちわからないタイプなので読み切れるか不安だったが、比較的読みやすかったように思う。
ホラー・オカルト的な事象の裏に少しずつSF的な裏付けがされていたり、有名なネットロアが下敷きになっていたりして、興味深く読めた。
おそらく、同世代で同じようにネット文化に触れてきた人には、元ネタだけでなくギャグや軽快なテンポも合って楽しめるだろう。
それぞれ独立したエピソードが軽妙に語られていくので、気軽に何か読みたい気分のときにおすすめ。
キーとなる人物「鳥子」についてはまだまだ謎が深まるかぎり -
Posted by ブクログ
百合に一家言を持つ宮澤伊織の百合ホラー。
ネットの怪談を題材にして死と恐怖と不合理の裏世界を探検する話。
2冊目にして裏世界を研究する(していた)機関も出てきて、裏世界の影響で人間ではなくなってしまった被害者が収容されていたりする。たぶん誰もがハンターハンターの外の世界から帰還した人間を連想したのでは。
百合的には、主役二人に強烈な依存関係はあるけど、百合だと思って読まないとあんまり百合ではないという絶妙なラインを突いていくので素晴らしいです。
ホラーとしてはもうあっちこっち怖いんだけど、怖ろしいモノと表裏一体な場所でビーチ遊びでキャッキャウフフしてる女子大生という絵面が一番怖かったです -
Posted by ブクログ
2014年に発表された日本のSF短篇アンソロジー。素直な作品から実験的なものまで個性的な作品が揃っている。巻末の解説で2014年のSFの概況をまとめているので、これから読む作品を選ぶのに参考になる。なお、本書で個人的に好きなのは、「φ」が圧倒的によかった。他には、「猿が出る」「雷鳴」「スピアボーイ」「薄ければ薄いほど」といったところ。
以下、各作品の感想。
◎10万人のテリー(長谷敏司)
カードゲーム(マジック・ザ・ギャザリングやデュエルマスター、バトルスピリッツなど)を少しは知ってないと楽しめないかも。私は知っていたので楽しく読めた。囲碁や将棋の次はカードバトルでAIが活躍するのは現実の -
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ネタバレ長谷敏司「10万人のテリー」★★★
下永聖高「猿が出る」★★★
星野之宣「雷鳴」★★★★
理山貞二「折り紙衛星の伝説」★★
草上仁「スピアボーイ」★
円城塔「Φ」★★★
堀晃「再生」★★★
田丸雅智「ホーム列車」★★★★
宮内悠介「薄ければ薄いほど」★★★
矢部嵩「教室」★★★
伴名練「一蓮托掌(R・×・ラ×ァ×ィ)」★★★★
三崎亜記「緊急自爆装置」★★★
諸星大二郎「加奈の首」★★
遠藤慎一「「恐怖の谷」から「恍惚の峰」へ~その政策的応用」★★★★
高島雄哉「わたしを数える」★★★
オキシタケヒコ「イージー・エスケープ」★★★
酉島伝法「環刑錮」★★★★
宮澤伊織「神々の歩法」★★★ -