あらすじ
高校生・久遠空々梨(くどう・くくり)の下校途中、いきなり巨大隕石が地球に直撃! 全人類は一瞬にして滅亡した!!――目を覚ますとそこは隕石衝突の三日前。混乱する空々梨を前に従姉妹の非数値无香(ひすうち・ぬるか)が言うには、空々梨は星間諜報組織〈偵察局〉のエージェントだったが、世界線混淆機の起動によって記憶を失い日本の女子高生になってしまったらしい。再び迫る隕石、襲い来る異星人の艦隊。人類、大ピンチ!? 宇宙がヤバイ大活劇、新版爆誕! 大胆な改稿と、今井哲也氏による挿絵を多数追加。さらに著者書き下ろしのあとがき・参考文献を収録。
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Posted by ブクログ
作者のやりたいことを、やりたい放題に詰め込んでしまえ!の「ウは宇宙ヤバイのウ!」
隕石落下で地球滅亡の物語開幕の時点で、主人公のククリとバディのヌル香が何かやりそうという雰囲気がたっぷりであります。
気軽に(本当は違うけど)禁忌である世界改変を行うとことか、基本的にヌル香が倫理感がぶっ飛んでいるので一番の危険人物は彼女なんだろうな、と理解しながら読む進めていると、ところがどっこいという展開。
物語の救世主となるちほちゃんもさることながら、やはり主人公のククリが一番イカれているという始末です。彼女の深淵は見せてくれないのが、またにくい。
とにかく、ハイパワーなドタバタコメディSFであります。新版とあるように、改訂にあたり百合要素を追加したのは、最近の百合SFブームにあやかったものかしら。改訂前は、女性主人公のライトノベルは売れないとかいう話だったそうですが、10年前のラノベ界隈って、そんなことないでしょ。SFだからかなぁ。いや、そんなことないよな。
編集者たちのこういう規定観念みたいなものって、もちろんデータや経験則からきていると思うのですが、よくわからないです。読者としては、後付けで思うのでずるい立場でものを言っているとは思うのですが、その規定観念をぶち壊すパワーのある作品が生まれれば、あっという間に後を追いかける作品も出てくるので、思考の硬直下になっていなければいいなぁ、と思います。商業のためには、冒険しにくいという理由もあるんでしょうけどね。
やはり、ヌル香がぶっ飛んでいて好きです。地球人としての日常生活の常識をぶっ飛ばすのは当然として、禁制兵器をお手軽に作り出すとか、宇宙規模の常識も平気で無視するから、何をやらかすのかが気になります。人としての先の見えない面白さがいいですね。人がなくて船だけど。
ククリの記憶が戻る日は来るのだろうか。
そういえば、世界改変を何度繰り返しても、数学の授業はいつも二次関数なのはなぜだ?他の授業は内容が変化していると言うのに。
ちょっと検索したら、ブレーキの制動距離とか、放物線とかに二次関数は使用できるようなので、身近なものとして普遍のものとして、物理学の第一歩的な感じで不変の授業内容になっているのかしら。
それとも、これ自体が何かのパロディやオマージュだったりするのかしら。
あとがきで多くの参考文献があるとありますので、その可能性も否定できない。
パロディやオマージュを説明なしで楽しめる知識の深さや知恵の使い方が欲しいですね。無学さを突きつけられてしまいます。
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巨大隕石直撃人類滅亡から始まるスラップスティックSF活劇。
世界線は混淆し星間諜報員は女子高生となり異星人の艦隊が襲い来る。ドタバタの合間に挟まれるSF的解釈ウンチク。
ガチガチ骨太で柔軟筋肉にして頭脳明晰なSFの懐の広さを知る怪作。面白い!
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初っ端から隕石衝突で地球の滅亡から入り、ドタバタしながら宇宙規模の問題を解決していく、SF百合コメディ。なんだかんだ言いながら、ずっと空々梨を気にかけている无香と意外と考え無しな空々梨とのやり取りが好きです。
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宇宙人あり隕石あり熊ありのはちゃめちゃSFライトノベルです。
読ませる文章で、すらすらとページをめくってゆくと自分が文章で成立した世界に同化してゆきます。長編ロングセラーの宇宙活劇の番外編か、それともスピンオフか、そういった趣がとても素敵!
Posted by ブクログ
ありふれた日常を突然襲った巨大隕石の直撃により人類が滅亡した状態から始まるラノベ仕立てのSFで、隕石衝突の三日前に戻り再び迫る隕石や異星人の侵略を防ぐために主人公達が奮闘する様子やハチャメチャながら最高にワクワクする展開の連続で最後まで面白かった。他のSF作品も読みたくなった。
Posted by ブクログ
宇宙、ヤバイ!!
ずいぶんラノベチックだなー、とか思ったら元はラノベなのね。早川書房はカバー範囲広いなぁ。SFに見境が無いとも言う。
ジャンル的にはコメディSF。やりたいこと詰め込んで、でもキレイに着地してたからびっくりした。
10年前の作品のリメイクとのことだけど、全然古臭さは無いね。主人公を女性にしたのもコメディ色が強くなって正解だったんじゃないかなー。
あと「非数値 无香(ぬるか)」のネーミングセンスは尖ってて好きだわー。僕も非数値さんと結婚したら娘の名前を无香(ぬるか)にします。
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元はラノベだったそうで読みやすく、しかしちゃんとSFをしていて面白い。
話もテンポよくどんどん展開していくで読んでいて飽きない。
あとがきにも書いてあるが、続きが出ればぜひ読みたい。
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SFスラップスティックコメディですね。以前ラノベとして発表された作品の新版とのことで、主人公が男から女に変更となっているらしいです。百合要素があったり、主人公の船がアイロニックなキャラだったり、偉い人がロリ体系になってたりとお約束満載ですが、お話のテンポもいいし、ちゃんとSFだし、なかなか面白いです。
こういうSF要素を満載したうえでスラップスティックに仕上げるのって、日本のお家芸な気がしますね。
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光のはやさでケツからうんこを出したらどうなるの?
という伝説の2ちゃんねるスレを知っているだろうか。ほぼアレだ
SFのアイデアを詰めた箱をえーいと放り投げたような笑える作品
ただ、登場人物の1人に「州谷州わふれむ」という名前の白衣眼鏡が出てくるのだが、その名前を見た地点でくっだらねえと笑えるくらいには知識と懐の余裕がないと…
そんな、同人感のある話でした
Posted by ブクログ
思った以上にコミカルなラノベでハチャメチャだった。ほかの宮澤作品よりテンション高め。
最後宇宙船に戻ったヌルカがかっこいい。安心感がある。
Posted by ブクログ
SF。ライトノベル。
タイトルは知っていた作品の新版。
ストーリーはまさにラノベという無茶苦茶な展開。ちょい百合。
タイトルからも分かるように、SF作品のオマージュが多数散りばめられていて、SF好きには嬉しい。
コードウェイナー・スミス推しの自分的には、登場人物の名前だけでも楽しめる。
想像が膨らみワクワクするエピローグが好み。
Posted by ブクログ
スラップスティック系のSF。あとがきで2013年作品の再販と知るが、全然古さは感じられなかった(再版のために一部設定を変えているところが、うまくはまっている感じ)。この手のSFを読むたびに、銀河ヒッチハイクガイドを思い出すが、この作品でも参考にしているようで、中学校以来になるが、また呼んでもいいかもと思ったりした。