河合祥一郎のレビュー一覧
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これほど評価が難しい本に出会ったのは久しぶり。この『マクベス』はそれほど長い物語ではなく、更には将軍が主君を殺し王位に就くも、本来の王位継承者に殺されてしまうという簡潔なストーリーである。それも当時の王様に献上した話であるためか、何処か媚びへつらっているような印象を受けてしまう。それなのに『シェイクスピアの四大悲劇』として数えられているのだから始末に終えない。
この物語はマクベスを主人公と見るのか、王子であるマルコムを主人公としてみるかで大きく変わってくる気がする。マクベスは魔女の甘言から王位を望み、王を殺して王位を奪ってしまう。しかし魔女のもう一つの予言が気になり周囲全てが敵に見えて段 -
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その名の通り、「あらすじで読むシェイクスピア全作品(戯曲40作と詩編)」。「手っ取り早く筋を確かめたり、登場人物名や人物関係を確かめたり」(p.3)するためのもので、四大悲劇、その他の悲劇、喜劇、歴史劇、問題劇、ロマンス劇、詩のジャンル別に、あらすじと人物相関図、鑑賞のポイント、名台詞が紹介されている。著者曰く、「本書は、入門書というより、すでにシェイクスピア作品を読んだ(はずの)人の覚書としていただくのがよい」(p.4)ということで、シェイクスピアそのものの面白さを味わったりする感じの本ではない。
というのも、シェイクスピアの作品は人物が多すぎて、いくら相関図を見ても、誰が誰に何をしてど -
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「田舎の公立学校を出たか出ないかわからないような学歴で、しかもずっと役者業に携わっていたのなら執筆のための勉強も調査も取材もする暇などなかったはずだ。それなのに、すらすらとこんなすごい作品を書けたはずがない。どうしてそんな芸当ができるというのか。一体、シェイクスピアとは誰だったのか。」(p.50)というのがこの本のテーマ。「シェイクスピア別人説」として七人の候補が挙げられ、それぞれの主張の根拠、強さを様々な記録から探っていく。そして最後に、著者の結論が述べられる。
ロンドンでは「シェイクスピア作者問題」についての修士課程があったり、アメリカでも「シェイクスピア作者問題研究センター」があった -
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シェイクスピアの喜劇。ここまで立て続けに悲劇ばかり10作近く読んでいたので、なんだか和みました。あらすじも何も知らずに読み始めたので、もちろん悲劇だと思いこんで読んでいました。4人の男女が愛憎のもつれで殺し合うんではないかと、ハラハラしながらページをめくっていましたが、なんか惚れ薬とか、プロレタリアートたちの愚かなシーンがさしはさまれだして、色が変わり、気づいたらニヤニヤしながら最後のページをめくっていました。言葉の掛け合いが、翻訳でありながらも面白い。訳者の腕もあるんでしょうが、シェイクスピア読み継がれる意味も納得します。段々惹かれ始めましたよ(笑)
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初めてこういう類の本を読んだ。
キャピュレット家主催の宴会の場で出会ったロミオとジュリエットが一目惚れした。
紳士淑女の極みのような人格が、互いを想うときには言葉も振舞いも取り乱してしまう様が印象的であった。
その互いの身分とのギャップから、どれほど好きなのかを読者に印象づけていた。
しかし何故お互いに好きになったのか?その背景が理解できなかった。
「モンタギュー家とキャピュレット家の和解」「平和はいいことだ(争いはくだらない)」という結論ありきで紡がれた物語という印象を拭いきれず、創作とはいえ、作者の作為を感じざるをえないのが残念であった。
そして最後の「モンタギュー家とキャピュ -
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シェイクスピア喜劇の代表作、1594-96頃の作とされる。原題は『A Midsummer Night's Dream』で、Midsummer は「真夏・盛夏」ではなく「夏至」ないし「ヴァルプルギスの夜」と解釈され、いづれも妖精が活動的になる祝祭的な夜だという。
「左右の目に違ったものが映っているみたい。何もかも二重に見えるわ」
"夢から覚めた"ハーミアの科白。ここには、近代という時代精神がこれから陥ることになる自己意識の無限の二重化という機制が、垣間見える。
「どこもかしこも、ぴったり収まる台詞はなく、どの役者もずれている」(フィロストレート)
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シェイクスピア(1564-1616)の、『夏の夜の夢』『じゃじゃ馬ならし』『空騒ぎ』『お気に召すまま』と続いた"喜劇時代"の最後の作品、諸説あるが1599から1601年頃の作とされる。なおこの後、四大悲劇を産み出すことになる"悲劇時代"へと向かっていく。
本作は、主人公女性の異性装とそれによって瓜二つになってしまった双子の兄妹と云う設定によって惹き起こされる勘違い・食い違いがその動力となる、ドタバタ恋愛喜劇。喜劇の登場人物は、躍動的であるに限る。
ヴァイオラ――・・・。/なんて罪作りなの、変装って。/悪魔でも、見かけをごまかして人を騙す。/ハンサ -