【感想・ネタバレ】鏡の国のアリスのレビュー

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ネタバレ

不思議の国からたった半年後のお話だけど、アリスに成長が感じられる。子どもにとっての半年は、濃厚で常に新しい刺激に満ちている。
‪大人になった私は捉え方も変化して、子ども時代の自由で純粋な自分に容易にアクセスできなくなった。でも本を開けば、永遠の少女はいつもその中に眠っているということを、思い出すことができる。‬

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2019年09月26日

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英文を読む際の参照に。
不思議の国が、即興で作られたのに対して、鏡の国はキャロルによって緻密に作られていることがよくわかる。
チェスゲームの作りもそうだが、無意識や夢、言語ゲームなど、うまく散りばめられている。
また、この作品では同時に、移ろう時を懐かしむような寂しさが、まるでそれを押し隠すかのように語られており、あとがきにもあるが、アリスの成長を寂しく見守る作者の影がいたるところに見られ、不思議の国とは違ったものが感じられた。アリスは、やはりこの二作品を合わせることではじめてその魅力が浮かび上がるものなのだと思う。

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2014年03月14日

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鏡の国のアリスって、不思議の国のアリスの続編なんですね。

アリスがルイス・キャロルの実の娘アリスをモデルにしているということをこの本で初めて知りました。

成長するにつれて自分からどんどん遠ざかっていくアリスを思い執筆したという話を聞くと、また別な読み方ができるかと思いますよ。

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2011年10月01日

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白騎士がアリスに見送りを頼むシーンが素晴らしくて大好き。
「あの岡を下り、あの小川を越えれば、そなたは女王になるんじゃ。が、ここで拙者をまず見送ってくれるであろうな?」「長くはかかるまい。ここで待っておって、拙者があの曲がり角についたら、ハンカチを振るのじゃ。すれば拙者も元気づくじゃろうからな」

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2016年04月11日

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『鏡の国』はチェスゲームと連動しているらしく、全くチェスを知らない私にとっては……なぜ駒がそこに動くのかが分からなかった。
注釈には「正式なゲームではこうなる」みたいな事が書かれているが、それがさっぱり理解できない。
けれど、物語はチェスゲームを知らなくても読み進めることが出来る。
読み直したいかと言われたら……もうお腹いっぱいなのでごちそうさま。な気分。



こちらも「不思議の国」と同じく夢オチ……のようなのだけれども、自然に現実に統合されて行くので、章タイトルに「めざめて」がなかったら、どうなったのだろう?と考えてしまったかもしれない。

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2023年12月12日

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実写化された映画などを見ているせいでファンタスティックな世界観をイメージしやすいですが、本の中にはそこまでの詳しい描写はありません。
しかしながら、アリスや出てくる登場人物のセリフ、快いテンポ感からそれらを感じされる名著です。
また、翻訳者の意地と言いますか、日本語の韻に世界観を壊さずに当てはめた凄さも堪能できます。

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2023年02月08日

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 子どもの頃に簡略化された絵本を読んだだけだったので、ちゃんと読むのは今回が初めて。実写映画に出てきたジャバウォックなどは、こちらに登場してたのか。
 解説にて、白のナイト=キャロルで大人になっていくアリスを見送るシーンとあり、彼の想いが込められた物語という側面があることを知った。一見とりとめのない物語のようで、全体的にチェスのゲームになっている構成に度肝を抜かれた。
 テニエルのアリスは生き生きとしていて、想像とベストマッチ。

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2022年04月24日

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「不思議の国のアリス」から半年後のお話。
子ネコのキティとおしゃべりをするアリスは、暖炉の上の鏡をくぐり抜けて、鏡の国の部屋にかろやかに跳び降りてしまいます。
鏡の国では文字がさかさま。
赤と白のキングやクイーン、しゃべるお花たちや、卵のハンプティ・ダンプティに出会います。
小さな丘から見た田園は、大きなチェス盤みたいに仕切られていました。
次々と起こる不思議な出来事に想像力をかき立てられ、訳者のあとがきによって、この物語がより鮮やかものになりました。

「不思議の国」は、子どもの頃何度も繰り返し読んでいたのですが、「鏡の国」は初めて読みました。
もし子どもの頃にこの本に出会っていても、きっと今のようにに楽しめていなかったかもしれません。
韻を踏んだ詩の訳が、とても素晴らしく、挿絵も素敵です。

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2021年10月10日

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大人になっちゃったのかなぁ……チェスがわからないからなのかなぁ……、もう少し楽しみたかった。とはいえ、型破りな世界でも明るく勇敢に前進し馴染んでいくアリスは勇敢でかわいい。実在のアリスは成長し疎遠になりつつも、ルイスは子供の頃の彼女を楽しませたい気持ちに溢れているところが、同じく子供の感受性を持ち続けられない私をノスタルジックな気持ちにさせる。そこはいいなぁ。挿絵も良い。映像でも観たいし、ほかの翻訳でも読んで味わってみたい。まずは『不思議の国のアリス』から英語で読んでみよう!

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2021年01月27日

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アリス=児童向け幻想文学というイメージは強いが、それはあくまで一側面。巧みな言葉遊びと明晰な論理性を反転させたナンセンスな会話、ヴィクトリア朝の文化やマザー・グースといった大衆文化を換骨奪胎してパロディ化する諧謔精神もまた、アリスらしさの一部なのだ。本作はファンタジー要素が控えめな分、知性的なのに痴呆的な、多数の引用や論理性、己の抒情性すらも木端微塵に笑い飛ばしてしまうノンセンス―無意味さに溢れている。遊び心と詩的さを巧みに日本語に置き換えた翻訳が素晴らしい。一期は夢よ、ただ狂える(cruel)のみ。

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2014年10月06日

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チェスのルールを知ってたらもっと面白かったかも。でも素敵な言葉あそびはやはり魅力的です。最後のアリスへのさようならが切ないです…。

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2011年10月27日

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イギリス文学らしい幻想小説

私が読んだのは岡田忠軒さんの訳で上手く和訳されてたけど、英語の言葉遊びとか、あと鏡とチェスをモチーフにした幻想的な世界。主人公のアリスは、最初のほうですぐに判るコトだけど小学校低学年くらいの年齢で、小説の最初から最後までアリスに知覚される世界なんだけど、それが徹底されてる。

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2011年09月15日

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ほとんどが言葉遊びで頭がこんがらがった。
最後、ルイス氏がアリスに贈った詩がなんとも言えない切なさ。

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2016年01月02日

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不思議の国より登場人物がいい人な気がする
前作同様詩がたくさん出てきてそれを韻を踏んで訳してあるのがすごい

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2024年03月17日

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10冊目『鏡の国のアリス』(ルイス・キャロル 著、河合祥一郎 訳、2010年2月、角川書店)
1865年に刊行された児童文学『不思議の国のアリス』の続編。初刊行は1871年。前作以上にナンセンスな内容だが、物語全体を通して一つのチェスのゲームになっているという構成は驚異的かつ狂気的。訳者の解説が真実であるならば、ルイス・キャロルのロリコンっぷりにはちょっと引く。優れた芸術家というのは多かれ少なかれ特殊な性癖というものを有しているのかも知れないが…。
「あなたは、どっちの夢だったと思いますか?」

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2022年02月11日

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『鏡の国のアリス』は、イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(1832~1898年)が、ルイス・キャロルのペンネームで発表した『不思議の国のアリス』の続篇ともいえる作品である。
『不思議の国』は、キャロルが、オックスフォード大学在学中に所属していた学寮の学寮長の娘であるアリス・リドルのために即興でつくって聞かせた物語(1862年、アリスが10歳のとき)をもとに、1865年に書籍化されたが、本作品はその後に書かれ、1871年に出版された(アリスは19歳)。
アリスが、見る見るうちにあどけない少女から、大人の女性に成長していく中で、本作品はもはや実在のアリスのためにというより、自分の心の中にいる小さなアリスのために書かれた、思い出の世界、夢の世界の出来事であったといえ、それは、『不思議の国』ではどんなにサイズが変わってもアリスが少女であることは変わらなかったのに対して、『鏡の国』ではアリスが少女(ポーン)から大人(白のクイーン)へと変貌し、いつの間にかキャロル(アリスをエスコートする白のナイト)に別れを告げてアリス自身の人生を歩み出すというストーリーに、象徴的に表現されている。
本シリーズは、聖書やシェイクスピアに次ぐ数の言語に翻訳された、世界で最も読まれた児童小説とも言われており、『不思議の国』の白ウサギやチェシャー・ネコ、『鏡の国』の赤のクイーン(「ここではね、同じ場所にとどまるためには、思いっきり走らなければならないの」という赤のクイーンの言葉は、「生物の種は絶えず進化していなければ絶滅する」という進化に関する仮説の比喩に使われ、それは「赤の女王仮説」、「赤の女王効果」などと呼ばれている)や、「トゥイードルダムとトゥイードルディー」、「ハンプティ・ダンプティ」などのマザー・グースからの引用は、あまりにも有名である。
また、この角川文庫の挿絵は、出版当初の、当時風刺漫画で有名だったジョン・テニエル(1820~1914年)によるものであるが、1907年に英国で作品の著作権が切れて以降、アーサー・ラッカムなど、世界中の挿絵画家によるものが出ている。
本シリーズは、松岡正剛氏が有名書評「千夜千冊」(1598夜/2016年1月)で取り上げているのだが、この作品自体の評価はなかなか難しい。松岡氏は、「ルイス・キャロルには、むろん何か格別に天才じみたところがあったにちがいありませんが、この人は全体としてはもともと変な子であり、長じても変な大人だったと思います。まずは、そう思ったほうがいいでしょう。・・・案の定、へんてこ世界のアリスを誕生させた。」と書いているのだが、このシリーズは、大人の理屈を持ち込んで読むのではなく、子どもが子どもの感性で楽しむ世界なのだろう。
また、『鏡の国』については、上述のような、キャロルが、どんどん成長して自分から遠ざかっていく実在のアリスを思いながら執筆したという背景を知ると、大人にとっては、少し異なった印象を与える作品になるのかもしれない。
(2021年2月了)

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2021年02月03日

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ノスタルジーをナンセンスで隠した作品。
実世界のアリス・プレザンス・リドルとの関係性を知ったうえで読むと、より楽しく読めるように思えました。
そもそもアリスのためだけに作られた『地下の国のアリス』から派生したもの。というのはかなり有名な話ですが、子供から大人になっていってしまうどうしようもなさ、遠い存在になっていくアリスとの距離感を思うと、かなりノスタルジックな内容のように思えてきます。冒頭の詩や最後の言葉遊びも含め、本の形式をとった手紙のようです。
ルイス・キャロル、ロリコン説、非ロリコン説は色々と言われていますが、アリスとの関係なしにこの作品を語ることはできない、作家にとっても、パーソナルな物語だと思いました。

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2020年05月29日

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今読んでもよくわからないことがたくさんあるけれど、
夢の中だし、大人の目線で読んではいけない本ですね。相変わらずアリスが色んな人と巻き込まれながら女王になろうと進んでいくんですが言葉遊びが凄いですね、ちょっと真似したくなります。普段もちょっとそういう遊びを考えたりしたくなりますね。

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2014年08月23日

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せっかくのシャレもよくわからないところが
あったりしたから、自分が読むにはまだ早いのかな…なんて思ったりしたのでもうちょっとオトナになってからまた読む。

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2014年04月28日

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ハンプティダンプティとかジャバウォッキー出てきた。
不思議の国のアリスと混同してる部分が結構あった。

ナンセンスな文章で、不思議で不気味で良かった。


しかし訳者後書き読むとちょっと複雑。
ロリコンか・・・・。

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2013年11月30日

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前作よりも論理とか言葉遊びの要素が多い。そして、よりナンセンス。
アリスと同じように、場面や人が何の前触れもなく変わったりする事に慣れてしまえば、結構世界観を楽しめる気がします。

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2013年05月31日

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不思議の国のアリスの続編。今度はアリスが鏡の国へいっちゃう。ただ、「鏡」要素があるのは冒頭だけで、中盤からはアリスがチェスの駒となって盤面をうろつく話になってしまう。同じような人物(赤のクイーン、白のクイーン)が何度も登場してくることで、不思議さよりが減った気がする。その分、クイーンをはじめとした登場人物がアリスのおもいどおりになってくれなくて、もどかしさが非常にあった。チェスの駒の運びでストーリーが進んでいるんだろうという推測は簡単につくんだけど、盤面上だとどうなっているのかは、ルールがわからないとわからないし、たのしめなかった。

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2012年09月20日

Posted by ブクログ

購入したばかりのこの本に出しっぱなしの醤油が降り注ぐ。ぐちょぐちょな手触り、そして芳醇な香り…。視覚以外の感覚にまで訴えることができる、そんな稀な小説が出来上がりました。作者の少女アリスへの並々ならぬ愛情を感じます。

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2012年06月13日

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『不思議の国のアリス』続編。今回はチェスです。相変わらず登場人物がみな個性的で面白いです。唐突で訳の分からないな展開も良い雰囲気をだしています。言葉遊びも素敵。この世界観が好きですね。

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2012年04月10日

Posted by ブクログ

不思議の国のアリスの続編、前作の半年後が舞台。今回もまた突拍子もなく話が展開していくのだが、チェスの駒の動きと、物語が連動しているという仕掛けには驚いた。

前作がトランプで今作はチェス。
前作が夏で今作は冬。

今作に漂う、どこか少し寂しい雰囲気のワケは、訳者あとがきを読むと、頷けるかもしれない。

思い出を語るように、理想を重ねるように紡がれた物語。
これは、作者ルイス・キャロルが夢に見た物語だったのかもしれない。

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2011年05月30日

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「あのときのおそろしさを」キングは続けました。「決して、決して忘れることはないだろう!」
「忘れますよ」とクイーン。「メモしておかないと。」

言葉遊びがおもしろいです。翻訳するの大変だっただろうなぁとしみじみ思います。
原書でも一度読んでみたいかも。

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2010年09月22日

Posted by ブクログ

前回同様、不思議な世界。アリスって、一体いくつの設定なんだろうと首を傾げてしまいました。おいおいおいと思われるような破天荒な行動と、奇妙なことばかり言う人々に根気強く接する姿勢と、ギャップがあって楽しいです。ユニコーンとライオンの戦いのときにパンをつまみ食いしていたり、ナイトが逆さまに落ちるのをこっそり避けているあたりはちゃっかりしてますね。

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2010年04月20日

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