椰月美智子のレビュー一覧
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みかんと、みかん色の装丁が目を引く。
紙の本の良さは、こうした装丁や装画にもある。
中学1年生の美琴は、祖母、母の3人暮らし。
美琴の両親は離婚している。
父親の話はそれだけ。
ある日、母が重大な話を持ってきた。
古民家に引っ越すのは良いとしても同級生(クラスは違うから正確な言い方ではない)の野々花家族と住むことになった野田。
世の中にはいろいろな家族があって、いろいろな親がいて。
楽しいことはそれぞれで、でも悲しいことは大体同じ。
生老病死は人生で必ず出会うもの。
老いることはゆっくりだけれど、生きることは早くって、病と死は急にやってくる。
人生に辛いことはつきもの、でも決してそれだけじ -
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ネタバレ創業おおよそ五十年の純喫茶パオーン。
その店主夫妻の孫である「ぼく」がパオーンで出会う人との交流やお客さんの様子を描いた物語。
この話の語り手である「ぼく」。語り手が小学生というのが私にとっては珍しく、新鮮でした。
(ライヤーミラー…小学五年)
「ぼく(来人)」と友人、琉生·圭一郎とのサンタ談義、ご近所さんのゆりちゃんの失恋、詐欺男と不思議なミラーの話。
オムライス、ナポリタン、ミルクセーキ、カフェオレ、ホットケーキ
(あまのじゃくだな、のっぺらぼう…中学一年)
来人と圭一郎のニキビ談義、琉生との疎遠、ゆりちゃんの新しい恋、来人の片想い相手権守(ごんのかみ)さん、ニキビ顔の牛込(うし -
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それぞれの家族に事件が起き始めるあたりから、一気に読んでしまった。
"自分(母親)の思い通りにならないときにキレる"
確かにその通り。どの母親も始めから悪魔なのではなく、体調や仕事のこと、親のこと、色んなことが重なって、さらに子どもが自分の意に反することをしたとき、キレる。悪魔が出てきてしまう。
私だってそうだ。
子どもは親の思う通りには育たない。それぞれの人格をもつ1人の人間だ。
そんなこと頭では分かっていても、余裕がなくなる瞬間は結構ある。
そこで大事になるのは夫。そして信頼できる友達や親、同僚。学校の先生。
ちょっとした理解や思いやり、会話。
色んな意味で -
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主人公の母親と子供たちはとにかく「ふつう」で、子育てに悩んだり、友人と楽しく過ごしたり、受験勉強が嫌だと文句を言ってみたりする。
筆者はあえて、主人公たちをすごくありふれた人物にすることで、戦争に巻き込まれて命からがら逃げてきた人たちが、連綿と命を紡ぎ、その子や孫たちが「ふつう」に暮らせている、という人間の強さを描きたかったんじゃないか。
「王さんの話を聞きながら、奈月はひそかにはっとしていた。バスのなかが歓声に包まれた、と聞いたときに、ようやく彼らを身近に感じることができたからだった。(中略)こうして人は、自分と他人を区別していき、大事なものをなくしていくのかもしれない。自分の目に映らない -
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働きながら、家事もして育児もして…日常を積み重ねるのって本当に過酷な長距離走だ!!!
多香実の夫に対する怒りや育児の大変さ、仕事との両立を悩むところに思わずわかる!分かるよ〜!!と強めに相槌をうってしまいました
多香実の怒りが俊介にまっったく伝わってなさそうなのもリアルだった!!
俊介は絶対なんか妻の機嫌悪いな〜くらいにしか思ってなさそう…
後半に俊介目線の短編も入ってるんだけど、男女の目線の違いがありありと描かれています…!
なるほど、こりゃ〜、一生すれ違いだわ!
決して悪い人ではないけど、俊介は人を慮るというのが出来てなさすぎる気がする…!営業なのに!
いろいろズバッと解決するような展開で