椰月美智子のレビュー一覧
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「さしすせその女たち」「あいうえおかの夫」の2篇収録
仕事と子育ての両立に悩みながらも毎日を懸命に生きる女性の話と言うのは既に出尽くしている感がありますが、家事に育児に慌ただしく動く妻の日常生活がとてもリアルに描かれています。
今は亡き私の父は仕事も子育ても家事も「分担」と言う意識がなく、手が空いている方がやれば良いと言った自然体な人で、しょうがなくと言うよりは、家族の為に無償の愛で進んでそれらをしてくれていた記憶しかない。
なので仕事が忙しいを理由に何もしない主人公の多香実の夫、秀介には自分のツレアイを見ているようで 終始イライラさせられた。
作中に登場するポジティブなさしすせそに対 -
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1人息子が家出!? 行先は富山県氷見!? 息子を追って富山まで行くことになったアラフィフ夫婦の珍道中。全7章。
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奇数章は妻のみゆき、偶数章は夫の範太郎、それぞれの視点で描かれ、物語は進行します。
夫婦観や子育て観に違いがあり、軽い冷戦状態にある2人だけに、この描き方は相手に対する不満や諦めがよくわかる構成です。
そんな倦怠期夫婦がひょんなことからともにすることになった2泊3日の富山への旅。
ぶつかりつつも、そういう喧嘩さえここ数年してこなかったことに気づくなどしながら夫婦仲が ( 少し ) 修復されるというのが主たるストーリーです。
け -
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心が苦しくなる描写がたくさんあったけれど、一気に読んでしまいました。
小学三年生で同姓同名のイシバシユウ君がいる家族の物語。それぞれの家庭によって経済状況や家庭環境はバラバラで、でもみんなどこにでもいそうな普通の家族。
みんなが子供の事を大切に思っているけれど、どの家庭でも事情はあって、どの家庭で虐待があってもおかしくない。それくらい子育ては大変だと思った。
加奈さんみたいに、虐待のニュースがあった時に、酷すぎるって親を責めるだけは誰でも出来るけれど、その背景や家庭環境も考えていかないといけないと感じた。本当にまさか自分はって思っててもどこでも起こりうることなんだって思った。だって本で読ん -
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中三の息子の突然の家出。
行き先は、小学校時代に引っ越しした友だちの家である富山県氷見市。
平日である木曜日に学校をさぼって行ったこと。
日曜日までそこにいるという…。
仕事を休んで夫婦2人で行くことになったのだが…
倦怠期真っ只中のこの夫婦。
口もきかずに過ごしていたのに、どうなるやらの2人旅。
案の定、夫は鉄道オタクで鉄軌道王国の富山にテンション上がりの浮かれまくり状態。
行く先々でも衝突が絶えない。
息子の家出の原因や夫両親の問題などもありながら物語は進むのだが、この2人の夫婦中もなんとか息子が間に入ることで収まりそうな気配である。
子育て中のこんな時期もあったなぁと思いながら富山の -
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ネタバレ3組の家族、子育てに関する小説。
母親にフォーカスしているが、私は子供に感情移入する事が多かった。
1人目
父親の豊には手をあげるなと豊に手を上げ、子供にも手をあげる母親の留美子。
2人目
父親の太一の不倫を指摘した息子の優に逆ギレする父親と、それを全く気にしない母親のあすみ。
この息子優は、障害のあるクラスメートを唆し友人にイジメを行い、問題になるがなぜか問題から目を背け宗教にハマる母親。
3人目
シングルマザーの母親の加奈が、仕事で家を空けている間にカップラーメンを食べるためお湯を沸かしたがそれをお腹にこぼしてしまい母親に電話で助けを求める息子の勇。
仕事を終え急いで帰るとお腹に火傷