椰月美智子のレビュー一覧

  • さしすせその女たち

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    「さしすせその女たち」「あいうえおかの夫」の2篇収録

    仕事と子育ての両立に悩みながらも毎日を懸命に生きる女性の話と言うのは既に出尽くしている感がありますが、家事に育児に慌ただしく動く妻の日常生活がとてもリアルに描かれています。

    今は亡き私の父は仕事も子育ても家事も「分担」と言う意識がなく、手が空いている方がやれば良いと言った自然体な人で、しょうがなくと言うよりは、家族の為に無償の愛で進んでそれらをしてくれていた記憶しかない。

    なので仕事が忙しいを理由に何もしない主人公の多香実の夫、秀介には自分のツレアイを見ているようで 終始イライラさせられた。

    作中に登場するポジティブなさしすせそに対

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    2023年02月12日
  • きときと夫婦旅

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    ネタバレ

    家出した息子を、富山まで迎えにいく道中のあれこれ。家庭内別居とも言える状態の夫婦が旅の中で少しずつ変わっていく様子がユーモラスだ。鉄オタの夫の蘊蓄も興味深く、旅行記としても楽しめる。ただ帰ってきても変わらぬ夫のダメぶりに呆れた。
    息子が立派に育って良かったです。

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    2023年02月10日
  • 明日の食卓

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    子供がいない自分でも胸が締め付けられる様な、何とも言えない思いが残った。

    夫への苛立ちや子供が親に持つ嫌悪感なんかがすごくリアルだった。

    逆に子供が居ないからこそ、自分が起こしてしまう事件なのかもっていう怖さが増してるのかも知れない。

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    2023年01月31日
  • 明日の食卓

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    もしあの兄弟のような子たちと一緒に生活をしていたら、我が子であっても我慢できるだろうか。今までいい子だと思ってた子が、暴言を吐きいい子を演じていたと言いだしたら、もう可愛いとは思えなくなりそう。子育てをしたら自分にも起こり得そうな出来事だと思った。そうはなりたくないけどなりそうで怖い。

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    2022年11月17日
  • きときと夫婦旅

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    パオーン以来。今回は不穏な空気も漂うが、清々しくほのぼの感も。そう富山の人はみんな気持ちにゆとりがあるのです。美しい山と海、毎日眺めてる為かなぁ。白エビ団子つまみに勝駒、ますいずみ…思い出すだけでヨダレ。「きときと」新鮮とは知らなかった。パンツ泥棒もなんだったのかなぁ?

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    2022年11月10日
  • きときと夫婦旅

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     1人息子が家出!? 行先は富山県氷見!? 息子を追って富山まで行くことになったアラフィフ夫婦の珍道中。全7章。

           * * * * *

     奇数章は妻のみゆき、偶数章は夫の範太郎、それぞれの視点で描かれ、物語は進行します。
     夫婦観や子育て観に違いがあり、軽い冷戦状態にある2人だけに、この描き方は相手に対する不満や諦めがよくわかる構成です。

     そんな倦怠期夫婦がひょんなことからともにすることになった2泊3日の富山への旅。
     ぶつかりつつも、そういう喧嘩さえここ数年してこなかったことに気づくなどしながら夫婦仲が ( 少し ) 修復されるというのが主たるストーリーです。

     け

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    2022年11月06日
  • 明日の食卓

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    終始、苦しかった。それぞれの母親におきる出来事や境遇が、怖さ、怒り、悲しみなどの色んな感情が、読んでいる間ずっとあった。
    苦しくなりながらも、どうなっていくのかが気になり最後まで一気に読めた。自分も子どもがいて子育て真っ最中なので、共感する部分もあった。子供を育てるって怖いって思ってしまった。

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    2022年10月02日
  • きときと夫婦旅

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    みゆきはともかく、夫の範太郎、最後まで好きになれない。イライラする。うちの夫と重なる部分があるからかな。
    息子の昴は、しっかり成長しているようで、その点はホッとする。

    話の筋はともかく、出てくる富山の名所にはそそられた。
    岩瀬浜、環水公園のスタバ、池田屋安兵衛商店、富山市ガラス美術館、一万三千尺物語、ヒスイ海岸、ひみ番屋街、潮風ギャラリー、光禅寺、珈琲駅ブルートレイン・・・

    先日読んだ絲山秋子さんの「まっとうな人生」の舞台も富山で気持ちが動いたが、ぜひぜひ富山に行ってみたくなった。

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    2022年10月02日
  • どんまいっ!

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    サクサク読めた。
    安定の椰月美智子さん。
    表紙のイラスト自体は悪くないと思うけど、本と合っていないのでは。

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    2022年10月01日
  • 明日の食卓

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    心が苦しくなる描写がたくさんあったけれど、一気に読んでしまいました。

    小学三年生で同姓同名のイシバシユウ君がいる家族の物語。それぞれの家庭によって経済状況や家庭環境はバラバラで、でもみんなどこにでもいそうな普通の家族。
    みんなが子供の事を大切に思っているけれど、どの家庭でも事情はあって、どの家庭で虐待があってもおかしくない。それくらい子育ては大変だと思った。

    加奈さんみたいに、虐待のニュースがあった時に、酷すぎるって親を責めるだけは誰でも出来るけれど、その背景や家庭環境も考えていかないといけないと感じた。本当にまさか自分はって思っててもどこでも起こりうることなんだって思った。だって本で読ん

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    2022年09月30日
  • きときと夫婦旅

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    安納みゆき、中高一貫校に通う息子が行方不明。富山の友人宅にいることが分かった。富山に行く。長年会話してない鉄オタの夫範太郎が一緒に行くと言い出した・・・

    険悪な仲になっている夫婦が珍道中を経て、良好になってゆくのかを読むという意味ではサスペンス。息子の成長を読むという意味では冒険小説。

    面白いというより、自らを省みる小説だった。

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    2022年09月20日
  • 明日の食卓

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    ハラハラしながら夢中で読んだ
    どの親にもどの子にもどの関係者にもなりうる可能性があり
    どの立場にも立てる

    上野千鶴子さんの解説が沁みた

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    2022年09月02日
  • きときと夫婦旅

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    中三の息子の突然の家出。
    行き先は、小学校時代に引っ越しした友だちの家である富山県氷見市。
    平日である木曜日に学校をさぼって行ったこと。
    日曜日までそこにいるという…。
    仕事を休んで夫婦2人で行くことになったのだが…
    倦怠期真っ只中のこの夫婦。
    口もきかずに過ごしていたのに、どうなるやらの2人旅。
    案の定、夫は鉄道オタクで鉄軌道王国の富山にテンション上がりの浮かれまくり状態。
    行く先々でも衝突が絶えない。

    息子の家出の原因や夫両親の問題などもありながら物語は進むのだが、この2人の夫婦中もなんとか息子が間に入ることで収まりそうな気配である。

    子育て中のこんな時期もあったなぁと思いながら富山の

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    2022年08月30日
  • 十二歳

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    椰月美智子のデビュー作、小学6年生のもやもやした気持ちを瑞々しい文章で綴った珠玉の小品。何だか分からないけど涙が止まらない少女の気持ちを丁寧に描いていて、大人になって「忘れてしまっているだろう?」と問われている気がした。

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    2022年08月24日
  • 体育座りで、空を見上げて

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    中学生活、懐かしいなーと思いながら読んでた。中学校はほぼ毎日あった部活や初めての上下関係、小学校よりも規模の大きい行事が沢山あって大変だったけどクラスのみんなと過ごす毎日が本当に楽しかったな、

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    2022年08月23日
  • 坂道の向こう

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    小田原市を舞台にした男女4人の群像劇。懐かしさもあるが、朝子と卓也の心情に感情移入しまくり(切ない)、正人のターンでホロリと涙する。介護現場あるあるもリアルで興味深い(ちょっと修正が必要な箇所もなくはないが...)。この文体は安定感が抜群です!

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    2022年07月14日
  • 見た目レシピいかがですか?

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     ここ数年でよく耳にするようになったパーソナル診断。私は10年以上前から気になっているのに、未だに受けたことがない。本書はベーシックなイエベ・ブルベから4つの季節タイプのカラーコンサルと髪型の診断、お買い物に同行するサービス等を提供する繭子とその顧客たちの連作短編集。内容からキラキラ系に傾くのは必至だが、全体的に綺麗にまとまらないように気を配って書かれた印象。1作目の主人公・純代のように、キラキラにあてられる読者が少なくなるよう配慮されているせいか、美波以外は共感できなかった。終わり方もひねってある。

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    2022年06月21日
  • 明日の食卓

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    ネタバレ

    3組の家族、子育てに関する小説。
    母親にフォーカスしているが、私は子供に感情移入する事が多かった。

    1人目
    父親の豊には手をあげるなと豊に手を上げ、子供にも手をあげる母親の留美子。

    2人目
    父親の太一の不倫を指摘した息子の優に逆ギレする父親と、それを全く気にしない母親のあすみ。
    この息子優は、障害のあるクラスメートを唆し友人にイジメを行い、問題になるがなぜか問題から目を背け宗教にハマる母親。

    3人目
    シングルマザーの母親の加奈が、仕事で家を空けている間にカップラーメンを食べるためお湯を沸かしたがそれをお腹にこぼしてしまい母親に電話で助けを求める息子の勇。
    仕事を終え急いで帰るとお腹に火傷

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    2022年05月27日
  • 明日の食卓

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    3人の小学3年生イシバシユウくんと、その家族の話。

    冒頭に虐待のシーンがあり、それはどのユウくんでどのお母さんなのかとモヤモヤしつつ読み進めていく。

    どのお母さんも必死で一生懸命生き、子育てをしている。
    子育てをしていると、一生懸命になりすぎてどうしても余裕がなくなりがち。
    それを指摘されることもイライラしてしまう。

    誰もがなりうる可能性を持っていて
    誰が悪いわけでもない。
    とてもリアルで、面白いと言っていいのかわからないけれど引き込まれて一気読み。

    子を持つ全ての人に、読んでほしい。

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    2022年05月17日
  • つながりの蔵

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    『消えてなくなっても』とはまた少し趣を変えたプチファンタジー。遼子、美音、四葉の日常の遣り取りから、どこか懐かしい場所に連れて行ってもらったような読後感。御詠歌「地蔵和賛」からの後半の流れで、一気にもっていかれました! ラストも好みでした。

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    2022年04月10日