あらすじ
小6の拓人、忍、宇太佳はスケボーが大好きな仲良し三人組。新たに見つけた格好のスケボー練習場所で出会ったのが神社の管理人、田中さんだ。その日から、11歳と85歳の交流が始まった。いつも穏やかに話を聞いてくれる「マジで菩薩レベル」の優しい田中さん。だが田中さんは拓人たちと同じ11歳の頃、家族も家も失っていた。それを知った三人組は、ある行動を起こす――。第69回小学館児童出版文化賞受賞作。
解説・森絵都
感情タグBEST3
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しらけチームだった3人が変わるー昔は自分たちと同い年だった田中さんとの友情によって。私も学校ではしらけチームに属していて算数の答えは分かっていても手はあげないタイプでした。この本の主人公拓人は自らを積極的に変えていった。田中さんによって変わることが出来たの方が正しいでしょうか。田中さんの人柄の良さに惚れ込んで田中さんのために積極的に田中さんのために何かを行おうとします。田中さんは小さなことでも『ありがとう』と言います。私も田中さんを見習って、日々感謝の気持ちを忘れずに生きていこうと思いました。
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11歳と85 歳の友情って
どんな友情を育むのかな?と
思いながら読み出した。
途中何度も目頭が熱くなった。
相手を想う、
相手の過去や未来に自分を重ね
知らずと育まれていく友情。
温かい気持ちになれた一冊。
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一人の老人 も70余年も遡ると思春期の少年になる、当たり前の事なのに改めて確認してしまった。
内容は想像通りの少年と老人の心の交流、そして戦争のはなしをして…という流れ。予想通りだったにも関わらず、なぜどうしてこんなにも涙が出るのかと言う程泣けてしまった。
小学生に戦争の話をそこまで〜とも思うけれど、侮るなかれ、小学生は大人が思うほど物知らずではなく、考え無しでもない。
子どもが自分で考え事をなしまとめ上げる、素晴らしい講演会を聴かせていただきました。ありがとう。
テレビドラマになったと読後、知った。
是非見てみたかった。
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すごく良い話だった。
11歳の"おれ"こと拓人と、友だちの忍、宇太佳の3人はスケボーが大好き。ある日神社の前でスケボーの練習をしていると、管理人さんである田中さんに出会う。スケボーをやってみて怪我をした田中さんの為にお手伝いをしに行くこととなる拓人たち。そんななか、田中さんが11歳のときに戦災で家族も家も失ったことを知る。
すごく優しい田中さんと11歳の男の子3人との友情。田中さんのことを慕い、他のみんなにも田中さんの人生を知ってもらいたいと思う拓人たち3人の一生懸命さがとても素敵だと感じた。
自分たちの街に爆弾が落とされたこと、その犠牲者が24人だったと初めて知ったときに拓人たち3人が咄嗟に「意外と少ないな」と感じてしまったこと、その後犠牲者のなかに田中さんの母と妹が含まれていたことを知り、被害を身近に感じるシーンが胸に迫る。
…二十三人という人数が、妙にリアルに迫ってくる。二組のクラスは二十四人だ。たった一人を残して、みんな死んでしまったということだ。
「そのとき、わたしは十一歳だった」
おれたちは、また三人で顔を見合わせた。自分たちと同じ年だ。心臓がどくどくと音を立てる。
(p.73)
田中さんの話をみんなに知ってもらいたいと動く拓人たち3人の姿も良いが、六年二組の他のクラスメイトたちも田中さんに取材したり、戦争について調べたりと一生懸命になるところが良いなと思った。最初の話し合いで、「人がたくさん死んだ戦争の話なんて聞きたくない。そんな怖い話をわざわざ聞きたくない。悲しい気分になるし」「戦争は昔のことで、今のわたしたちとは関係ない」と言いはる女児の存在も戦争に関して人々がもっているひとつの考え方としてリアルだなと感じた。
田中さんと拓人たちの絆にグッとくる小説だった。
最後の森絵都さんの解説のなかの一節も考えさせられた。
…過酷な人生を生きてきながらも、毎日にこにこと笑顔をたやさない田中さん。チョコバナナ一つにも輝くそのみずみずしい好奇心や、今ある世界を尊ぶ菩薩ぶりは、私たちにとても大事なことを教えてくれる。過去に悲しいことがあったからといって、今も悲しく生きる必要はないと。 (p.193)
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コンパル色から直ぐに田中さんを手に取れて非常に幸運な、というか購入済でしたが。また違った感性の3人が過ごす大切な小6のでした。普段行く事ない神社とか桜が咲く事も知らない位だったので、戦争体験したのが3人と同じ歳だった事と不思議な縁です。仏様と例えていましたが本当にいい人だったのだろう、3人が小学校生徒たちに田中さんを会わせたいの願い本音だけだったので。学ぶ事多かっただろう、こちらが思っても現代では難しいから、この難しいも意味がわからないけど。田中さんは怖かったと思うよと兄の言葉になるほどと思います。
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王道の児童文学だが、アラサーが読んでもすごく面白い。特に拓人たちが初めて田中さん家に訪問した場面は、声に出して笑った。
『思考停止』に陥る怖さ、これを少しでも子どもたちに伝えたい。自分で考えるきっかけになる一冊ではないかと思う。
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小学6年生の拓人たち3人と神社の管理人をしている85歳 田中さんとの友情、子どもの成長を描いた作品。
ひょんなことから田中さんと関わることになった子どもたち。いままで意識したことのない神社のこと、田中さんのことを知っていく。
管理人としてひっそりと暮らす田中さんにもたらされた子どもたちとの賑やかで和やかな交流。
優しくニコニコ子どもの話に耳を傾ける田中さんと、その日あったことを田中さんに話して聞かせる子どもたち。その光景がとても微笑ましくて優しいほんわかした気持ちになります。
それにしても子どもってすごい勢いで成長していくなぁ。やっぱり経験て大事。
我が子の成長を感じて母親がニマニマする気持ちがわかる。
田中さんが好きな食べ物について話すシーンでは私まで胸がいっぱいになりました。
椰月さんの作品は鋭い切り口のものもあれば、本作のようにじわりと沁みるものもあり幅広くておもしろい。
気になる作家さんの一人です。
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本屋さんで一目惚れして購入。大正解。
田中さんが三人組のためにおやつを買うとき、
お祭りの中イスに座り、時を待っているとき、
はじめてチョコバナナをもらって食べたとき、
情景や田中さんの気持ちを想像して
ひとつひとつに胸がきゅうっとなった。
お兄さんの「田中さんは期待してしまうことが怖いのかもしれない」が切ない。
ただきっと田中さんは今までもこれからも、ずっと子供たちの成長と幸せを願ってるんだろうな。
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思いがけず始まった85歳の田中さんと小6の3人の少年達との交流。田中さんは穏やかで優しくてどんどん好きになっていく。
そんな田中さんの人生を戦争体験を知ってほしいと講演会を企画する。
かつて少年達と同じ年齢だった田中さんの人生に思いを馳せ、お互い人生の彩りとなる様な素敵な友情に心温まる。チョコバナナのくだりではホロリとした。
最後の方でお兄ちゃんが言った田中さんの期待してしまわないようにする気持ち分かるなぁ。
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11歳と85歳の交流。
それを友情、とよぶなんていいじゃないかぁ!
田中さんとの交流を通して、子供たちが、相手のことを思いやったり、考えたりする姿が頼もしく感じられた。
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映画「幸せなひとりぼっち」のような堅物おじいさんと男の子の話かなーなんて思ってたら真逆でした
とっっっても優しくて器の大きいおじいさんと
スケボーする場所がなくて困っている小学生男児
おじいさんの怪我をきっかけに生活のお手伝いをすることに
一言でいうとほっこり系
戦争も孤独も経験した老人が捻くれたりせず、こんなに優しいのが逆に不思議!
こんな歳の取り方をしたいもんだ
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昔は俺と同い年だった田中さんとの友情
小学六年生と85歳のおじいさんとの交流の中で
少しずつ変わっていく少年たちの気持ちや考え方。
少年と田中さんとのやりとりにほっこりしたり
戦争の話に深く考えさせられたり。
戦争について語り続けることの大切さも感じさせてくれた一冊。
夫のお母さんのオススメで読んだのがきっかけ。
読み終わってから、これが児童文学だと知った。
確かにサクサクと読めた。
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多分、今の小学生には体験の出来ないこと。
さらりと、戦争の悲惨さ、それを踏まえ生きてきた田中さん。生きてきた時間を悲観せず仏のような田中さんと、少年たちが描かれている。だからこそあってはならないこととして戦争が語られる物語。
この少年たちにもこれから生きていく糧となるだろう。
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〈 拓人はスケボーするのが大好きな小学6年の男子。ところが、いつも遊んでいた公園がスケボー禁止に! あきらめきれない拓人は、スケボーができるとっておきの場所を見つけ、一人のおじいさんと出会うことに……。〉
児童文学としてすごくいい作品だなあ
現代の小学六年生の男の子の楽しさやしんどさが……
そして85歳の田中さんとの出会い
戦争ですべてを失った田中さん
あまりにも孤独な人生
そのとき拓人と同い年だった
NHKでドラマ化されたんですね
8月31日再放送があるとか
見てみようかな
≪ あのときは こどもだったよ 青い空 ≫