椰月美智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
穏やかに過ぎてゆく夏休みの日々がとてもうつくしくて、眩しくて、愛しくて、だというのに少し切ないと感じた自分に、もう子どもじゃなくなったんだなあと思った。変化や成長がさみしいなんて、贅沢だよね。おとなになっても空き地で草野球をして、誰かの家でお泊りをして、手持ち花火でばか騒ぎして…なんて出来っこないのに、どうしてかそのことが無性に悲しくなった。でもそれはきっと、そのときにしかできなかったことだから、こんなふうに尊く感じるんだろうな。この本を読んでいると、子どものころの記憶がすごくリアルに蘇って、あのころは楽しかったなあって思いながら、自分がおとなになっちゃったことのさみしさも感じる。小学生のころ
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Posted by ブクログ
小学校5年で運動も勉強もダメな枝田光輝。引っ込み思案も手伝って友達もいなかったのだが、後ろの席になった押野がちょっかいを出してきたところから野球友達ができ始めた。夏休み直前、母親の転職に伴い引っ越しの危機に。しかし、小学校で初めてできた友達を失いたくなかった光輝は、母と離れて母方のおじいさんの家に住むことになった。
小学校5年の夏休みを中心に、おじいさんと2人で過ごすスローライフと友達との交流を描いたゆったりした日常系の作品。
一冊前の瀬尾まいこもだが、丁寧だが一文一文がみじかめのわかりやすい文章で児童文学の印象。「〇〇した」「〇〇した」と細かく同じ語尾で続くので、ちょっとくどいと思う人も -
Posted by ブクログ
凄惨な子供への虐待シーンから始まる物語に、
お腹の底がひんやり冷たくなりました···
登場するのは男のコを持つ母親たち。
同じく息子を持つ私は、私が彼女たちの立場だったらどうするのか···と考えながら読みました。
お腹のなかで十月十日、我が子を育んで、
命懸けで出産を果たし、
愛しくてたまらない存在なのに。
憎悪の対象となるのは、なぜ。
母親からしたら、
子供は自分の一部または分身だと思いやすいのかな。
だって、私のお腹から生まれてきたんだもの。
私の思うように育ってくれるよねー♪
···と思ったら
全っっっ然、思い通りにならないんですけどー?!
というのが実際のところ。
身体は親