L・M・モンゴメリのレビュー一覧
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NHKでやっているドラマの「アンという名の少女」がとても面白かったので原作を読みたくなった。
小さい村社会の中での人間関係、孤児としての生きづらさ、家族のために結婚を諦めた過去など重たいテーマを描きながらも、アンのどこまでも飛んでいく想像力とじっとしていられない行動力によって物語に明るさと躍動感が生まれている。
そんな鉄砲玉みたいなアンに対して、マニラが(おそらく真顔で)ちょいちょいユーモアのある返しをしているところも良い。
マシューの話し言葉は小説でもドラマでも「そうさな」「わしは〜だと思うがな」って感じで訳されているけど、英語では一体どんな表現だったのか気になる笑
ドラマだけでは分から -
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ネタバレマシュウが亡くなって、目が悪いマリラを残して大学に進学することは出来ないと、アンがアヴォンリーで教師をすることを選択して終わった『赤毛のアン』。その続編です。
教育者として理想にもえるアン。
アンの指導は子ども達に良い影響を与えたようです。特にアンが天才だと思う転入生のポール。ポールとアンは想像力の使い方が似ているので通じ合うのも当然で、ポールにとっては自分を肯定してくれるアンのような教師に出会えて幸運だったと思います。
でもアンの理想とする教育法が通じない相手もいました。アンソニー・パイです。
ある日体調も悪くイライラしていたアンは、アンソニーに鞭を使ってしまいます。それによってアンソニー -
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ネタバレ孤児院にいたアン・シャーリーは、女の子がほしいという家に引き取られる。でも、それは男の子の間違いだった。元気なアンのドキドキする毎日が始まる…。
アンがグリーン・ゲイブルスに来てからの生活はすごいものです。男の子を引き取るつもりが、結局女の子を引き取る事を決心したクスバート兄妹と一緒に暮らすようになった後は、ダイアナという素晴らしい友達ができたり、教室で騒動を起こしたり…。それでも美しく成長するアンの姿は、とても素晴らしいと思いました。
「10歳までに読みたい名作」というシリーズですが、すっかり大人になってしまった私がこのようなシリーズに興味を持つなんて大人げないような気がします。
でも、挿絵 -
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赤毛のアンシリーズも早くも4冊目。前作でアンとギルバートの気持ちが通じあったところで終わりました。本作はアンとギルバートの婚約時代の3年間を書いています。
と言っても、お互い離れて暮らす3年間なのでギルバートは殆ど出てきません。
この本はどうも事情で書いた順番があべこべらしくて、5冊目が書かれた後、二人の婚約時代を読みたいという声を受けて書いた作品だそうです。
道理でいきなり電話が登場したりするはずです。書かれた時期が20年程後なので、その間に普及したんでしょうね。
本作はアンが色々な人の人生に手を貸して、道を示していくという方向性なので、評価が分かれるかもしれませんが、登場人物が前2作より魅 -
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ネタバレアンシリーズの中で、最初の「赤毛のアン」を
のぞいて特に好きな巻である。
理由はいくつかあるのだが、まず書簡形式のものが
基本的に好きということがある。
アンの手紙は長すぎるきらいがあるものの、
非常に魅力的だ。
SNSもメールも電話すら日常的では無い時代の話だから、
その中であのような手紙を受け取る
(しかもラブレターでもあるのだ)
その喜びはいかようであろうかと想像するだけで
胸がときめくのである。
それから、モンゴメリの見事な人物描写で描かれる
新たな面白い人物がたくさん登場するのだが、
なんらかの理由で本来の自分を抑え込んで
鬱屈した生活を送っている人物が多いことが特徴的だ。
もし私 -
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たいへん有名な児童文学を、21になって初めて読む。「なんだこのとめどない妄想癖は……」とドン引きしていたのだけど、次第にその振り幅の大きさに惹きつけられていったり。この物語で一番可愛いのはマリラおばさんだけどな! おばさんの笑顔が少しずつ増えていくのが嬉しくてしょうがない。
大きくない島の、大きくない村の大きくない学校と家という大きくない世界がこの世のすべてだと思っている、子供の無垢な愚かしさも生き生きと描かれていて、子供或いは子供時代への慈しみを感じる。けれどマリラをはじめとするおばさんたちも魅力的でかわいい。人間愛ってやつなのかな。 -
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去年、掛川恭子訳のものを読んだので今年は翻訳者の異なるものを読んでみました。子供の頃は、アンのおしゃべりに圧倒されて最後まで読めなかったのに、2年続けて読めるなんて奇跡です(笑) 去年、プリンスエドワード島に行ったので、その時のことを思い出しながら読めて、前回よりも楽しめた気がします。まぁ、行ったのが9月なのでリンゴの花も紅葉も見れなかったけど(苦笑) 個人的には、友達になるならアンよりジュディ(あしながおじさん)を選びますが、アンも悪くないかも…っと思ってきているところです(爆) 訳が読みづらい部分がありましたが、これはこれで面白かったです。
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ネタバレアンに比べると現実的、エミリーと比べると裕福だけれども、祖母の元で萎縮していたジェーンが、プリンス・エドワード島の自然と、闊達で頭のいい父親との生活で(おそらく本来の)精神と身体の魅力を開花させて行く一種のサクセス・ストーリー。
微妙にジェーンの母で、祖母の溺愛する娘であるところの美しいロビンが、ジェーンと比較してあまりにも短絡かつ無責任なのは、甘やかされたお金持ちのお嬢さんという設定上のことなのか、意図されたことなのか。自分を愛しているお母さまを二度と裏切ることはできないときっぱり言っておいてきっちり裏切っているのがなんとなく消化不良……。