L・M・モンゴメリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレいきなりのネタバレで申し訳ないのだけれど、巻末の「アンが主人公として最後の長編小説」っている? 8巻あるうちの第6巻目なのに著者生前最後の小説ってのも疑問? いったいどういう並びなんだろう? 当時は順番とか気にしてなかったってこと? この巻がモンゴメリ最晩年に書かれたことってだけはわかった。
だって読みにくいもん! 堅いわ。そして『アンの夢の家』のなんと尊きことか。ある意味ではこの巻と表裏の関係とも言えるか。まぁギルバートのオバサンにやられたわ。執拗すぎて読むのやめたくなったもんな。あと子供たちの受難。そしてアンのなんちゃって倦怠期も取ってつけたようでなんか中途半端。なるほどこれを最終巻にしちゃうと後味が悪いってこともあるんかな。
-
Posted by ブクログ
ギルバート宛の書簡形式、素敵だった~~~♡
透明感溢れるアンの人柄、心のうちが自然と浮かび上がってくる
こんな手紙を受け取るギルバート、本当にアンのことが愛おしく感じるだろうな
挿絵を見て、大人になったアンが当たり前にパフスリーブの服を着ていることに感動した
最初の一年目、11、三伸、で急にきたギルへの愛!!
急じゃないんだけどアンはずっとギルバートを愛しているんだけど、唐突な気がしてギュンときた
第二年目のクリスマス休暇に、アンは駅からグリン・ゲイブルスまでのドライブがいつも楽しみで、
“はじめて、ブライトリバーからマシュウといっしょに馬車を走らせてきたときのことが、かならず思い出されました。”
泣いた;;
そして「歓喜の白路」!!!グリン・ゲイブルスはずっと変わらないね
クリスマス休暇のグリン・ゲイブルス、スノーシューを履いた雪夜の散歩が美しい!!
キャサリン・ブルックとの会話、本当に全てを忘れないようにしたいと思った
アンの崇拝者、美しく可愛らしいヘイゼルとのなんやかんや
“アン・シャーリー、おまえは、文学士かしれないが、まだ学ばなければならないことが、いくつかある。(中略)おだてられて―有頂天になったことを―うかされたことを―みとめなさい。崇拝されるのはいい気持ちだと思ったことをみとめなさい。”
自分を省みるアンのこの言葉。
サマーサイドで過ごすアンが、夏やクリスマスの休暇にグリン・ゲイブルスへ帰省するときの、グリン・ゲイブルスへの道中や家の周辺全ての美しさが改めて繰り返される
〈あす〉と〈きのう〉
かわいい小さなエリザベス
ラストのレベッカ・デューの手紙;;泣きました;; -
Posted by ブクログ
前作のラベンダーさんたちの結婚式直後のアンとダイアナの会話からはじまる
レドモンドで大学生活を満喫するアン
故郷の素晴らしさ、故郷への想いが際立つ
婚約・結婚を意識した十代後半のアン
質素ながらも華やかで麗しい姿がたくさん
第一章 変化のきざし
第二章 秋の飾り
第三章 出発
プリシラ・グラントとの再会
第四章 四月の淑女
フィリップ・ゴードンとの出会い!
第五章 故郷からのたより
グリン・ゲイブルスを懐かしく感じるアンの気持ち
マリラの手紙から受け取る愛情やリンド夫人の“らしさ”満載の手紙が懐かしさ倍増させる
第六章 公園で
ふたりの“P”!!フィリパの頭文字も“P”!!
第七章 帰省
第八章 はじめての結婚の申しこみ
第九章 ふゆかいな求婚者とうれしい友だち
美しく成長したアンを“宵の明星のように魅惑的な”
と。いい訳。いい表現。
第十章 パティの家
第十一章 人生のうつりかわり
第十二章 『アビリルのあがない』
第十三章 不真実な者たちの道
第十四章 去りゆく友
第十五章 夢のゆくえ
第十六章 パティの家の住人
第十七章 デイビーの手紙
第十八章 ミス・ジョセフィンの遺言
第十九章 幕あい
本当に美しくて愉快な新しい友人フィリパ♡
第二十章 ギルバート、口を開く
はじめての、きちんとした、ギルバートからのプロポーズ、、、ギルバートの一途さが愛おしい
第二十一章 きのうのばら
“これからは、もう、あたし、孤児ではないわ。”
アンを愛おしく思う全ての人が心温まるところ
第二十二章 アン、グリン・ゲイブルスへ帰る
第二十三章 山彦荘の人々
第二十四章 ジョナス登場
「おわりにeのついた親愛なるアンへ」から始まるフィリパからの手紙
フィリパのような天真爛漫な(←)少女が惹かれたのが、ジョナスのような誠実で神聖さをもつジョナスだなんて。素敵。
第二十五章 うるわしの王子登場
ロイ、完全なる王子様
少女漫画のような展開、、というより全世界の少女漫画が踏襲してきた出会い・展開がここにあるのね
第二十六章 クリスチン登場
大学に通う数年間、色恋が盛り上がると同時に少女たちの美しさが際立つ。着飾って参加するパーティ素敵
第二十七章 うちあけ話
第二十八章 六月のたそがれ
第二十九章 ダイアナの結婚式
第三十章 スキナー夫人のロマンス
第三十一章 アンからフィリパへ
第三十二章 ダグラス夫人のお茶
第三十三章 かよいつづけた二十年
第三十四章 ジョン・ダグラス、ついに語る
第三十五章 レドモンドの最後の年
第三十六章 ガードナー夫人とその娘たち
第三十七章 学士たち
第三十八章 偽装した愛情
第三十九章 結婚式さまざま
第四十章 「黙示録」
第四十一章 真実の愛
“けれども、愛のばらにくらべれば、友情の花は色も香りもないにひとしいものでした。”
アンは「愛」と「仕事」と「野心」で構成されている
“小学校で、きみが石盤をぼくの頭にたたきつけて割ったあの日からね。”
あとがきより
《友だちの結婚や出産、幼なじみの死、思わぬひとからのプロポーズや、思い描いていた「うるわしの王子」との出会い。そして、亡くなった両親に愛されていた「自分」の発見、グリン・ゲイブルスで待ってくれている「家族」の存在――様々なできごとや人々との関わりを通して、アンは、大人への女性へと成長していきます。》 -
Posted by ブクログ
松本侑子訳アンシリーズ第5巻。
原題『Anne’s House of Dreams』。1917年の作品。
アンとギルバートの新婚時代。
※
訳者の松本侑子さんがアニメ『アン・シャーリー』に「アンはピンクの服は着ない。私に監修させて」とコメントしてちょっと話題になりましたね。
気持ちはわからなくもないですが、新しいものを作ろうとしている人たちをあまり困らせなくてもと思います。ちなみに私は絶賛されている高畑勲版も「私のイメージしているアンじゃない」と思ってます。みんなそれぞれ心にアンがいるのよ。
今回も100ページを超える注釈と解説がついていて圧巻です。
最大の功績は、今回の舞台フォー・ウィンズが現在のニュー・ロンドン湾がモデルだと解明していることでしょう。
モンゴメリは自分の両親が新婚時代を過ごした土地を、アンとギルバートの新婚の地にしているわけですね。これは胸熱。
巻頭に地図とケイプ・トライオン灯台、セント・ローレンス湾、砂州などの写真が掲載。
これによって初めて「フォー・ウィンズに長く伸びる砂州」の風景が具体的にイメージできました。
「内海」という訳には最後まで慣れませんでしたが、夢の家が町の中心からは馬車でぐるっと回るか、小船で渡るしかない人里離れた場所にあることがわかります。
レスリー・ムーアはアンシリーズのなかでも屈指の悲劇的美女でドラマチックな展開も大好きだったんですが、今回あらためて松本侑子訳で読んでみると、全体的にはすごく寂しさが漂います。
それは夢の家が人里離れた場所にあり、遠くまで出歩くことのできないアンと交流するのが、ジム船長、ミス・コーネリア、レスリーと限られた隣人だけであること、灯台と海が見える景色は美しいけれど孤独であること、全体を通して生と死が描かれていることがあるかと思います。
この物語で「フォー・ウィンズ湾に長く伸びる砂州」はあの世とこの世の境で、新しい生命は砂州を越えてやってきて、魂は砂州を越えて海の向こうへ帰っていくんですね。
フォー・ウィンズの風景描写は特に詩的で、子供の頃の私がこれを適当に読み飛ばした可能性はありますが、村岡花子訳で読んでいたときとはだいぶ夢の家のイメージが変わりました。
(82ページ)
荘厳にして穏やかな静けさが、あたりの陸と海と空に広がっていた。頭上には、銀色にきらりと光る鴎が高く飛んでいた。水平線には、レースにも似た儚い桃色の雲が浮かんでいた。静まりかえった大気には、風と波という吟遊詩人の囁きのくり返し(リフレーン)が糸のように織りこまれていた。内海の手前には秋模様のまき場にもやがかかり、薄紫のアスターの花々が風に揺れていた。
甘さよりも人生の辛さが感じられるアンとギルバートの新婚時代ですが、ギルバートが「アンお嬢さん」と呼んでいるのが新婚っぽいです。
英語でなんて言っているのか確認したら「Anne-girl」なんですね。
全文を確認したわけではないですが、村岡花子訳『アンの夢の家』ではこの呼び方は訳されていません。
『炉辺荘のアン』で母となり、もう若くないアンがジェラシーを抱いた時、ギルバートが再び「アンお嬢さん」と呼ぶんですが、これはギルバートにとってアンは新婚時代からずっと変わらないよという意味だったんですね!
「きみは、ぼくと一緒に、ちゃんとここにいてもらうよ、アンお嬢さん」
以下、引用。
21
「アンには、木綿糸で編んだベットカバーを贈りますよ」夫人はふたたび話し始めた。「煙草縞のと林檎の葉模様のと。アンが言うには、あれがまたたいそう流行ってるそうな。まあ、流行だろうがなかろうが、きれいな林檎の葉模様のベットカバーをかけた客用寝室ほど立派なものはありませんからね、まったくのところ。あれをさらして、白くしとかなくちゃね。トーマスが死んでから、木綿の袋に入れて口を縫っといたもんだから、きっとひどい色になっているよ。だけどまだひと月もあるから、夜露にあてると見違えるほどきれいになるよ」
36
「あたしがうちの人に、『トム、ミス・シャーリーのお式に行ってもいいですか? どのみち行くつもりだけども、あんたに承諾してもらいたいんで』って言いましたら、うちの人が言うことには、『おまえの気にいるようにおし、シャーロッタ、そうすりゃ、おれも気に入るからな』と、こうですよ。こうした亭主こそ、持って気持ちのいいものですね、シャーリーお嬢様」
38
「マリアもわたくしも結婚したことはございませんが、ほかの方々がなさることに異論はございません。」
82
「きみは、ぼくと一緒に、ちゃんとここにいてもらうよ、アンお嬢さん」
94
「あの牧師の奥さんは、服が派手だと考える者もおりますが、あたしに言わせりゃ、あんな墓石みたいな顔と暮らすんですから、気の晴れるものが要りますよ。」
131
「あたしは女同士は助けあうべしという考えです。男どもに耐えなきゃなりませんからね。」
155
「暗闇は、わしらの近くにあるときは友だちですわい。ところが遠ざけると……ランタンの火をつけて、暗闇と縁を切ると……敵になるんですわい。」
163
「だがな、コーネリア、おまえさんも知っての通り、男心をつかむには胃袋からと言いますぞ」ジム船長が説いた。
「そうですよ……男に心があればの話ですけど」ミス・コーネリアはやり返した。
165
「あれの兄さんのエレファレットは、悪魔がいつも自分のそばにいるって妄想してたんです……でも悪魔があんな男のためにわざわざ時間を無駄にするとは、あたしはとても思えませんよ」
169
「そのうち男たちは、自分たちじゃどうしようもないほど世界を滅茶苦茶にしてしまったと気づいて、女にも喜んで投票権を与えて、厄介事を押しつけますよ。」
181
一同は暖炉をかこみ、旧い年の最後の一時間を静かにすごした。十二時まであと数分となると、ジム船長は立ちあがり、扉を開けた。
「新年を、なかに招き入れねばなりません」
195
「小さな皺の寄った茶色の種を見て、このなかに虹みたいに色んな色が入っていると思うと、いつも不思議を感じるですて」ジム船長が言った。「種についてよく考えてみると、わしらにはあの世でも生きていく魂があると信じるのも、難しくはないです。種の奇跡を見たことがなければ、こんなにちっぽけな、埃の粒ほどのなかに、色や匂いはもとより、命まで入ってるとは信じられぬことでしょう」
222
「ほかの女の人が幸せだというだけで憎らしく思うなんて……他人が幸せだからといって、自分が何かを奪われるわけでもないのに!」
283
「気がふさぐ時は死亡記事をお読みなさい、アンや……とくに知ってる人のをね。ユーモアのセンスが少しでもあれば気が晴れますから、ほんとですよ。」
336
「マリラ、若い紳士が到着しました。あなたにお報せするよう、アンに頼まれたんです。大した荷物は持っていませんが、どうやら長居をするようです」
377
「花嫁は亡くなってもう三十年になりますが、今でも夏が来るたびに、その花たちが咲くのです。」
423
心霊研究 psychical research は、現在はオカルト的な領域とされるが、十九世紀半ばから二十世紀前半にかけては学問として研究され、トランス状態の霊媒によって、死者の魂と交流して死後の世界を明らかにしようと試みられた。
426
お針の会 thimble party 「指貫の集まり」。女性が集まり縫い物をしながら語らう。
-
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第4作( ´˘` )
大学を卒業したアンは高校の校長先生に!
時代なのかもしれないけど若くして校長先生になることにびっくりした( ・.・ )
でも結構ひねくれてる人がいっぱい出てきてしんどかった(笑)そんな人々もアンには敵わない。アンみたく想像力にあふれていたら人生は楽しいことでいっぱいかもしれないなぁ(*ˊ˘ˋ*)
「人に、何か愛するものがあるかぎり、けっして貧しくない」
という言葉は良かったし、メリルのおかみさんと同じく息子がいる今凄く共感できた。学生の時読んでいたらそうは思わなかったかもしれない。守るものがあるというのは人を強くさせるのかも。
テディの早すぎる死にはびっくりした( ; ; )
エリザベスはお父さんと暮らせるようになって良かった!!
最初から最後までほぼアンからギルバートへの手紙だった。もっとギルバートと会った時の2人の会話とかも見たかったな。でもこれからは手紙を書く必要もなくなりずっと一緒に暮らすってことだから次回からたくさん見れるのかな( ˶'ᵕ'˶)ワクワク -
Posted by ブクログ
松本侑子訳アンシリーズ第4巻。
原題は『Anne of Windy Willows』。1936年の作品。
村岡花子訳では『アンの幸福』というタイトルでした。
そして今まであまり意識したことがなかったんですが、この第4巻、時系列でいうと『炉辺荘のリラ』(1921年出版。村岡花子訳だと『アンの娘リラ』)の15年後に書かれているんですね。
解説によるとアメリカで『赤毛のアン』の映画が公開されるにあたり、あとから書かれた番外編というか『エピソード1』みたいな。
(解説560ページ)
発行年 巻数 邦訳 原題 アンの年齢(モンゴメリの年齢)
1908年 ① 『赤毛のアン』 Anne of Green Gables 誕生~16歳(34歳)
1909年 ② 『アンの青春』 Anne of Avonlea 16~18歳(35歳)
1915年 ③ 『アンの愛情』 Anne of the Island 18~22歳(41歳)
1917年 ⑤ 『アンの夢の家』 Anne's House of Dreams 25~27歳(43歳)
1919年 ⑦ 『虹の谷』 Rainbow Valley 41歳(45歳)
1921年 ⑧ 『炉辺荘のリラ』 Rilla of Ingleside 49~53歳(47歳)
1936年 ④ 『風柳荘のアン』 Anne of Windy Willows 22~25歳(62歳)
1939年 ⑥ 『炉辺荘のアン』 Anne of Ingleside 34~40歳(65歳)
アンがサマーサイドの学校の校長として赴任する3年間の物語。
サマーサイドの校長になる話なんて前作にあったかなと思って確認したらちゃんとありました。このときはロイのプロポーズ待ちだったんですね。
『アンの愛情』(村岡花子訳新潮文庫版352ページ)
「サマーサイド高等学校の校長にならないかって申込まれているの」
「それを受けるつもり?」
フィルがたずねた。
「あたし──あたし、まだ決めてないのよ」
と、アンはどぎまぎして顔を赤らめた。
フィルは呑みこみ顔でうなずいた。ロイが口をきるまではアンの計画が定まらないのも当然だった。
レッドモンドで医学生のギルバートとは遠距離恋愛。婚約時代なので、手紙の書き出しが「最愛の人へ」とか「今も、そしていつまでも、あなたのものより」とかラブラブで、昔読んだときもちょっとめんくらったなあ。
(10ページ)
プリンス・エドワード島
サマーサイド
幽霊小路(ゆうれいこみち)
風柳荘(ウィンディ・ウィローズ)
最愛の人へ
これは住所なのですよ! こんなにすてきな住所を聞いたことがありますか?
(11ページ)
昼間の私はこの世界に属し、夜の私は眠りと永遠に属しています。けれど黄昏どきの私は、その両方から離れ、ただ私自身のもの──そしてあなたのものです。
そして「風柳荘(ウィンディ・ウィローズ)」。
「グリーン・ゲイブルズ」とか「メープルハースト」とか「オーチャードスロープ」とか家に屋号をつけるの素敵ですよねー。日本家屋だとちょっと似合わないんですが。
この『風柳荘のアン』と前作『アンの愛情』に出てくる墓地の散歩がすごく素敵で、外国の墓地の散歩にあこがれました。
メインのストーリーはプリングル一族との対決を含むサマーサイドでの3年間なんですが、どちらかというと短編集的なつくりになっています。
解説によるとモンゴメリは生涯で500作以上の短編を書いており、いくつかを手直しして本作に取り入れているそうです。(解説では「スピンオフ作品」といっている。)
それもあって、本作だけで4組の縁組をアンは助けたり(じゃましたり?)します。
モンゴメリ自身が60代になって書いていることもあるのか、年配の女性たちを肯定するセリフも多いです。
(166ページ)
「夢を見るのに、年をとりすぎている人は、いませんよ。夢は決して年をとらないのですから」
(228ページ)
「誰であろうと、自分が着たい服を、年をとりすぎていて着られないなんてことは、決してありませんよ。もし年不相応なら、自分で着たいとは思いませんからね」
全体的にはそれほど劇的なことは起こらないんですが、そのぶん、ウィンディ・ウィローズでの穏やかな生活の幸福が感じられる作品でした。
(106ページ)
夜中に目をさまし、その冬最初の雪嵐が塔のまわりを吹く音を聞きながら、温かく毛布にくるまれ、ふたたび夢の国へ漂っていくのは、なんとすてきだろうと思いながら。
(266ページ)
「世界中の誰もがみんな、今夜の私らみたいに、ぬくぬくと、家にいられるといいですね」
以下、引用。
10
プリンス・エドワード島
サマーサイド
幽霊小路(ゆうれいこみち)
風柳荘(ウィンディ・ウィローズ)
最愛の人へ
これは住所なのですよ! こんなにすてきな住所を聞いたことがありますか?
11
昼間の私はこの世界に属し、夜の私は眠りと永遠に属しています。けれど黄昏どきの私は、その両方から離れ、ただ私自身のもの──そしてあなたのものです。
25
床には、三編みを丸く縫いとめた敷物が何枚かありました。大きな寝台には天蓋があり、雁(ワイルド・グース)パターンのキルトがかかっています。
26
陽ざしが淡い黄色のカーテンをすかしてさしこみ、部屋中が金色に輝いていました。白く塗った壁に、表の柳が影を落とし、見事なつづれ織り(タペストリー)のようです──形を変えながら揺れ動く、生きているようなつづれ織りです。ここが、なんだかとても幸せな部屋のように思われ、私は世界でいちばん裕福な女の子になった気がしました。
28
私は、「北風」に乗って飛んでいく少年をいつも羨ましく思ってきました。ジョージ・マクドナルドの美しく古い物語です。ギルバート、私も、ある晩、塔の窓を開け、風の両腕のなかへ踏み出して行くかもしれません──その夜は、私のベッドになぜ寝た跡がないのか、レベッカ・デューには、決してわからないでしょう。
33
「物ごとはどうしてこうなのかって、しょっちゅう不思議に思いますよ……私は話し好きなのに話題がない、ケイトは話題に事欠かないのにおしゃべりが嫌い。だけど神さまがいちばんよくご存知ですからね」
42
「家というものは、自分じゃ、きれいにできませんからね」
48
それとなくたずねたところ、泣きたい気分のときに、泣くことも楽しめないのですか、と怒りました。
106
夜中に目をさまし、その冬最初の雪嵐が塔のまわりを吹く音を聞きながら、温かく毛布にくるまれ、ふたたび夢の国へ漂っていくのは、なんとすてきだろうと思いながら。
166
「夢を見るのに、年をとりすぎている人は、いませんよ。夢は決して年をとらないのですから」
225
「シャーリー先生がいらっしゃるところでは、いつも気持ちのいい夕方よ」
228
「誰であろうと、自分が着たい服を、年をとりすぎていて着られないなんてことは、決してありませんよ。もし年不相応なら、自分で着たいとは思いませんからね」
266
「世界中の誰もがみんな、今夜の私らみたいに、ぬくぬくと、家にいられるといいですね」
270
リンド夫人が仕上げたばかりの新しいパッチワークは、五千枚の布きれ(ピース)を縫いあわせたもので、お披露目されると、当然うけるべき賞賛を浴びた。
278
「私、南十字星を見たい、タージマハルを見たい、カルナックの神殿を見たい。地球が丸いと……信じるのではなく、この目でわかりたい。」
301
「あたしらがみんな別嬪さんなら、いったい誰が家事をするんですか」
320
「あなたは、すみれの言葉で話すのね、ミス・シャーリー」
351
リンド夫人が新しい「ダブル・アイリッシュ・チェーン」のキルトの布きれを裁つのを手伝い、
436
それから「夜食」をとった。シナモン・トーストを食べ、トムギャロン家に古くから伝わる驚嘆するほど薄く美しいカップでココアを飲んだ。
438
だが、幾世代にもわたって使われた部屋には、何かしら異様なものがあるのではないだろうか。死は、どんな部屋にも隠れ潜んでいる。だが愛も、赤い薔薇のごとく花開いただろう。赤ん坊が、ここで生まれただろう。あらゆる情熱、あらゆる希望も語られただろう。部屋とは、そうしたものの亡霊に満ちているのだ。
451
「この道はまっすぐ、神さまに続いていると思うの」エリザベスは夢見心地で言った。
「そうかもしれないわね」アンは言った。「たぶん、すべての道が、そうかもしれないわ、小さなエリザベス。」
467
「そのころは、私も若くて、きれいでしたよ、可愛いお方や……本当にきれいだったのです。この年になれば、自分で言ってもよろしゅうございましょうね、たぶん」
474
You will be in clover be in cloverは家畜が緑豊かなクローバーのまき場にいると安楽だということから、あなたは安心、安楽だろうという意味。
494
客人は、宿泊しなくとも、最初に客用寝室へ通され、荷物を置き、外套や帽子、手袋をとり、洗面台の水さしで手を洗い、身だしなみを整えてから一階の客間へ下りる。訪問中に休憩するときも客用寝室を使う。
発行年 巻数 邦訳 原題 アンの年齢(モンゴメリの年齢)
1908年 ① 『赤毛のアン』 Anne of Green Gables 誕生~16歳(34歳)
1909年 ② 『アンの青春』 Anne of Avonlea 16~18歳(35歳)
1915年 ③ 『アンの愛情』 Anne of the Island 18~22歳(41歳)
1917年 ⑤ 『アンの夢の家』 Anne's House of Dreams 25~27歳(43歳)
1919年 ⑦ 『虹の谷』 Rainbow Valley 41歳(45歳)
1921年 ⑧ 『炉辺荘のリラ』 Rilla of Ingleside 49~53歳(47歳)
1936年 ④ 『風柳荘のアン』 Anne of Windy Willows 22~25歳(62歳)
1939年 ⑥ 『炉辺荘のアン』 Anne of Ingleside 34~40歳(65歳)