高橋由太のレビュー一覧
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シリーズ第二弾。
千葉の内房にある、故人と再会できるという不思議な食堂〈ちびねこ亭〉を舞台にした連作四話が収録されております。
前作同様、若干文体にひっかかりを覚えながらも(ええと、これはもう相性としかいいようがないのですけどね・・)、内容的には優しいストーリーで読後感も良きでございます。
特に印象に残ったのは第二話「ハチワレ猫と豚バラの唐揚げ」ですね。
パワハラが原因で約20年間ひきこもりになってしまった40歳の男性のお話で、亡くなった彼のお母さんの「親はね、子どもが幸せになってくれるのが一番うれしいの」という台詞が心にしみました。
あと、心にしみるといえば第四話&表題作「三毛猫と昨日 -
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ネタバレ母が出勤中に突然倒れ亡くなり途方に暮れる42才の引きこもり女性。四十九日を前に、亡き母から招待状が届く…『独りぼっちの楽花生パイ』。
亡き夫が拾った三毛猫・小梅と暮らす67才の女性。いつまで一緒に暮らせるか不安になり、SNSで引き取り手を募集することに。ある親子に決めたものの小梅との別れを決められず…『猫とティラミス』。
葬儀の生前予約した元教師夫妻。その後すぐ妻が亡くなり、50年連れ添った妻が夫に用意したくろねこのおやつとは…『泣きたい夜のマロングラッセ』。
メモリアルホール谷中の岩清水宛てにくろねこカフェの招待状が届く。差出人は元社員で半年だけ勤務した男性。事情が気になる風花は当日くろねこ -
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ネタバレ正直帯で謳ってるほど泣けるわけではなかったけど、ほっこり可愛らしいお話でした^^
美味しいご飯が食べたくなる。
ただちびねこ亭以外の黒猫やサバ白猫は言っちゃ何だけどとってつけたようにちょこっとしか絡んで来なかったから、話のタイトルに「猫」を入れるならもう少し猫エピソードあってもいいのでは?と思った…特に黒猫…^^;
あとサブタイトルも何で「黒猫と初恋サンドイッチ」なんだろうと……1話目のアイナメの煮付けか最後の定食屋のまかない飯の方がいいんじゃないかなぁと個人的には思った…サンドイッチのお話があんまりピンと来なかったからかもだけど(小5男子が果たしてあそこまで考えるかなっていう…)
落花生のお -
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『ちびねこ亭・・』というタイトル(我ながら“ねこ”と“ごはん”に弱すぎやぞ・・汗)と、キレイな表紙に、フラフラと釣られて手に取ってしまいました。
その店で“思い出ごはん”を食べると故人と再会できるという、不思議な食堂〈ちびねこ亭〉を舞台にした連作四話が収録されております。
うん、思った通りええ話でした~。
大切な人を亡くして、悲しみや後悔を抱える人達が千葉の内房にある食堂〈ちびねこ亭〉で、故人との思い出の料理を食べると・・・な、なんと奇跡が・・?
題材として「死」を扱う内容なので、切ない部分も勿論ありますが、“残された人”が、“逝ってしまった人”へ伝えたかったことを伝えることで心が浄化され -
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ネタバレ事故で両親を亡くした兄妹が、両親が経営していた葬儀会社とカフェをそれぞれ引き継いだ。妹の風花が社長を務める葬儀会社には「くろねこのおやつ」というオプションサービスがある。申し込めば葬式の数日後に兄の景が営むくろねこカフェで大切な人におやつが振舞われる。生前葬を申し込んだ病気の老婦人、幼馴染で初恋の相手を亡くした少女、母と暮らす手術を控えるサッカー少年。3つの「くろねこのおやつ」、そして兄妹の事情とは…?
ちび猫亭〜のシリーズとほぼ同じでは?と思って読み始めたが、似た設定でもこちらは生きている人間だけだった。最後まで読むと兄がカフェを継ぐことになった理由も明らかに。
個人的にはいくつか読んだ高橋 -
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父のお見合いと思いきや、実は大地のお見合い?
今回はみんなの恋心がたくさん詰まったお話し。
子供に迷惑かけず、老人ホームで元気に過ごしたい人には胡麻かけ里芋ごはん。ダイエットは口実で、好きな人と話すきっかけが欲しかった人には、高野豆腐のサンドイッチ。閑古鳥が鳴く惣菜やの肉じゃがは、商店街のメンバーとコラボする事に。子供に茄子の照り焼き丼という料理を教えたのは、自立した自分を見せて、両親の離婚を後押しそるため。
無くして行く記憶を引き止めるのは、栗ご飯?
人の気持ちを思う、優しいお話しでした。
高野豆腐を甘酒で戻して、フレンチトースト風にしたら、美味しいかな…?