高橋由太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
オサキ(尾裂・御先狐)とは狐の憑き物のことで 、主人公はこのオサキに憑かれたオサキモチの周太。江戸の献残屋の手代さんで、オサキ同様の妖なものに接しながら日々暮らしている。
界隈でおこる小火が周太のお店でもおこり、お店の危機を助けるために百両の賞金が出る大食い大会に出ることになるのだが。
そこには周太と同じく百両で店の立て直しをかけた鰻屋・梅川の親子や大会を仕切る佐之助に復讐を誓う元・相撲取りの花車などなど様々な事情を抱えた面々が登場する。
彼らが大会出場を決意するまでの過程が丁寧にちょっとした伏線をはりながら書かれている。
この本以外にもシリーズで出版されているので、ぜひ読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
周吉とオサキコンビの3作目です。
オサキも相変わらずかわいいです。
それにしても・・・。
周吉が男前なのは前作から分かってましたが女装できる程だとは。
本所深川小町と言われているお琴より美人ってどんだけ・・・。
本人は自分の容姿に至って無頓着のようですが、
それはちょっと無理があるのでは。
オサキモチとしての暗い過去がありますから、
誰にも知られないようひっそり暮らしたいというなら理解できます。
お琴に対して消極的なのはその辺が原因かと思われますし。
でも容姿に関しては、ただ野暮なだけでは済まない域ですねきっと。
オサキが見えてるらしい新たな登場人物が出てきて、
店のおかみのしげ女もオサキ -
Posted by ブクログ
周吉とオサキコンビの2作目です。
相変わらず「いい」性格してますが、
オサキがかわいいです。
白銀色の毛並みをした子狐そっくりで、
ネズミより少し大きく尾が裂けている。
そんな生き物(?)が周吉の懐から顔だけ出して、
「化け物だよ、周吉。」
「おいら、狐じゃないよ。」
としゃべるなんて。
そんなかわいい生き物なら私もオサキモチになって飼ってみたいです。
今回の事件はまず巷を騒がす付け火騒動があって、
紅色の狐火が噂になって、
次に周吉が鰻の大食い合戦に出場する羽目になる。
かなり大雑把ですが、
良い味出してる周囲の人たちやら騒動の原因と顛末やら、
いろいろあって明るく軽い読み物となってます -
Posted by ブクログ
『このミス』大賞シリーズに入っていますが、
特にミステリーという感じでは無かったです。
まあ、事件があってその犯人が誰かという件はありますが・・・。
それよりも周吉とオサキのコンビ、最高です!
美形で人が良い、でも鈍い周吉。
オサキは普段豆粒くらいの大きさで周吉の懐でぬくぬくしてる。
懐から出てくると尾が裂けた真っ白な狐の姿。
でも人には見えてない。
普通の人には聞こえないオサキモチ特有の言葉で、
「面倒くさいよ、周吉。」
「周吉、おいらにもお団子をおくれよ。」
「お江戸は怖いところだねえ、周吉。」
と会話するんですが、
これが兄弟のようだったり姉(オサキ)と弟(周吉)のようだったり。
微笑 -
Posted by ブクログ
読みやすかったです。ページを繰る手が止まらず、一気に読み終えました。宮部みゆきの江戸ものと畠中「しゃばけ」シリーズの中間に位置する感じでしょうか。
登場人物の設定がとてもうまくいっていると思います。と言っても、これが第一作、続編も出ているようなので間もなく読もうと思っていますが、きっと一作ごとにそれぞれが成長し、作者の手を離れて独り歩きを始めるのではないかという期待をさせるところ大です。
作者はひょっとして謎の剣豪(不思議な年寄り)が好きなのかなあ?別シリーズでも同様の人物、出てましたよね。
全体がうまくいっていると思いました。「おっ、このセリフは……」と前に読んだところを読み直すのも