似鳥鶏のレビュー一覧
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9時にNHKニュースつけて、そのままつけっぱなしにしていたらたまにやっていたチラ見ドラマに興味惹かれて原作読みました。似鳥鶏さんは短編集(アンソロジー)で読んでいて、気になっていた作家というのもあり。
育休を取得中の男性刑事がなぜか事件に巻き込まれて、性格片寄っている法医学教室准教授の姉などと事件解決していくストーリー。3つのエピソードでした。
前田敦子演じる姉を始め、漫画のようなキャラクター達をドラマで見て気になったのですが、原作も同じようにキャラがたってます。だからミステリーに馴染みなくても読みやすいです。ただ、育児小話が大変多いので、育児も家事もやってない方には耳が痛くて小説楽しめないか -
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ほっこりしつつもいろいろ考えさせられる連作ミステリ。育休延長中の秋月刑事、今回も子連れで大活躍です。子育て中ならではの視点から事件を解明する手腕は実に見事だし、「子育てあるある」が出てくるのも子育て世代や子育て経験者には共感できるのではないでしょうか。そしてもちろん、子育てに縁のない人こそ「そうなんだ!」という気づきがあってほしいと思います。私も経験はないのですが、子育ってて大変だと思うものねえ。
お気に入りは「徒歩でカーチェイス」。ミステリとしての着眼点やちょっとした仕掛けの魅力もさながら。バスの中でのお姉ちゃんの啖呵があまりに見事すぎて、その魅力に全部持っていかれてしまいました(笑)。いや -
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県警捜査一課の巡査部長が、育休中に子連れで事件に遭遇するミステリ、第二弾。
まさかいきなり文庫で続編を読めるなんて思っていなかったので大歓喜。
相変わらず蓮くんがかわいい。そしてどんどん成長している。
育休刑事、春風の妻・沙樹さんの職業って前作で明かされてないと思うのだけれど、今回ようやく判明して、すごくびっくりした。すごい。そりゃ旦那育休取るわ(というか、フィクションだけれど取れるのがすごい。リアルでももっと取りやすくなったらいいと思う)。
著者自身のお子さんが生まれて、それがきっかけで前作を書いたという話だったと思うんだけど、あとがきによるともうその子が5歳になったとのこと。早いな〜 -
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面白くて一気読み!やっぱり似鳥鶏さんはいいなあ。イケてない男子高校生に突然訪れたキラキラしたひと夏。その切ないきらめきを主旋律とし、そこに超難しい暗号がドドーンと投入され、底の方では、マッチョなもの、無神経なものへの怒りがずっと響いている。まったく作者らしい快作だと思った。
主人公のライ君が共感たっぷりに描かれている。偶然知り合った美少女七輝との会話やラインで、「今ので良かったのか」といちいち悩むところ、お出かけに着る服を買いに行ったが、怖くて店に入れず、覚悟を決めてクラス一の人気者キヨ君に助けを求める場面、卑屈になりながら実は無意識にあなどっていたキヨ君に対して、つきあう中でフラットな気持 -
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ネタバレ今回は学園ミステリーの5篇からなる短編集。
何となく裏技的な謎解きが続き、余り心情に刺さらないなぁと思っていたら、最後の
「優しくないし、健気でもない」
聴覚障害のお姉さんと、ひったくりのお話。
沢山の意味でやられました。まさかの妹の秘密。
「家庭内事件」ではそんな素振りは全く気付けませんでした。
周りにそういう方々は居ませんが、かなり偏見し思い込みがあった事を指摘された気になりました。自分の中で確かにそんな所があったように思います。
不便な生活をされていたら、人間的には優しく、しっかりしているはず。そんな一括りにできる訳なく人間色んな人がいるのは、分かっているはずなのに。改めて考えさせら -
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ネタバレ今回は学園七不思議を題材としたミステリー。有りがちなテーマだなあと思いましたが、流石似鳥鶏さんの作品ということでライトなミステリーにはなりません。特に今回は中々に重厚な非日常でした。
3つの事件の犯人の最後の独白では、最初はちょっとした悪戯心、魔が差した感じでやってしまった様でしたが内情の描写が深く、特に花子さんの話では用務員さんの恋心がグッときました。
枯れと呼ばれる年代でもそんな溌剌とした気持ちが甦るのだろうかと、もう初老でもある自分にも重ねてみてドキドキしながら読み進めました。
そして今回は原点に戻り、あの事件の解決篇といったところでした。完全にスッキリした燃焼感はありませんでしたが