吉永南央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なかなか渋いミステリでした。探偵というか問題解決に至るのが主役のおばぁさんで、ゆっくりまったりじっくり事件解決っていうのがなんとも言えない味があります。
周りの若者たちに振り回されるでもなく、悪人に腹をたてるでもなく、自分のペースで季節を楽しみつつゆっくりゆっくり、おばあちゃんだけがたどり着く真実。それを公開して解決したりとか、どうしようとかじゃなく、
あーそうだったのね。あなた。
みたいなまったり感。罰するでもなく、その場を取り持つでもなく、おばぁちゃんだけが知って納得して、そしてまたゆっくり時がすぎてゆく、、
そんな新しいミステリです。 -
Posted by ブクログ
木島千春は、AYタクシーに勤務するタクシードライバー。
AYタクシーは、一般業務の他に、子どもの塾や習い事の送り迎えができない親に代わって送迎する、キッズタクシーを提供している。
千春は、その会員制キッズタクシーの業務がメインだ。
彼女は大学時代に恋人の子どもを妊娠し、シングルマザーとなった。
息子を育てながら苦しい生活を続けるある晩、
街で男に襲われ、なけなしの金を奪われそうになる。
抵抗の末、千春は男を殺してしまうのだ。
正当防衛が認められ、罰を受けることはなかった。
それから十五年、彼女はその街で、タクシードライバーとして暮らしている。
彼女が街を出なかったわけ。