青木薫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
少し内容的には難しかったが、今まで人を分ける時にはそれは優生論となってしまい、あまり遺伝と人の関係は研究されて来なかった。
だけども、人は誰しも違う遺伝子に生まれ、それが個性として現れることは事実である。
生まれた時の遺伝子と生きる環境によって人の人生は変わってくる。
よく言われる親ガチャは悪い意味で使われがちだが、人が親からもらってるもの、遺伝子が違うのは事実である。
それをうまく利用することで社会を良くすることはできるかもしれない。
そう思わずにはいられないが、持つものが結局は負担が大きくなる。それには結局は反感を買ってしまう部分があり、どうなのだろうと思ってしまう。 -
Posted by ブクログ
エントロピーと進化を主要な動力源として考える粒子のパターンの遍歴を扱っている。
個人的には、星の核融合がエントロピーと重力で説明できることに感動した。
全く違う内容の小話なのだが、途切れることなく語る著者の力量にはただただ感服する。
ちょうど母親が入院中で、心細いときに、この壮大なまでの時間スケールを見て、不安感や焦燥感も感じた。
時間の始まりの方がよく話題になる中で、終わりをテーマとするのが面白いと思った。ただ疑問なのは時計の問題だ。何を根拠に時間を測っているのかわからない。太陽系がなくなれば年単位の時間もなくなるはずだ。
にしても、自分の有限性を知るとともに、自分のいない世界まで -
-
-
Posted by ブクログ
日本とアメリカで学位への考え方が違うとはよく言われます。米国では、各々の専門性はアイデンティティの一部であり、そのバックグラウンドで何ができるのか?ということが大事なので、別に同じ分野の職につかなくてもよく、活躍の場は広いが、日本では学位は「専門バカ」と見なされ、「現場で活躍できない」とされたり別分野に行こうとすると「もったいない」と言われたりします。
それでも、シンプソンズの制作スタッフに数学の学位をもったマニアが集まっているとは思いもよらないでしょう。シンプソンズは米国のみならず世界でも話題のお下品ギャグアニメですが、よく見るとーー劇中の学校で黒板に書かれた数式などーー深遠な数学のテーマ -
Posted by ブクログ
海外アニメ「ザ・シンプソンズ」については真っ黄色のキャラクターぐらいしか知識がないんですが、著者が「フェルマーの最終定理」や「宇宙創生」のサイモン・シン、さらに翻訳が青木薫だったのでこれはもう間違いないと判断しました。まったく知らなかったんですが、あのアニメの脚本家たちはハーバードなど一流大学出身の数学マニアで、物語のあちこちに科学や数学のネタが仕込まれているそうです。この本はそれらのネタをかいつまんで、とても分かりやすく解説しています。シンプソンズを全然知らなくても面白かったです。ただ、最後の方に「フーチュラマ」というアニメの話題に移るんですが、そっちはなんとなく馴染めなかった。
-
-
Posted by ブクログ
「人間原理」なんて当たり前じゃないか、と思っていたが、僕はどうやら「弱い人間原理」と「強い人間原理」を区別して理解できていなかったようだ。
人間原理というのは、20世紀半ばにケンブリッジ大学の物理学者ブランドン・カーターによって提案された、宇宙物理における原理である。その背景には、物理定数の様々な組み合わせから10^40という無次元量が見られる「コインシデンス」があった。些か数秘術じみている気もするが、それはともかく、この理由を考えていくうちに生まれたのが人間原理であった。
人間原理には、弱い人間原理と強い人間原理の二つがある。前者は「宇宙における私たちの位置は必然的に、観測者としての私 -