青木薫のレビュー一覧

  • 代替医療解剖

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    代替医療が本当に医療効果があり、費用と見合ったものなのかを、正しい臨床評価を基に検証したものです。正しい評価とは、「科学的根拠にもとづく医療」の事で、通常ランダム化臨床試験で得られた根拠の事です。

    医療の歴史を紐解きながら、医療の素人でもわかりやすく理解できるよう努められており、そこからも筆者達の誠実な姿勢を感じます。また歴史の部分は読み物としても優れており、楽しませてくれました。

    巷に溢れる代替医療のうち、その規模や浸透度の大きさから、下記の4つについて、多くのページが割かれています。
    ①鍼
    ②ホメオパシー
    ③カイロプラクティック
    ④ハーブ療法
    結論から言うと、プラセボ効果以上のものは殆

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    2020年02月22日
  • 「無限」に魅入られた天才数学者たち

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    『無限』について、どんな種類があるか。
     その証明方法がエレガントです。
     直感に反するので、騙されてるような気がするのですが・・・

    ◇整数と有理数では、どちらが数が多いか。
     考えるまでもなく有理数だと思うのですが
     何と、整数と有理数では"同じだけ"あるのですね。
    工夫すれば、全ての有理数は、整数と一対一の対応付けができますので。
     「整数の無限」と「有理数の無限」は、同じだけなのです。
     これは、とっても不思議な感じがしますね。

    ◇無限+無限=無限
     無限×無限=無限
     ということですね。

     結局、無限とは1種類なのか?
     というと、そうではないです。
     有理数

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    2020年01月25日
  • 宇宙創成(上)

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    既に海外ノンフィクション部門のゴールデンコンビとなっているサイモン・シンと青木薫のタッグは宇宙論という分野にも確かな爪痕を残しました。
    うまい安い早いが吉牛なら、うまい、わかりやすい、ためになるがこのコンビの特徴です。
    サイモン・シンの展開する科学的な知見をスムーズに理解するには、読んでいてストレスを感じさせない日本語訳があってこそです。
    その内容は、科学者や天文学者、さらには物理学者や数学者などを総動員した知の格闘による新たな発見のアウフヘーベン(ある解釈を否定して、さらに高みを目指す思考方法)の蓄積の歴史です。
    そして天文学とは我々の存在理由をも決定するという科学的な哲学だということがよく

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    2019年11月29日
  • ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう

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    ホーキング氏の最後の著書。人類が抱える10のビッグクエッションについてのホーキングが理論物理学の観点から答える。一つ一つのクエッションは、「神はいるか」などなんとも哲学的かつ神秘的なものだが、これらに対してのホーキングの回答は、最先端の理論物理学を用いた実に数学的で現実的な回答になっている。自分の頭でクエッションについて考えつつ、良質な回答を得られる良書。

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    2019年11月08日
  • 暗号解読(上)

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    サイモンシンのノンフィクションは信頼できる。
    難しいことが説明されているはずなのにグイグイ読める。

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    2019年10月31日
  • ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう

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    宇宙のことは知らないことだらけで、それらの現状の回答が得られるのは非常に面白い。
    何年かしたら、解明される問題が増えていくと思います。

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    2019年08月19日
  • 代替医療解剖

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    ネタバレ

     本書は、「いいと思う」「効くと思う」「効くはずだ」といった主観的な判断だけで価値があるとされてきた代替医療にメスを当てて、通常医療と同じ土俵に載せた評価を整理した資料である。
     現在認められている通常医療は、もはや二重盲検という医者も患者も目隠しした上で行う臨床試験で効果を示した者のみが認められている。この臨床試験は、きびすぎるがゆえに高コストであることが問題になっているぐらいである。
     一方、それ以外のいわゆるヘルスケア(日本では医療という訳語は不適と思うのでヘルスケアとした)は、自主的な試験は行なっているが、科学的な評価を経ることなく、効能がうたわれている実態がある。
     そのため、およそ

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    2019年08月04日
  • 代替医療解剖

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    サイモン・シンさん。
    とにかく自分には絶対知りえることも触れることも考えることもなかったであろうテーマについて、本にしてくれて読ませてくれる。
    それだけで、読めるだけで、機会を得るだけで、何か嬉しくなってます。笑

    文中の、
    「二千四百年間にわたり、患者たちは、医者は自分のためになることをしてくれているものと信じていた。そのうち二千三百年間は患者たちは間違っていた」。言い換えると、人間の歴史のほとんどにおいて、大半の医療はほぼすべての病気について、効果のある治療ができなかったということだ。実際、かつての医者の大半は、私たちの先祖の病気を治すのではなく、むしろ害をなしていたのである。

    胸に残り

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    2019年03月07日
  • 宇宙創成(下)

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    宇宙マイクロ波背景放射の検出〜その揺らぎの検出のあたりが最も興奮した。ビッグバンの名残りの中で生きているというのはなんと感動的でしょう。
    終盤のSix Number の話は初見ではないけれど、実に不思議なお話だと思う。マルチユニバース論を信じたくなります。

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    2018年12月22日
  • 宇宙創成(上)

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    本書では、宇宙創成の謎に挑戦してきた人類史、科学史にスポットを当てる。古代ギリシャに始まった天文学。地球、月、太陽の大きさや距離を推定した古代天文学者に始まり、暗黒の中世での停滞を乗り越え、天動説を覆したコペルニクス、ガリレオ。初期地動説が生み出す誤差を解消する理論を打ち出したケプラー。ニュートン力学を超え、相対性理論を生み出したアインシュタイン。彼の生涯2つの誤りの一つである静的宇宙モデルを覆したビッグバン宇宙モデルの設立まで、事細かに解説する。 さすがサイモン・シンと思わせる見事な描写は、読むものを引き付けて離さない。本書で書かれていることは、すべて良く知られた事実であるにもかかわらず、そ

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    2018年10月23日
  • 宇宙創成(下)

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    読後に高揚がのこる。
    インフレーション理論がエピローグなのは実証がまだだだから。
    王道中の王道といったテーマだがさすがにサイモン・シン。説明の見事さは言うまでもないも

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    2018年09月07日
  • 代替医療解剖

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    代替医療というこれも逃れ難い誘惑を持つジャンルに切り込んだ本。
    思惑が絡み合う業界なので、自分が病に伏せる前にこういう本を読んでおかないと冷静な判断ができないでしょうね。
    鍼やカイロプラクティック、ホメオパシーなどを分析しているが、鍼についてプラセボ効果しかないことは、日本でここまで広まっているために受け入れ難いのでは(海外におけるホメオパシーと同じなのだろうか)。
    巻末にはサプリメントやデトックスといった、誰でもやってそうなことにも少し触れられている。
    代替医療に引っかかる心理まで解説されており、傑作です。しかし、著者のサイモンシンさんはこの本のせいでカイロプラクティック協会から訴えられてし

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    2018年08月21日
  • 暗号解読(下)

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    米軍がナヴァホ族の言葉を使って、秘密を守った話が面白すぎた。いや、たしかに知らない言葉は暗号になり得るよな。
    あとは、剰余を使った一方向関数の着想から、RSAに到り、それを破るかも知れない量子コンピュータの話と、さらに強力な量子暗号の話と続いていきます。
    暗号解読のクイズもあるので、自分はやる気ないけど、興味ある方はどうぞ。

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    2018年08月07日
  • 宇宙創成(下)

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    最後まで読みきって良かったと思える作品。あとがきも読むといい。この作品の主人公は科学的方法であるというコメントは非常にしっくりきた。人は間違いを犯すということと、それを正すということがよくわかる。過去の天才でも間違いを犯していることがよくわかる。しかし、間違いを非難することは間違っていて、その間違いはその人なりの答えであるということである。非難すべきは答えを正すことができない、もしくは、答えを議論できない状況であるということがよく理解できた。

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    2018年06月16日
  • 量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語

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    量子力学の一層の下の話。
    「物質、質量」が発生する仕組みを、極力わかりやすく解説した一冊。たとえ話、ユーモアに富み、難しい内容が、直感的にイメージできるようになっている。読むのが楽しい。

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    2018年05月13日
  • 宇宙が始まる前には何があったのか?

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    ずっと気になっていて、文庫になっていたのでようやく手にすることができました。
    物理学の知識なんてあまりない私には難しかったです。それでも、一般的な専門書のような堅苦しい文章はなく、むしろ砕けた感じの文章に止まることなくすらすらと読むことができました。ただ、本文中にたびたび登場する『神』という言葉だけは引っかかってしまいました。科学と宗教がどう関係しているのだろうと。そんな疑問も最後まで読み進めると作者の考えが記されていたので納得。日本では到底起こりそうもない論争だなあと思いました。

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    2017年08月24日
  • 代替医療解剖

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    ホメオパシーやカイロプラクティックなどの代替医療について、施術者が謳う効果があるかどうかを科学的に分析する。
    第1章でレモン果汁をとることで壊血病の発生率が劇的に改善された例等をあげて、「機能のメカニズムは不明でも対照実験を行い、統計的に有意な結果が出ればその治療方法は効果がある」を明確にした上で、メジャーどころの代替医療を分析。
    結論としてはほとんどの代替医療はプラセボ効果以上のものはない。だが、それが今や大きなマーケットになってしまっている現状とそれを手助けした「犯人」についての言及はきびしい。

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    2017年07月18日
  • 宇宙創成(下)

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    文庫版訳者あとがきにある通り、この本の主人公は「科学的方法」なのだと思います。「宇宙はどうやって出来たのか」という問いに対する、何世紀もの間にわたる科学者の挑戦が描かれていてとても感銘を受けました。

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    2017年06月02日
  • 量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語

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    量子物理学の発見というよりヒッグス粒子とは何かを開設する。論点に的を絞って話が構成されており、変に素人に迎合するようなこともなく読みやすく面白い。

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    2017年02月05日
  • 量子革命―アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    2017/1/28 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2019/6/27〜7/9

    大学時代、物理学を志し、自分の才能の無さに挫折して化学・生物学に日和った身ではあるが、19世紀末から20世紀初頭にかけての、物理学の巨人たちが活躍する量子力学の完成に到るまでは、1番心がわくわくするところであった。これまでも何冊かこういう本は読んで来たが、ここまで包括的かつ、内部に踏み込んだ本を私は知らない。名著である。

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    2019年07月09日