青木薫のレビュー一覧

  • 宇宙が始まる前には何があったのか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2017/1/7 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2018/4/11〜4/20

    この本の内容は、まさに大学入学時に私が研究をしたかったこと。能力の無さに早々に見切りをつけて別分野に移ったが、ここまで解明されてきているとは...感動である。
    読んでみて改めて自分にはこの分野の才能が無かったのを思い知らされた。

    0
    2018年04月20日
  • 宇宙創成(下)

    Posted by ブクログ

    物心ついた頃、宇宙はビッグバンて始まり年齢は150億年、地球は50億年(精度は問題ではない)ということについて何ら疑うことなく受け入れていたので、ここに行き着くまでに物理学、天文学、また宗教までも巻き込んだ論争に発展していたことに不思議な感じがする。
    時代が変わっても真理を追求し続ける科学者の姿勢は感動ものである。それ故に、戦争で研究が途絶えたり、遅れたりすることは残念であり人類にとって大きな損失である。また、科学に限らずパラダイムシフトに必要なのは世代交代であるということを改めて認識した。
    カールセーガンの「コスモス」と同様、不思議さに対する好奇心を呼び起こしてくれる良書である。
    次は「フェ

    0
    2017年06月04日
  • 宇宙創成(上)

    Posted by ブクログ

    理論と観測の双方で対立したり補完したりしながら進んできた宇宙論の歴史が非常にわかりやすい。
    20世紀に入り、一般相対性理論が発表されている時代でもアンドロメダが銀河系の外にあるとわかっておらず、そんなギャップがあったことに驚きつつも面白いと思った。逆にこの時代の宇宙論の目まぐるしい進化を感じてみたかった。
    下巻も楽しみ。

    0
    2016年07月06日
  • 宇宙創成(下)

    Posted by ブクログ

    宇宙論は好きで、関連書を数冊読んだが、わかりやすさ、ワクワク感を含めた娯楽性の高さを考えると、最良の本。この分野に興味を持った人は、真っ先に手に取る本だろう。

    本書は天動説から地動説への大転換に至るまでの長い史実の記述から始まる。そして地動説が決定的になった20世紀、科学者たちは宇宙の大問題に取り組むことになる。すなわち、「宇宙は過去のある時点で創造されたのか?」あるいは「永遠の過去から存在していたのか?」という大問題である。そして、ビッグバンモデルが考え出された以降も、科学者たちの大半は宇宙の始まりをビッグバンに求めず、静的で永遠な宇宙(定常宇宙モデル)を信じていた。

    本書は、(出版され

    0
    2016年04月24日
  • 宇宙創成(下)

    Posted by ブクログ

    非常に面白い。ビックバンを題材に科学とは何かを考えるための良い題材となる。

    理論のモデルと実験での検証の両輪が如何に我々の世界観を塗り替えていくかを体感できる。

    0
    2016年04月23日
  • 宇宙創成(上)

    Posted by ブクログ

    ギリシャ時代の宇宙認識から膨張する宇宙を示唆するハッブルが提出した観測結果まで。各時代で人々がどのように宇宙に対する認識を深めていったのかを追体験できる。非常に骨太で面白い。

    実験と理論が如何にお互いを補いつつ科学の世界を広げていったのかを感じ取れる良書。

    単なる事実の羅列でなく、著者の科学に対する深い理解も垣間見れる。

    0
    2016年03月04日
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論

    Posted by ブクログ

    本書では、宇宙論の歴史について、その中で人間中心主義がどのように扱われてきたかを軸に描かれている。
    古代から、コペルニクス、ニュートンなど多数の科学者の長年の研究を経て、宇宙はあらゆる物理定数が今のような値でなければ存在しえないことが明らかにされるに至り、アインシュタインが究極のテーマと位置付けたのは「神が宇宙を作ったとき、ほかに選択肢はあったのだろうか?」、即ち「宇宙はなぜこのような宇宙なのか?」ということであった。
    それに対して20世紀半ばに出てきたのが、「宇宙が人間に適しているのは、そうでなければ人間は宇宙を観測し得ないからである」という、一見科学的ではない「人間原理」と言われる考え方で

    0
    2016年01月11日
  • 宇宙創成(上)

    Posted by ブクログ

    「宇宙はいつ、どのように始まったのか」。
    かつて神話で説明されていたその謎に対して、現代科学は観測結果で裏付けされた理論を手にしている。
    アルベルト・アインシュタインの「宇宙についてもっとも理解しがたいのは、宇宙が理解可能だということだ」という言葉のとおり、宇宙に比べて極めて小さく、歴史も浅い人類が、その謎を解き明かそうとしているその事実に改めて畏敬の念を感じる。
    『ビッグバンモデル』は誰か一人の発明なのではなく、モデル構築、観測、実験、理論計算に貢献した多くの人々の、人類の叡智の結晶なのだということが分かった。

    0
    2015年11月24日
  • 数学の大統一に挑む

    Posted by ブクログ

    数学を勉強していた頃の「ワクワク」感を思い出しました。
    本書の中では、難しい数学が記述されています。しかし、それを理解する必要はありません。そのような数学に魅せられ、真理を追い求める数学者の人生を感じ取ってください。

    数学と量子物理学の関係、さらには数学と宇宙の関係。こんなにもワクワクさせてくれるものは、数学以外には存在しないように思います。

    0
    2015年10月24日
  • 宇宙創成(下)

    Posted by ブクログ

    宇宙が膨張しているというビッグバン理論が、全ての星々が遠ざかっているというハッブルの観測結果により、アインシュタインが間違いを認めるほど優勢になった。だが、証明が完了したわけではない。「宇宙の大きさが一定でも、速度が早い星々だけが遠方まで到達可能なはず」「遠くまで到達した光はエネルギーが失われるため、赤いほうにずれる」といった無理筋なものから「観測結果の年代測定では、宇宙の方が星よりも若くなってしまう」「ビッグバン理論で元素分布を証明できるか?」といった当然の疑問まで、多くの批判検証にさらされることとなる。

    天動説がそうであったように、今から思えば明らかに間違いであったと思われるような理論で

    0
    2018年10月20日
  • 数学の大統一に挑む

    Posted by ブクログ

    現代数学は現在、多岐にわたり同じ分野の専門家同士でさえ、互いの研究内容を理解することが困難であることが多々あるという。

    数学の本質はその自由性にある、という言葉は有名であるがその自由性とはどこから来るのであろうか。
    実は、この問題亜は数学だけの問題ではない、正確にいうならば数学だけの問題ではなかった。
    20世紀の物理学も同様の問題に直面していた。
    この世界を記述できそうなモデルがたくさんあるように見えたからだ。
    ある物理現象を記述する方程式は、うまくその現象を予測したが、まったく別のように見える方程式もまた、その現象を正確に予想することができた。ただし、どちらも正しくないことは明らかだった。

    0
    2015年09月18日
  • 「無限」に魅入られた天才数学者たち

    Posted by ブクログ

    めちゃめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃおもしろい。無限とその宗教的文脈にまつわる多彩な知識に触れられることも魅力だし、何よりそこには登場人物やそういった背景すべてが影響し合っていく壮大なドラマがある。やがて、ゲオルク・カントールの人生を中心に、一旦の物語は収束していく。映画化したら絶対おもしろい。

    0
    2015年08月31日
  • 数学の大統一に挑む

    Posted by ブクログ

    青木薫さん翻訳による先端数学に関するサイエンス・ノンフィクション。青木さんは、ワイルズによるフェルマーの最終定理の証明を描いたサイモン・シン『フェルマーの最終定理』、ペレルマンによるポアンカレ予想の証明を描いたマーシャ・ガッセン『完全なる証明』といった最先端の数学者の物語を描いたサイエンス・ノンフィクションの名著を訳してきた。今回も期待大である。

    今回の主人公はエドワード・フレンケル、著者でもある。といってもほんとんどの人はその人が誰だか知らないだろう。自分も知らなかった。フレンケル氏は、十分すぎる数学能力がありながら、ペレストロイカ前のソ連においてユダヤ人であるがゆえにモスクワ大学の入学を

    0
    2016年02月14日
  • 宇宙創成(上)

    Posted by ブクログ

    現代において「地球は宇宙の中心に存在する」と言おうものなら変な宗教でもやってんのかと心配されるが、宇宙の中心でないことを証明できる人は、一体どれだけいるだろうか。
    夜空に浮かぶ星に辿り着こうとするなら「光の速さで何年もかかる」ということに疑いを持つ人は少ないが、それを証明できないなら、それは星が遠くにあることを「知っている」でも「わかっている」でもなく、ただそう「信じている」だけだ。
    アンドロメダが星雲でなく、90万光年よりも遠くに存在する別の銀河であることが「わかる」までに、どれだけの研鑽が必要だったのか。天文学の軌跡は科学のそれと同じく、予測と観測の共進化であった。

    人類は『光る点の動き

    0
    2018年10月20日
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    サイモンシンの「宇宙創成」と話が重複する部分があるが、本書で紹介している人間原理は非常に興味深い。
    宗教的価値観におちいることを恐れるあまり、偶然の排除と客観性に必要以上に囚われた科学的考え方に対する問題提起。
    「この宇宙がこのようにできているのは、そうできたからだ」という、まるで聖書のような文に納得させられる。
    我々人間がこの宇宙に存在してこうして宇宙を観測するためには、宇宙の物理法則や定数はこうなる以外になかった、そうでなければ我々は存在し得ないという観点。
    ”神”はいくつも宇宙を作り、それぞれにでたらめな初期値(=物理法則、定数)を与えたかもしれないが、我々が生まれて観測できるのは「この

    0
    2015年04月26日
  • 代替医療解剖

    Posted by ブクログ

    前作に比べて、代替医療に対する批判色が強い作品ではあったが、いつもながら読者を引き込む作りである。主流医学が幾つもの臨床試験を重ね、科学的根拠に基づいて発展してきたのに比べて、巷の多くの代替医療は、謳っている効能のほとんどが科学的根拠も乏しく、プラシーボ効果以上の効力を持たないことが臨床試験から既に明らかにされている。また、主流医学では、ある一つの治療法が特定の疾病・疾患にターゲットを絞っているのに対し、代替医療では、あれもこれもみんな効きますという万能性を謳っているものが多く、これらも冷静に考えれば、そんな都合のいい話はないと思えるだろう。こういった科学的リテラシーを養うには最適な1冊であっ

    0
    2015年01月02日
  • 代替医療解剖

    Posted by ブクログ

    学生実験や計測工学で学んだアプローチが、このような問題にも使われていたとは…。とはいえ、まっとうな研究者よりもマスコミや詐欺師の声の方が、一般人に数多く届くように世の中はできている。まずは疑問を持つことが唯一の防衛策なのかなぁ。

    0
    2014年11月03日
  • 代替医療解剖

    Posted by ブクログ

    代替医療って、何? タイトルはずばり「民間療法のトリック」とすべきだったと思うが。
    鍼(はり)、ホメオパシー(毒を超希釈して服用)、カイロプラクティック、ハーブ(漢方薬以外)の効果の検証の話。一部の限定的な効果を除けば、プラセボ効果、自然治癒でしかないとの結論。プラセボで良くなるならそれでもいいのでは、という考えに対しては、適切な医療を受ける機会を逸することの危険性を指摘。医療行為が長期間の検証を経るのに対し、代替医療は自身の成功体験のみでOKなわけで、しかもそれを盲信するだけに始末が悪い。
    翻訳者のあとがきにあるように、医療崩壊で医師は患者と十分に向き合えない。それに対して患者と十分に向き合

    0
    2014年10月16日
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論

    Posted by ブクログ

    感動した。コペルニクスの話からマルチバースに至るまで、知っているといえば知っている話だが、人間原理という観点からまとめあげて納得させる著者の力量はさすがだと思う。そして行間に垣間見える、宇宙科学に対する思い入れの深さに共感を覚える。ところで人間原理的な観点から見ると、我々はこの宇宙の中で孤独な存在なのだろうか。

    1
    2014年08月01日
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論

    Posted by ブクログ

     人間原理とはなにか。「宇宙がなぜこのような宇宙であるのかを理解するためには、われわれ人間が現に存在しているという事実を考慮に入れなければならない」という考え方のこと。作者は古代メソポタミアまでさかのぼり、人間原理とはなにか、なぜそんな考え方が生まれたのか、そしてその教訓は何であるのかをあきらかにしていく。
     なぜ歴史をたどることが必要なのか? 宇宙論の歴史が、神が世界をどうつくったのか、そのなかで地球がどのような地位にあるのかという問いへの答えとして進化してきたからだ。たとえば本書では地動説を打ち出したコペルニクスが「人間を宇宙の中心から追い出した」犯人ではなく、「人間は特別な存在」だと思っ

    0
    2014年04月18日