青木薫のレビュー一覧

  • 宇宙創成(上)
    宇宙とは人類にとって最大の未知ではないだろうか。 本書は天才アインシュタインと宇宙の関係であったりビッグバン理論など、宇宙解明のこれまでの一歩一歩が描かれている。 一歩一歩というよりも一進一退という方が正しいかもしれない。 これだけ科学技術が発達したにも関わらず、まだまだ謎に包まれている壮大な宇宙。...続きを読む
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論
    サイモンシンの「宇宙創成」と話が重複する部分があるが、本書で紹介している人間原理は非常に興味深い。
    宗教的価値観におちいることを恐れるあまり、偶然の排除と客観性に必要以上に囚われた科学的考え方に対する問題提起。
    「この宇宙がこのようにできているのは、そうできたからだ」という、まるで聖書のような文に納...続きを読む
  • 代替医療解剖
    前作に比べて、代替医療に対する批判色が強い作品ではあったが、いつもながら読者を引き込む作りである。主流医学が幾つもの臨床試験を重ね、科学的根拠に基づいて発展してきたのに比べて、巷の多くの代替医療は、謳っている効能のほとんどが科学的根拠も乏しく、プラシーボ効果以上の効力を持たないことが臨床試験から既に...続きを読む
  • 代替医療解剖
    学生実験や計測工学で学んだアプローチが、このような問題にも使われていたとは…。とはいえ、まっとうな研究者よりもマスコミや詐欺師の声の方が、一般人に数多く届くように世の中はできている。まずは疑問を持つことが唯一の防衛策なのかなぁ。
  • 暗号解読(上)
    スコットランド女王の暗号からドイツ軍のエニグマまで、歴史上の暗号がいかにして発明され破られていったかを追体験できる本。暗号の例題が示されていて読者を飽きさせない。
    著者は『代替医療のトリック』のサイモン・シン。
  • 代替医療解剖
    代替医療って、何? タイトルはずばり「民間療法のトリック」とすべきだったと思うが。
    鍼(はり)、ホメオパシー(毒を超希釈して服用)、カイロプラクティック、ハーブ(漢方薬以外)の効果の検証の話。一部の限定的な効果を除けば、プラセボ効果、自然治癒でしかないとの結論。プラセボで良くなるならそれでもいいので...続きを読む
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論
    感動した。コペルニクスの話からマルチバースに至るまで、知っているといえば知っている話だが、人間原理という観点からまとめあげて納得させる著者の力量はさすがだと思う。そして行間に垣間見える、宇宙科学に対する思い入れの深さに共感を覚える。ところで人間原理的な観点から見ると、我々はこの宇宙の中で孤独な存在な...続きを読む
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論
     人間原理とはなにか。「宇宙がなぜこのような宇宙であるのかを理解するためには、われわれ人間が現に存在しているという事実を考慮に入れなければならない」という考え方のこと。作者は古代メソポタミアまでさかのぼり、人間原理とはなにか、なぜそんな考え方が生まれたのか、そしてその教訓は何であるのかをあきらかにし...続きを読む
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論
    非常に分かりやすい!
    分かりやすいんだけど、相変わらず「宇宙」というものは分からない。

    人間原理というおよそ科学的ではないと思われていた考え方により、宇宙の起源・有様を考える。

    なぜこのような宇宙なのか=たまたま人間が存在しているこの宇宙を、人間が観測しているから
    言われてみれば、まぁそうかもし...続きを読む
  • 世界でもっとも美しい10の科学実験
    「~にとって美とは何か」と言えば、吉本隆明『言葉にとって美とは何か』を思い浮かべる。著者も真剣に「実験にとって美とは何か」を問う。それは、「深いこと」、「効率的であること」、「決定的であること」としている。『フィジックス・ワールド』の読者アンケートで選ばれた本書で挙げられた10の実験は多かれ少なかれ...続きを読む
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論
    さすが期待を裏切らないクオリティ。人間原理についてこんなに明快に,しかも前提知識なしで読めるように書かれた本はないんじゃないか。科学というより哲学に近い人間原理だが,それがなぜ科学の中から現れたのか。古代からある人間中心の宗教・思想と何が違うのか。
    地動説が勝利し,相対性理論が成功し,科学は人間が,...続きを読む
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論

    わかりやすい宇宙論

    サイモン・シンの著作の翻訳などで知られる青木さんの宇宙論の本。
    とにかくわかりやすい!
    まさに入門編といった感じで、
    古代から現在までの宇宙論の流れを教えてくれる!
    あらためて20世紀から現在も進行中の、物理学のダイナミックな変化は面白い。
  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論
    非常に面白かった。宇宙に関する人類の知見を歴史に沿って追う前半。人間が存在していることを論理の根拠とする人間原理とそれに伴う宇宙論の新たな動きを記す後半。
    目的論ではなく観測選択効果としての人間原理の利用は、この宇宙の絶対性をそこまで強く意識していない一般人なので価値観の転換には至らないが、興味を強...続きを読む
  • 暗号解読(上)
    『いたちごっこほど面白い戦いはない』
    シーザーの時代から用いられた単アルファベット換字式暗号が頻度分析により解読され、多アルファベット換字式暗号を体系化したヴィジュネル暗号はバベッジらが複数の頻度分析の組み合わせにより解読。そして暗号を機械化したエニグマを、チューリングらがそれを上回る機械化により解...続きを読む
  • 宇宙創成(上)
    面白い。
    サイモン・シンは『暗号解読』で知り、
    読むのはこれで二作目。
    詳細は下巻に書くが、
    まあ面白い。
  • 世界でもっとも美しい10の科学実験
    素人にも分かるものから取り上げられていて嬉しかった。役立つのが基準ではなくて、「美しい」のが基準。ちなみに一番目は紀元前3世紀、エラトステネスが地球の周径を計った実験。
    紀元前三世紀であっても、数学の単純な定理(円周の比、錯角)が分かっていれば、地球という大きなものの周径すら知ることができる、という...続きを読む
  • 世界でもっとも美しい10の科学実験
    著者が国際的科学雑誌《フジックス・ワールド》誌上で行った「もっとも美しい科学実験」についての読者アンケート調査から生まれた一冊。「もっとも重要な科学実験」ではなく「もっとも美しい科学実験」であるところにとても興味が惹かれました。

    「美しい科学実験」とは何か?
    著者は本書の中で美しい実験がもつべき要...続きを読む
  • 世界でもっとも美しい10の科学実験
    PhysicsWorld誌の企画からはじまった「10大実験」をまとめた本。実験自体はとても有名だけれど、そこにある人間ドラマの部分は実はあまり紹介されないので、読んでいて新鮮。図版もきれいで(でももっと多いともっとうれしかった)よいと思います。
  • 遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―
    ヒトゲノムが解読された時に「全ての人間は99.99%同一だ」と言ったクリントン大統領の発言は間違っているし、間違いの上に社会基盤を構築しようとするのも間違っている。遺伝による違いは歴然と存在しており、学業の達成度や社会的な成功に関係している。ただし、それは優劣という比較の対象になるようなものではなく...続きを読む
  • フェルマーの最終定理
    300年以上解かれなかったフェルマーの最終定理について、生まれた経緯やいろいろな数学者の挑戦の歴史、アンドリュー・ワイルズが証明するまでの苦難、その他の数学会の謎や論争をまとめた一冊。数学の知識がなくてもドキュメンタリーとして楽しめる。