青木薫のレビュー一覧
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非常に分かりやすい!
分かりやすいんだけど、相変わらず「宇宙」というものは分からない。
人間原理というおよそ科学的ではないと思われていた考え方により、宇宙の起源・有様を考える。
なぜこのような宇宙なのか=たまたま人間が存在しているこの宇宙を、人間が観測しているから
言われてみれば、まぁそうかもしれないと納得。
つまり、宇宙はユニバースではなくマルチバースでありメガバースだった。
たくさんある宇宙の中の1つの宇宙たまたま我々人間が存在しているだけ。
現在では証明不可能のようだけど、いつの日か科学者が明らかにしてくれる日が来るだろう。
ロマンだ! -
Posted by ブクログ
「~にとって美とは何か」と言えば、吉本隆明『言葉にとって美とは何か』を思い浮かべる。著者も真剣に「実験にとって美とは何か」を問う。それは、「深いこと」、「効率的であること」、「決定的であること」としている。『フィジックス・ワールド』の読者アンケートで選ばれた本書で挙げられた10の実験は多かれ少なかれこの条件を満たしていると著者は言う。
まあ、しのごの言わずに科学の進化に何らかの貢献をした有名な実験を背景含めて味わってみるのがよい読み方だろう(アンケートで選ばれただけあって、どの実験も多少は知っている実験だ)。美だけでなく、科学実験についての倫理について思いを馳せるのもよいだろう。
下記が10 -
購入済み
わかりやすい宇宙論
サイモン・シンの著作の翻訳などで知られる青木さんの宇宙論の本。
とにかくわかりやすい!
まさに入門編といった感じで、
古代から現在までの宇宙論の流れを教えてくれる!
あらためて20世紀から現在も進行中の、物理学のダイナミックな変化は面白い。 -
Posted by ブクログ
素人にも分かるものから取り上げられていて嬉しかった。役立つのが基準ではなくて、「美しい」のが基準。ちなみに一番目は紀元前3世紀、エラトステネスが地球の周径を計った実験。
紀元前三世紀であっても、数学の単純な定理(円周の比、錯角)が分かっていれば、地球という大きなものの周径すら知ることができる、という、美しさ!
夏至にシエネで太陽が真上に来ると、影は消失する(=影は地球の中心に向かってまっすぐ落ちる)。一方アレクサンドリアでも影は同じ方向に落ちるが(=太陽光線は平行であるため)、地球は丸いので影には角度ができる(角度が小さく、影が短ければ、地球の周径は大きい)。錯角が等しいことから、アレクサン -
Posted by ブクログ
著者が国際的科学雑誌《フジックス・ワールド》誌上で行った「もっとも美しい科学実験」についての読者アンケート調査から生まれた一冊。「もっとも重要な科学実験」ではなく「もっとも美しい科学実験」であるところにとても興味が惹かれました。
「美しい科学実験」とは何か?
著者は本書の中で美しい実験がもつべき要素として以下の3つをあげています。
①【深い】事柄を明らかにし、我々の知識を塗り替えるようなかたちでそれを成し遂げること
②実験を構成する個々の要素が【効率的】に組み合わされていること
③一般化や推論をしなくても、結果がはっきりと示される【決定的】なものであること
これらの視点にもとづいて、本書で -
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Posted by ブクログ
無限と戦った数学者たちの物語。ど文系だが面白かった。
3 以上の自然数 n について、
x^n + y^n = z^n
となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない。
ディオファントスの「算術」の余白が狭かったせいで、300年以上世界中の数学者たちを翻弄してきたこの問題。n=3の証明、n=5の証明、、、個別の証明はされていくが、立ちはだかるのは無限の壁。数多の天才たちが壁に挑むも完全な証明には至らない。もはや証明不可能とまで言われはじめたフェルマーの最終定理。
幼少期にこの問題に魅せられて数学の世界に入ったアンドリュー・ワイルズ。7年間屋根裏で進められた孤独な研究。ケンブリッジ大学 -
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頻繁に用いられる「パラダイム・シフト」という言葉の出元はトマス・クーン氏の本書から。どのように科学革命が起こり、現代から振り替えると何故その構造が見えなくなるのかを考察している。
その構造を彼は通常科学のアノマリーに対する執着に起因するとしている。まず通常科学の語彙・装置・実験が「パラダイム」として存在し、そこに存在する「例外」が無視し難いものとなり、危機が生まれ、パラダイム・シフトし、革命が起こる。そしてシフト前後の通約不可能性を説き、(完全に類似ではないとしながらも)ゲシュタルト演出を例にしている。
改めて読むと「イノベーションのジレンマ」もほぼ本書を源流としている。ニュートンやコペルニク -
Posted by ブクログ
上巻では数学、下巻では科学→物理学という感じ。
暗号が出来たての頃は生々しい理由からだったけど、今や情報ツールとして私たちが利用しているのも暗号化されているものが身近に沢山ある事を知った。
量子暗号や量子力学、または量子コンピューターなどこれについて初心者だった為もあり分かりやすく纏められていて助かった。
量子力学の本も積んでいるので予習できて良かったと思う。
様々な天才たちが暗号を作成、解読しているドラマチックでロマン溢れるこの行為は現在も続いてるとなると胸が熱くなりわくわくする。
最後が読み手によって合うか合わないか別れそう。
私は進化という意味で楽しめた。
暗号関連ちょっと追ってみたくな -
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Posted by ブクログ
暗号の歴史について、科学史の大家、現代のカール・セーガンともいうべきサイモン・シンが紐解いた本。
上巻はスコットランド女王メアリーからエニグマ解読まで。相変わらずドラマチックだし、メアリー女王は勿論、ヴィジュネルやバベッジ、チューリングなど題材に魅力的登場人物が多いのも良い。エニグマの解説はどうしてもややっこしいので一般本だとこの本の解説が限界かなぁ。
とはいえ元の情報を巧みにデタラメな文字列にする暗号発明者と、デタラメな文字列から巧みに法則性を見出す暗号解読者。この2つの視点で書くことで従来の解説本よりも暗号の面白さが際立ってる。こうしてみると暗号技術は理論と職人芸の切磋琢磨により成長してき -
Posted by ブクログ
ネタバレフェルマーが証明を残さなかったことで350年間、数学者たちを悩ませ続けたフェルマーの最終定理を、1993年にアンドリュー・ワイルズが証明するまでの軌跡。一つ一つ積み上げていって、ワイルズが100ページ超の論文として発表することからは、後書きで訳者言っていた通りまさに、ニュートン曰くの「巨人の肩に乗った」というのがふさわしい。偉大な先人たちが少しずつ少しずつ証明していった知識を活用して一歩一歩進んでいく感じが、なんというか頭の中はサカナクションの「怪獣」だった。全ての楕円方程式はモジュラー方式である、という谷山=志村予想が最後の鍵になっていくように、この定理には実は日本人も寄与していたことも初め
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