青木薫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前作に比べて、代替医療に対する批判色が強い作品ではあったが、いつもながら読者を引き込む作りである。主流医学が幾つもの臨床試験を重ね、科学的根拠に基づいて発展してきたのに比べて、巷の多くの代替医療は、謳っている効能のほとんどが科学的根拠も乏しく、プラシーボ効果以上の効力を持たないことが臨床試験から既に明らかにされている。また、主流医学では、ある一つの治療法が特定の疾病・疾患にターゲットを絞っているのに対し、代替医療では、あれもこれもみんな効きますという万能性を謳っているものが多く、これらも冷静に考えれば、そんな都合のいい話はないと思えるだろう。こういった科学的リテラシーを養うには最適な1冊であっ
-
-
Posted by ブクログ
代替医療って、何? タイトルはずばり「民間療法のトリック」とすべきだったと思うが。
鍼(はり)、ホメオパシー(毒を超希釈して服用)、カイロプラクティック、ハーブ(漢方薬以外)の効果の検証の話。一部の限定的な効果を除けば、プラセボ効果、自然治癒でしかないとの結論。プラセボで良くなるならそれでもいいのでは、という考えに対しては、適切な医療を受ける機会を逸することの危険性を指摘。医療行為が長期間の検証を経るのに対し、代替医療は自身の成功体験のみでOKなわけで、しかもそれを盲信するだけに始末が悪い。
翻訳者のあとがきにあるように、医療崩壊で医師は患者と十分に向き合えない。それに対して患者と十分に向き合 -
Posted by ブクログ
人間原理とはなにか。「宇宙がなぜこのような宇宙であるのかを理解するためには、われわれ人間が現に存在しているという事実を考慮に入れなければならない」という考え方のこと。作者は古代メソポタミアまでさかのぼり、人間原理とはなにか、なぜそんな考え方が生まれたのか、そしてその教訓は何であるのかをあきらかにしていく。
なぜ歴史をたどることが必要なのか? 宇宙論の歴史が、神が世界をどうつくったのか、そのなかで地球がどのような地位にあるのかという問いへの答えとして進化してきたからだ。たとえば本書では地動説を打ち出したコペルニクスが「人間を宇宙の中心から追い出した」犯人ではなく、「人間は特別な存在」だと思っ -
Posted by ブクログ
非常に分かりやすい!
分かりやすいんだけど、相変わらず「宇宙」というものは分からない。
人間原理というおよそ科学的ではないと思われていた考え方により、宇宙の起源・有様を考える。
なぜこのような宇宙なのか=たまたま人間が存在しているこの宇宙を、人間が観測しているから
言われてみれば、まぁそうかもしれないと納得。
つまり、宇宙はユニバースではなくマルチバースでありメガバースだった。
たくさんある宇宙の中の1つの宇宙たまたま我々人間が存在しているだけ。
現在では証明不可能のようだけど、いつの日か科学者が明らかにしてくれる日が来るだろう。
ロマンだ! -
Posted by ブクログ
「~にとって美とは何か」と言えば、吉本隆明『言葉にとって美とは何か』を思い浮かべる。著者も真剣に「実験にとって美とは何か」を問う。それは、「深いこと」、「効率的であること」、「決定的であること」としている。『フィジックス・ワールド』の読者アンケートで選ばれた本書で挙げられた10の実験は多かれ少なかれこの条件を満たしていると著者は言う。
まあ、しのごの言わずに科学の進化に何らかの貢献をした有名な実験を背景含めて味わってみるのがよい読み方だろう(アンケートで選ばれただけあって、どの実験も多少は知っている実験だ)。美だけでなく、科学実験についての倫理について思いを馳せるのもよいだろう。
下記が10 -
購入済み
わかりやすい宇宙論
サイモン・シンの著作の翻訳などで知られる青木さんの宇宙論の本。
とにかくわかりやすい!
まさに入門編といった感じで、
古代から現在までの宇宙論の流れを教えてくれる!
あらためて20世紀から現在も進行中の、物理学のダイナミックな変化は面白い。 -
Posted by ブクログ
素人にも分かるものから取り上げられていて嬉しかった。役立つのが基準ではなくて、「美しい」のが基準。ちなみに一番目は紀元前3世紀、エラトステネスが地球の周径を計った実験。
紀元前三世紀であっても、数学の単純な定理(円周の比、錯角)が分かっていれば、地球という大きなものの周径すら知ることができる、という、美しさ!
夏至にシエネで太陽が真上に来ると、影は消失する(=影は地球の中心に向かってまっすぐ落ちる)。一方アレクサンドリアでも影は同じ方向に落ちるが(=太陽光線は平行であるため)、地球は丸いので影には角度ができる(角度が小さく、影が短ければ、地球の周径は大きい)。錯角が等しいことから、アレクサン -
Posted by ブクログ
著者が国際的科学雑誌《フジックス・ワールド》誌上で行った「もっとも美しい科学実験」についての読者アンケート調査から生まれた一冊。「もっとも重要な科学実験」ではなく「もっとも美しい科学実験」であるところにとても興味が惹かれました。
「美しい科学実験」とは何か?
著者は本書の中で美しい実験がもつべき要素として以下の3つをあげています。
①【深い】事柄を明らかにし、我々の知識を塗り替えるようなかたちでそれを成し遂げること
②実験を構成する個々の要素が【効率的】に組み合わされていること
③一般化や推論をしなくても、結果がはっきりと示される【決定的】なものであること
これらの視点にもとづいて、本書で -
-
Posted by ブクログ
ハヤカワNF文庫の「数理」を愉しむシリーズの1冊であり、手に取った書籍である。(2021年6月に一度読んだが、2026年2月に再度読み返した。)
「無限」という概念が古代ギリシャで発見されてから、ルネサンス期に数学として組み込まれていく過程、および、その組み込むに当たって発生していた課題の紹介も踏まえて、紹介した書籍であり、後半はカントールやゲーデルの生涯を追いながら、無限の概念の根幹に当たる連続体仮説や選択公理の課題が紹介されている。
正直、後半の実際に議論されている内容についてはなかなか理解が追い付かないところが多々あり、詳しい人に質問したいと感じながら、分かる部分を読み進めた感じであった -
-
Posted by ブクログ
まずはじめに、これを読む前は証明された定理を私のような数字嫌いの人間にも分かるように平たく解説してくれる本なのかと勘違いしていたけれど、そうではなく、定理がどのように生まれどのように証明されたのか、人々の330年にわたる長い闘いと歴史を追う1冊です。
以前からこの作品のことは知っていて(新潮の夏の文庫祭り的なキャンペーンで毎年紹介されている気がする)、自分が書店勤務を辞める際、最後の社割で狂うほど本を買い漁ったそのなかの1冊。
ただし自分は超のつくほどの数学嫌いなので、果たしてこの本が自分に読めるのか、面白く感じるのか不安でなかなか読み始められず積読にすること約10年。…じ、10年…!?自 -
Posted by ブクログ
小川洋子さん作、博士の愛した数式をきっかけに数学関係の本を読みたく、手に取りました!
一行の数式を完全証明するために350年以上かけて多くの天才数学者の方々が挑んでゆくノンフィクション。
最後にはワイルズという数学者があらゆる手がかり?(谷山=志村予想等…)を使い、フェルマーの最終定理を完全証明します。
私は数学が苦手なので途中でよく分からないままで読んでしまうところもありましたが…
一行の数式のために、長い歴史の中で数学者さんたちが挫折や苦悩を繰り返し、人生をかけて解いていく姿に情熱を感じさせられ、
そういった偉人たちが残してきた解があったからこそ最後にワイルズが証明に辿り着くことができたと -
-
-
Posted by ブクログ
1950年当時は宇宙論の世界は「定常宇宙モデル」と「ビックバン・モデル」に二分されていた。
1992年になって、ようやく「ビックバン・モデル」に軍配が上がる。
本書の下巻は、「ビックバン・モデル」が正しいだろうという結論に至るまでの各種の観測事実が示される。
「ビックバン以前はどうなっていたのか?」という問いがあるが、ビックバン・モデルではこの問いに意味はない。
ビックバンでは空間と同時に時間も生じたので、ビックバン以前には時間は存在しなかったからだ。
北極点で「北はどっちだ?」と問うようなもんだ。
本書は「地球は丸い」「地球は太陽の周りっを回っている」と気づいてから「宇宙はどのようにして -
Posted by ブクログ
過去の人々は宇宙をどのように捉えていたか、ということから始まるが、
紀元前300年頃に地球の大きさを測るという偉業を成し遂げている。
地球の大きさのほか、月や太陽の大きさや地球からの距離まで求めている(すごい!)
最初は、地球の周りを月や太陽が回っている宇宙だったが、太陽の周りを地球が回っていることがわかる。
太陽系にいくつもの惑星があることもわかり、その大きさも求められた。
太陽のような恒星は信じられない程遠くにあることも分かってくる。
水素原子は陽子と電子からできているが、水素原子の大きさを東京ドーム程とすると、陽子はビー玉くらいで電子はゴマ粒みたいなもんだと聞いたことがある。
太陽系