あらすじ
待望の日本語版新版(原著第IV版、50周年記念版の全訳)。科学とは何か、知識の進歩とは何かについての固定観念を抜本的に塗り替え、「20世紀の最も影響力の偉大な本」に数えられる名著である。新版は半世紀ぶりの〈新訳〉であり、クーンの論述が細部まで丹念に掬い上げられた。また、新しい読者への案内としてI・ハッキングによる「序説━━五十周年記念版に寄せて」が巻頭に加わっている。「通常科学」から「危機」へ、そして新しい「パラダイム」へ──世界観の変わり方をダイナミックかつ周到に語って世界を変えたクーンのヴィジョンが、21世紀的な解像度の訳文でよみがえる。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
科学の歴史を構造的に振り返る論文です。ある程度科学の歴史をおさらいしてから読み始めるべき本です。とはいえ、大体の歴史はみなさん学んでいるので、そんなに構えなくてもいいかと思います。
しかし、本書は私にとってはとても難解な書籍の一つです。それでも、とても興味を持って読み進めることができる面白さがありました。
本書は、科学革命(科学の常識が天動説から地動説に置き換わるような事象)がどのような構造で、どのようなプロセスを経て置き換わるのかを、つぶさに考察していくのです。パラダイム・シフトです。このパラダイムという言葉を創設した人が著者のトマス・S・クーン氏です。電気学、光学、熱理論、天文学、物理学、化学など様々な分野で革命がありパラダイムが置き換わってきているのです。えらい単純化して書きましたが、本書は、科学の転換点に立ち会うかの如く、どのようにパラダイムがシフトしていくのかを確認していくのです。
高い次元から低い次元を眺めるが如くです。転じて、この論文から、現在私たちがいる次元から、さらに高い次元を想像することができるのでしょうか?
科学の歴史を構造的に捉えるという視座を学ぶことができます。この応用ができないか?現在の社会を見つめる視座として、自身の設問として掲げておきたいと思いました。
Posted by ブクログ
流石古典的名著。
バーマン『世界の再魔術化』とセットで読むとより良いと感じる。
最近、帰納的アプローチに惹かれていたので、良い薬にもなりました。
Posted by ブクログ
パラダイムとかパラダイムシフトという言葉はクーンの名前と一緒に知ってはいたけれど、
実際この本を読んでみて、思っていた内容とけっこう違った。
教科書で習うような古典を読んでみる良さはこういうところにもあると思う。
通常科学は、理論や価値観、模範例など(パラダイム)を共有する科学コミュニティにおいて、パズルを解くように、理論の確認を行っていて、本質的に新しい発見を目指すものではないが、
理論に合わないことが発見され、危機におちいることがある。
そうした中で革命のように、世界観を変えるような新たなアイデアが打ち出され、パラダイムの変化がおこる。
そうして、科学は累積的でない形で進歩していく。
科学ときくとだんだんに進歩してきたものというイメージがあるが、実際には、とびとびにというか、連続的でない形で進化してきたものといえるのかもしれない。
また時間をおいて読み返してみると発見のありそうな本だと思った。
Posted by ブクログ
頻繁に用いられる「パラダイム・シフト」という言葉の出元はトマス・クーン氏の本書から。どのように科学革命が起こり、現代から振り替えると何故その構造が見えなくなるのかを考察している。
その構造を彼は通常科学のアノマリーに対する執着に起因するとしている。まず通常科学の語彙・装置・実験が「パラダイム」として存在し、そこに存在する「例外」が無視し難いものとなり、危機が生まれ、パラダイム・シフトし、革命が起こる。そしてシフト前後の通約不可能性を説き、(完全に類似ではないとしながらも)ゲシュタルト演出を例にしている。
改めて読むと「イノベーションのジレンマ」もほぼ本書を源流としている。ニュートンやコペルニクスやアインシュタインなど従前の常識を不可逆的に一遍させてしまう理論があるが、当時でも諸手を挙げて受け入れられたわけではなく様々な検証や揺り戻しがあり、受け入れられる以前には数多の理論があった(そして一掃され、それゆえに我々の目には映らない)という歴史的審判の重みを感じさせてくれる一冊。
Posted by ブクログ
有名なパラダイムシフトについて書かれたものの新訳。とはいえ、原文なので、中身を理解するのはなかなか骨が折れた。科学の歴史は単線的な発展ではないこと、パラダイムの入れ替えによって進化してきたことが分かった。捨てられたパラダイムも科学的でないかと言われれば決してそうではないというのは興味深い点だった。