青木薫のレビュー一覧

  • 量子革命―アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突―(新潮文庫)

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    重厚なミステリー、ヒューマンドラマ。

    そりゃあ具体的な理論はわかりませんが数学を極力排除した説明やここの人物像に当てた量子力学の通史であり、へっぽこ文系の自分ものめり込んでしまった。量子力学のことも多少なりとも理解が深まった気にもなれるし、そのアンビバレントな魅力の一端を垣間見れた気がする。

    ここまでくるとより具体的な量子力学を学びたいと意気込んで手に取った入門書に挫折している私なのです。

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    2022年09月02日
  • 宇宙創成(上)

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    ようやく読み終わった「宇宙創成」。なかなかのボリュームで内容もかなり難しい部分もあったが非常に質の高い作品で面白かった。
    宇宙に関する人類の考察の歴史がよく分かり、今までは何となく言葉だけ知っていたビッグバンについてより正しく理解することが出来た。これ1冊読めば現代の宇宙物理学まで全部理解できるという優れもの。
    それにしても「フェルマーの最終定理」といい、難しい学問を素人にも分かり易く表現できるサイモン・シンの力量には感服するばかり。

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    2022年08月27日
  • 宇宙創成(上)

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     宇宙の性質や構造の仕組みを解き明かすドキュメンタリー番組を見ているようだった。個人的に面白いと感じたのはその時代の風潮が科学の発展に大きく影響することである。

     本書では、アインシュタインとニュートン宇宙理論のストーリーがそれに当てはまる。年齢を重ねた人がいなくなると、古い理論を支持する人が減り、新たな理論が相対的に受け入れられやすくなるのである。古い理論を簡単に捨て去ることができないのは、新しい理論が正しい場合、古い理論を用いた実験結果は全て使えなくなってしまうからである。しかし、それ以上にその人が築き上げてきた結果とプライドによるところが大きいと思う。

     上巻では宇宙の起源を発見するまでをたどっている。プトレマイオスモデルを覆すコペルニクス、地動説を復活させるガリレオ・ガリレイ、光の特性を明らかにしたアインシュタイン、ビックバン理論提唱の材料をそろえたエドウィン・ハップル。どれかが無くても今日の宇宙理論が成り立たなかったのだと考えるととても感慨深いものがある。

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    2022年08月29日
  • 数学者たちの楽園―「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち―(新潮文庫)

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    下品でもあり、なんとなく知的な要素も含まれていたシンプソンズが好きで、BSでよく見ていた。
    当時は軽く楽しんでいただけだけれど、これを読んでもう一度見返したくなって、DVDを買ってしまった。

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    2022年04月27日
  • 暗号解読(下)

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    中世から現代までの暗号の考案と解読の歴史を綴った一冊。技術とヒューマンドラマが絶妙にバランスされていて、知的好奇心をくすぐられる。訳文も読みやすい。
    下巻では、アメリカ先住民のナヴァホ族の言葉があまりに聞き分けづらくて、世界対戦でも暗号として利用されていたエピソードが好き。

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    2022年04月16日
  • 暗号解読(上)

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    中世から現代までの暗号の考案と解読の歴史を綴った一冊。技術とヒューマンドラマが絶妙にバランスされていて、知的好奇心をくすぐられる。訳文も読みやすい。
    上巻では、世界大戦後で使われた暗号機エニグマのエピソードが好き。

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    2022年04月16日
  • ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう

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    映画 博士と彼女のセオリーがきっかけでこの本を手に取った。はじめには、俳優のエディレッドメインさんが書いていて、その文章がとても素敵だ。そして本書の内容は、専門知識もあり素人にはかなり難しい…とはいえ、メッセージは伝わった。
    顔を上げて星に目を向け、足元に目を落とさないようにしよう。私は限界というものを信じない。
    考えられないような人生を生き抜いてきた博士が伝える言葉だからこそ、響く。
    原書で読んでみたいと思った。

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    2022年02月03日
  • 暗号解読(上)

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    著者は「フェルマーの最終定理」を著した、サイモン・シン。

    スコットランド女王のメアリーの処刑という歴史的事件から始まって、カエサル暗号からエニグマまでを解説する。

    単に暗号の構造を解説するだけでなく、そこにまつわる歴史的なエピソードもふんだんに盛り込まれている。

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    2022年01月23日
  • 暗号解読(下)

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    線文字Bの解読、公開鍵を持つ暗号の開発、そして実用化されつつある量子コンピューターと量子暗号について解説されている。

    技術的(数学及び量子力学)なことにも踏み込んで説明されており、読み応えがあるが、丁寧に読んでいけば十分に理解できる。

    これだけ調べ上げ、わかりやすく表現した著者に脱帽である。また、訳者もわかりやすい日本語に翻訳することに注意を払っていることがわかる。

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    2022年01月23日
  • 宇宙創成(上)

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    地動説の正しさを主張したコペルニクスやガリレオにしても、より正確な重力理論を提唱したアインシュタインにしても、一番の敵は科学それ自身ではなく、宗教や有力な科学者など、その時代の権威であったことがよく分かる。だからこそ科学にドラマが生まれたのだ。

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    2022年01月20日
  • 数学の大統一に挑む

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    ロシア出身の数学者の自叙伝。
    ラングランズ対応などの数学的側面もさることながら、ロシアでのユダヤ人としての迫害のエピソードに驚く。ログノフがユダヤ人迫害の急先鋒だったとは。

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    2021年11月14日
  • 宇宙創成(下)

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    量子の世界から始まり、ミクロの世界を解き明かすことが宇宙の神秘を探ることに繋がることが説明される。そして宇宙の始まりであるビッグバン理論がどのように形作られていったか宇宙マイクロ波背景放射を主役に語られる。

    上下一気に読んだが、何世紀にもわたる科学者の努力や天才的な能力を見せつけられ圧倒された。それでもまだ分からないことがある。話はまだまだ続くのだろう。

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    2021年11月14日
  • 宇宙創成(上)

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    ギリシャ神話から始まり、アインシュタインの特殊相対性理論ができあがるまで、科学者の関わりやそれまで常識と思われていたことに対する理論を作り、実験にて証拠を揃え、確立していく流れが描かれている。一般性相対理論が発表され、もっと微小な世界に目を向けていく流れが少し書かれ、下巻に続く。
    科学者の名前を覚えるにはちょうど良い。理論そのものの説明があるわけではない。

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    2021年11月14日
  • 宇宙創成(上)

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    科学史の本はいくつか読んだけれど、これが1番面白い。あまりに面白くて読んでいる最中に立ち上がってしまった。

    古代ギリシャ時代から、ビッグバンモデルの完成した現代まで、宇宙の研究を追う。
    我々が存在するこの宇宙がどうなっているのか、それを知りたくて、人類は寒空のもと望遠鏡を覗き、よりよい設備のための金策に奔走し、ときには隊を組んで観測遠征に赴く。
    ただ宇宙研究発展の歴史を綴るのではなく、探究心に突き動かされた人間の営みにスポットを当てる。観測中のハーシェルを支えた妹(彼女も優れた天文学者)や計算部隊として活躍した家政婦(後に博士号を得る)、専門の写真家など、本題を追うだけなら省略してもいいような貢献者もしっかり取り上げられているのがいい。ノーベル賞を受賞するような人だけで成果を出せるものではない。
    また、誰が何の研究をして、何が分かって、人類の知はどう進んだか、というのが全くの素人にも分かるように書かれている。サイモン・シンの解説は分かりやすいうえ、本書には章のまとめや用語集もあって、読後は少し賢くなった気がした。

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    2021年10月31日
  • 量子革命―アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突―(新潮文庫)

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    量子力学は抽象度の高さや古典物理との違いから学生時代に正しく理解できず、どうしてこんな理論体系ができたのか疑問で仕方がなかったが、この本を読んでその一端を知ることができた。

    当時の一流の物理学者たちの中でもなかなか受け入れられず、解釈の異なる事象を少しずつ解いていく過程は科学誌としてとても読み応えがあった。

    また量子力学について学びたくなるような本

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    2021年08月22日
  • 暗号解読(下)

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    暗号技術についてはもちろんのこと、歴史、数学、軍事、政治、計算機技術等々、多様な分野への興味を掻き立てられた。

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    2021年06月27日
  • 宇宙創成(下)

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    (上下巻合わせてのレビューです。)

    大好きなノンフィクション・ライター、サイモン・シンの最新作。
    今回のテーマは「宇宙」。

    地球の大きさの測り方とか天動説v.s.地動説の話から、
    相対性理論、ビックバンまで、歴史に基づいて書かれています。
    そこには、やっぱりドラマがありました。

    今まで天体って難しくてとっつきにくいイメージがあったけれど、
    そこはさすがサイモン・シン。
    初心者にも理解できるように最大限の配慮がなされています。
    初めは何も知らなかった人間が
    いかにして今の知識を得るに至ったのか、
    科学の歴史をハイライトで追うことで、
    読者は「宇宙」について理解を深めることができます。
    これはサイモン・シンの得意技ですね。

    とはいえ、簡単にスラスラ読める類の本ではありません。
    腰をすえて、じっくり読んで少しずつ理解を進めていく本です。
    読み切った後には、知的好奇心が満たされた充実感、
    科学の神秘をちょっぴり理解できた優越感、
    ドラマを疑似体験できたスリル感を味わうことができる一冊!

    どうやら次回作もあるようなので、とっても楽しみです。

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    2021年06月24日
  • 暗号解読(下)

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    暗号とは何か、暗号と解読の歴史、暗号の現在、暗号の課題をこれ1冊で掴むことができる名著。古代ローマから、エリザベス1世、第一次世界大戦、量子コンピュータの時代までを暗号という視座から追う。

    単なる解説本ではなく、暗号にまつわる人間ドラマや外交のダイナミズムから暗号の全容を浮き彫りにしている。さらに、伝記や陰謀史で終わるわけではなく、暗号の仕組みや解読に至るまでの思考経路を数学も言語学も分からない素人に分かるように解き明かしてくれる。
    プライバシーと治安維持、外交政策と民主主義といった視点から、暗号技術を誰がどう扱うか今後も議論が続くのだと思う。自分はどちらの立場なのか決めきれない。「犯罪組織は治安党局で監視してほしいけど、一般市民のプライバシーは侵害しないでほしい。自国の不利益は困るけど、外交は公明正大に、国民の目が届くように行ってほしい」というのが本音だけど、犯罪組織の定義すら恣意的に決めうる社会にあって途方に暮れてしまう。


    ITパスポートの勉強をした際、「公開鍵」「秘密鍵」と当然なようにテキストに出てきて何のことか分からなかったが、本書を読んで理解できた。どんなに画期的な手法だったかということも分かった。
    ITパスポートのような資格試験の勉強をするよりも、サイモン・シンやブルーバックスを読んだ方がITに対する理解が深まると思う。

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    2021年06月14日
  • ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう

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    ホーキング博士の最後の著作。21歳で余命数年を告げられてから50年以上。日々を生き延びてきた博士の思想は深く、研ぎ澄まされていると感じます。ブラックホールや宇宙の起源に関する理論は難しくて、内容を理解するのは難しいけれど、一般人にもわかりやすく解説してくれた博士の語り口は忘れがたい。
    あれほどの困難に長期間直面していても、常にビッグクエスチョンを設定し、それと向き合い続けた博士の生き方に、とても勇気づけられる気がします。

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    2021年06月12日
  • 代替医療解剖

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    「代替医療解剖」という、なかなかおもしろい本を読みました。

    ここで言う「代替医療」とは、通常治療以外の民間治療のこと。その中でも特に、「鍼」「ホメオパシー」「カイロプラクティック」「ハーブ療法」に多くのページが割かれていました。

    原書はイギリスで2008年に出版されたもので、原題は「Trick or Treatment?」。なかなか洒落た題名ですよね。ハロウィンのときの子どもたちの言葉「Trick or Treat」をもじって、「トリックなの?治療なの?(ホントのところはどっち?)」ってことですよね。

    最初のページに書かれている言葉は、「チャールズ皇太子に捧ぐ」。
    最初は意味がわからなかったけど、本書の最後の方に書かれていたのですが、どうやら、チャールズ皇太子が、(治療効果のない)代替医療を支援しているらしく、治療効果があるかどうか調査しよう、と言いつつも、バイアスをかけた発表を取り上げて養護しているのだそうだ。それに対しての「返答」として、この本を執筆したのだそう。


    本書では、最初に「治療効果があるかどうか見極める」ことについての解説。

    数世紀前までは、医者、と呼ばれる人たちが、自分の「経験」から、瀉血を信じ、多くの人々を失血死させていた事実に気がついていなかったことや、科学的な視点を持たなかったために衛生管理を怠っていたことなどの例を出してから、現在の「標準治療」が厳密な「臨床試験」に基づいていることを解説。

    そして、いくつかの「代替医療」について、「臨床試験」※に近い、きちんとした比較に基づいて「効果があるかどうか」を論じている。

    ※「治療群」と「対照群」に分けてブラインドテストを行い、明らかに効果が出たものを《科学的根拠に基づく医療》と認めるというもの。また、副作用に関しては、治療効果に対して、副作用のリスクの程度が十分小さいもの。

    大きく取り上げた4つの代替医療である「鍼」「ホメオパシー」「カイロプラクティック」「ハーブ療法」について、1章ずつ割いて、その結果が書かれていました。

    結果は、大雑把にまとめると

    ・効果はほぼ「プラセボ効果」と言える
    ・時には、直接的な危険性もある(臓器を傷つける、中毒症状を起こす、感染症、など)
    ・そして、標準医療に比べて費用がかかる
    ・代替医療を信じたことによって通常医療を否定することによる病状悪化の危険性

    要するに、民間治療には、ほとんど効果がないということがデータからわかった、という結論でした。


    文庫版になったときの訳者のあとがきを読むと、この本が出版されたたことで、著者の1人であるサイモン・シンさんが、英国カイロプラクティック協会に名誉毀損で訴えられたとのこと。一審ではシンが敗訴したものの、科学者、ジャーナリスト、著名な司会者などがシンの応援に立ち上がり、危険なカイロプラクターの摘発キャンペーンなどを行った結果、英国カイロプラクティック協会が訴えを退け、シンが勝利したとのこと。

    そして、「プラセボ効果」の研究がアメリカの研究者によって始められたとのこと。
    怪しげな民間治療で得られるプラセボ効果ではなく、標準の医療でも、プラセボ効果を効率的に利用していけるようになれば、さらに患者の利益は大きくなりますね。きっと。



    結構な分量のある書籍なので、読むのは大変でしたが、科学的な根拠を持たずに行われてきた、過去の医療行為や、代替医療の詳細などを知ることができて、ためになる本でした。

    「自然」「伝統的」「全体論的」などの、いかにも「良さげ」な言葉には注意しなくては、ですね。そして、最後の方には、患者が代替医療に走ってしまう理由の1つに、医師が代替医療に目をつぶっていることや、患者に対して時間を割けないことなども列挙されていました。なかなか難しい問題ですね。


    最後に、煙草のパッケージに注意書きを載せるように、それぞれの治療法に注意書きを載せるなら…ということで、著者が書いた「注意書き」が面白かったので、引用しておきます。

    ーーー引用ーーー
    ・鍼
    注意:この治療法については、いくつかのタイプの痛みや吐き気には効果があるという、僅かな科学的根拠が得られているのみです。それらの症状に効いた場合も、効き目は長く続かず、非常に小さなものとなるでしょう。通常医療の治療にくらべて費用がかかり、効果は小さいとみてまず間違いありません。この治療法の主な効果はおそらく、痛みや吐き気に対するプラセボ効果でしょう。それ以外のすべての病気に対して、鍼にはプラセボを上回る効果はありません。鍼は、訓練を受けた施療者に打ってもらえば、かなり安全な治療法と言えます。

    ・ホメオパシー
    注意:この製品にはプラセボ効果しかありません。ホメオパシーを信じていて、症状が痛みや抑うつなどである人にのみ効果があります。その場合でも、通常医療の薬のような強い効果は得られないでしょう。通常医療の薬よりも副作用は起こりにくいですが、効果も少ないでしょう。

    ・カイロプラクティック
    注意:この治療法は、首に脊椎マニピュレーションが行われた場合、脳卒中を起こし死亡する危険があります。それ以外の背骨に対して行われるなら、カイロプラクティックは比較的安全です。腰痛に効果があるという多少の科学的根拠はありますが、たいていは通常医療の治療にも同様の効果があり、料金ははるかに安くすみます。他のすべての病気に対し、カイロプラクティックにはプラセボを上回る効果はありません。

    ・ハーブ薬ーイブニングプリムローズ(メマツヨイグサ)オイル
    注意:この製品にはプラセボ効果しかありません。あなたが信じなければ効果はなく、また、プラセボ効果による治療に反応するある種の病状にしか効果がありません。その場合でも、プラセボ効果は予測不可能で、通常医療の薬と同程度の効き目はないとみられます。通常医療の薬よりも有害な副作用は少ないかもしれませんが、効果も少ないでしょう。

    ・ハーブ薬ーセントジョンズワート
    注意:この製品は、他の薬と干渉することがありませす。セントジョンズワートを服用する前に、一般医に相談しましょう。軽いか、または中程度の抑うつ状態に効果があるとの科学的根拠があります。こうした病状に対しては、同様に効果のある通常医療の薬があります。
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    2021年05月19日