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天才理論物理学者ホーキング博士が生涯追い求めていたもの、それは誰にも解き明かされていない究極の問の答え(ビッグ・クエスチョン)だった。「人類は地球に住み続けるべきか?」「AIは人間を超えるか?」など10の難問への見解に加え、死の直前まで書き続けた未来を生きる人々への熱いメッセージ。累計100万部突破、世界40か国で刊行決定の話題作!
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Posted by ブクログ
映画 博士と彼女のセオリーがきっかけでこの本を手に取った。はじめには、俳優のエディレッドメインさんが書いていて、その文章がとても素敵だ。そして本書の内容は、専門知識もあり素人にはかなり難しい…とはいえ、メッセージは伝わった。 顔を上げて星に目を向け、足元に目を落とさないようにしよう。私は限界というも...続きを読むのを信じない。 考えられないような人生を生き抜いてきた博士が伝える言葉だからこそ、響く。 原書で読んでみたいと思った。
ホーキング博士の最後の著作。21歳で余命数年を告げられてから50年以上。日々を生き延びてきた博士の思想は深く、研ぎ澄まされていると感じます。ブラックホールや宇宙の起源に関する理論は難しくて、内容を理解するのは難しいけれど、一般人にもわかりやすく解説してくれた博士の語り口は忘れがたい。 あれほどの困難...続きを読むに長期間直面していても、常にビッグクエスチョンを設定し、それと向き合い続けた博士の生き方に、とても勇気づけられる気がします。
面白かった!物理の理論はほとんどさっぱりだったけれど、そこが分からなくても十分、刺激を受けられる。 ALS嘱託殺人があって以降、患者の方々の思いや現状をメディアが取り上げることが多くなった。それをきっかけに本書を読んでみた。ALS患者の1人でありながら当代随一の宇宙物理学者となったホーキング博士の生...続きを読むき方や考え方に何か考えるヒントがないかと思ったからだ。結果、ALSのことはあまり意識に登らずに読み切ってしまった。むしろ、人間の知的営みのすごさを知った。やっぱり、骨太な知性は前向きだ。未来にも、人生にも。ハラリさんやマルクスさんにも感じた理性、しなやかさ、そしてユーモアをホーキング博士の言葉にも感じる。 本当に学問をしている人は、ヘイトには走らない。彼らはトランプや緊縮財政、全体主義への危機感は共通して抱いているけれど、それは危機感であって憎悪ではない。相手と議論する気がないヘイトと違って、彼らは危機感の表明をすることで議論の準備が出来ていることを相手に示している。本を書いているから、売れているから、メディアへの露出が多いから。そんなのが知性のバロメータになるわけない。けれど、書店の売り上げランキングを見ると、そこを履き違えている人がたくさんいることを思い知らされる。 さて、モヤモヤはこれくらいにしといて、中身の感想。 ①若者の科学離れって、日本だけの現象じゃないんだ!!ってびっくりした。文科省が大騒ぎしてるから、てっきり、日本だけが置いてけぼり食らってるのかと思ってた。イギリスも緊縮財政の影響で、基礎研究の予算がバサバサに削られて、そのせいで若者の科学への興味関心もダダ下がりしているらしい。なんてこった!ニュートンが草葉の陰で泣いてるぞ!!!「ムーンショット・プロジェクト」やらが文科省の肝煎りで始まるって朝日新聞に書いてあったけど、それ読んだときは「はぁ?」ってなった。でも、イギリスの現状とかホーキング博士の幼少期のこととかを知ると、案外、まともな策なのかもしれない。とりあえず、もう一回、萩尾望都の『スター・レッド』読みたくなった。 ②ホーキング博士はAIのシンギュラリティは…有ります!派だった。そっかー。今まで無し派の本ばっかり読んでたので、刺激になった。人間がAIの電源切ろうとしたら、AIが雷落として電源ショートさせて切れなくする、っていう小話はなるほど、ありそうと思った。星新一みたい。けど、それ以上に、AIにも一種の人権を認めるべきではないのか、っていう議論が既に始まっていたことを知って、驚いた。『ヒトの言葉機械の言葉』を読んだ時に感じた危機感というか疑問が、既に現実のものとして議論の対象になっていた。でも、機械はいくらでもコピー可能だし、機械だから不老不死だし、根本的に人間とは違うから、「権利」と言ったって、何をどう認めるんだろうか??後でそれ関係の何かを読んでみたい。 ③やっぱり、ブラックホールは面白い。小学生の時にNHKスペシャル(オデッセイの旅、だったっけな?)を見て、その解説本を読んでから、ずーっとブラックホール関連の話はちょこちょこ追っかけてきた。物理も数学もさっぱりなので理論的なことは分からないけれど、現象としての面白さに惹かれてきた。その分野を牽引されてきたホーキング博士の死が、今更ながらに痛ましい。もっと早く、読んでればよかった。もっと色んな話を聞きたかった。読みたかった。 宇宙は有限の過去から始まった。人間は有限の時間を過ごして去っていく。ホーキング博士もまた、人間として有限の時間を過ごした。けれど、その問いは無限の未来に向けて照射されている。肉体の制約を離れて人間が「生きる」可能性があるとすれば、それは「答え」を与えることよりは、答えがあるのかないのかわからないくらいの大きな「問い」を遺して逝くことにあるのかもしれない。 ともあれ、合掌。
子供の頃から疑問に思っていた、宇宙の始まりや地球以外に知的生物はいるか等の謎が説明されている。 好きな箇所は、「もしこの先タイムトラベルが可能になっているとしたら、現代人を冷やかしに未来から来ているはずだ。素性をばらしていけないという決まりがあっても、必ず我慢出来ない調子がいい奴がいるはずだ」。とい...続きを読むう所、そして決してタイムトラベルが不可能ではなくなぜそういう奴がいないのか、別な理論も説明している箇所。
ホーキング氏の最後の著書。人類が抱える10のビッグクエッションについてのホーキングが理論物理学の観点から答える。一つ一つのクエッションは、「神はいるか」などなんとも哲学的かつ神秘的なものだが、これらに対してのホーキングの回答は、最先端の理論物理学を用いた実に数学的で現実的な回答になっている。自分の頭...続きを読むでクエッションについて考えつつ、良質な回答を得られる良書。
宇宙のことは知らないことだらけで、それらの現状の回答が得られるのは非常に面白い。 何年かしたら、解明される問題が増えていくと思います。
ホーキング最後の書き下ろし。最新の宇宙論を明快に解説しつつ、未来への強い情熱を語る。そこには冷徹な観察と人類・科学への深い信頼がある。「神は存在するのか?」の答えは私と同じ感覚でうれしい。ブラックホールへの興味も改めて湧いてくる。 翻訳が読みやすいなあと思っていたら、青木薫さん(サイモン・シン3部作...続きを読むなどでおなじみの)だった。納得。
エネルギー=空間 もの凄く単純に解釈すると私の頭ではこうなるのだが。本書は、2018年に亡くなったホーキング博士の一般向けに質疑回答された読み物であり、他の博士の本より非常に分かりやすく書かれている。それでいて、死生観、宗教観、宇宙の始まりなどの原初的、哲学的な難問に触れる内容でもあり、もしかした...続きを読むら、大きくあなたの価値観を変えるかも知れない。それ位のビッグ・クエスチョンを扱う内容だ。 冒頭の式に戻ろう。無から宇宙が誕生した時の等式だ。ビッグバンで正のエネルギーが大量に生じたとき、それと同じだけの負のエネルギーも生じた、という事を示した。正のエネルギーと負のエネルギーで差し引きはゼロで、エネルギーはその後もずっとゼロ。ビッグバンと釣り合う膨大な量の負のエネルギーこそ、宇宙空間だというのだ。重力と運動に関する自然法則によると、空間そのものが負のエネルギーの広大な貯蔵庫なのだ。それだけの負のエネルギーがあれば、すべてを足し上げた結果がゼロになる。 この話が明らかにするのは、その転換が何故起こったのかは依然不明だとしても、この宇宙は、神の絶大なエネルギーが関与して開始したのではなく、エネルギーがビッグバンを起こした結果として同時に空間が誕生した。宇宙の総和が「無」になると言うのなら、神は関与していないということだ。 1960年代は、多くの科学者は、宇宙に始まりがあるはずはないと直観的に思っていた。そのため、神の手に頼らなければならないだろうと考えていた。ホーキング博士の主張は神への挑戦にも見える。興奮する内容だ。 ー 宇宙は原理または法則によって支配された機械であり、宇宙を支配するその法則は、人間の頭脳で理解することができるのだ。 ー 自然法則に従えば、宇宙は陽子と同じく何の助けもなく自発的にひょっこり出現できるだけでなく、ビッグバンは原因がなくても起こりうる。原因はいらないのだ。この説明の背景にはアインシュタインの理論があり、宇宙のなかで空間と時間は根本的なレベルで絡まり合っているという彼の洞察がある。ビッグバンの瞬間に、時間そのものが始まったのだ。この途方もない考えを理解するために、空間に漂うブラックホールを考えよう。典型的なブラックホールは、質量が非常に大きいために自分の重さで潰れてしまった星だ。その強大な重力からは、光でさえも逃れることはできない。ブラックホールがほぼ完全に「ブラック」なのはそのためだ。ブラックホールの重力は非常に強いため、光の進路が曲がるだけでなく、時間の進み方も変わる。それを理解するために、ブラックホールに飲み込まれる時計をイメージしてみよう。時計がブラックホールに近づくにつれ、時間の進み方はどんどん遅くなる。時間に対して時計が遅れるのではなく、時間そのものの進み方が遅くなるのだ。 ビッグバンの説明にブラックホールを援用する。最後に辿り着いた境地はどこだったのか。ホーキング博士は死とどのように向き合ったのだろうか。神なき世界観は、それが事実だとしても途方がない。宇宙の誕生から今まで、全ては連鎖反応である。一つの生命は一つの鎖の輪に過ぎない。博士はそれを、塵という。意味のある塵だと。 ー 神が宇宙を創造したのかという質問を受けるとき、私は質問者に対して、その質間は意味をなさないと答える。ビッグバン以前には時間が存在しなかったのだから、神が宇宙を創造するための時間もなかった。…私に信仰はあるのだろうか?人はそれぞれ信じたいものを信じる自由があり、「神は存在しない」というのが一番簡単な説明だというのが私の考えだ。宇宙を作った者はいないし、私たちの運命に指図する者もいない。そこから私は、深い気づきに導かれた。おそらく天国は存在せず、死後の生もないだろう。死後の生を信じるのは希望的観測にすぎないと思う。死後の生があるという信頼できる証拠はないし、そんなものがあれば、科学について私が知るかぎりのことと矛盾する。人間は死ねば塵に帰るのだろう。だが、私たちが生きつづけることには意味があり、生きて影響を及ぼすことにも、子どもたちに伝える遺伝子にも意味はある。私たちの一度きりの人生は、宇宙の大いなるデザインを味わうためにある。そしてそのことに、私はとても感謝している。
★★★★☆やっと読み終わりました。過酷な運命にも負けずに研究者としてものの仕組みを明らかにする仕事を続けてきた。どのテーマも興味深い内容でした。今話題のAIについては、今後どうなっていくのかちょっと怖くなる内容でした。
ホーキングが亡くなる直前に書いた本です。 ビッグクエスチョン(Big Questions)とは、サブタイトルにあるように、「人類の難問」のことで、宇宙の起源や生命の起源に関する問いなどがあります。 ある意味、誰も正解を知らない問いですが、知識がある人ほど、また、考察が深い人ほど、真理に近づける問いだ...続きを読むと思います。 また、この本は、単に、ホーキングが、ビッグクエスチョンに答えるだけでなく、ホーキングが、自身の人生について語った本でもあります。 以前、『ホーキング、宇宙を語る』を読んだ記憶があるのですが、それよりも、今回の本の方が、読みやすいですし、本としての出来もよいと思います。
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