青木薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
無限と戦った数学者たちの物語。ど文系だが面白かった。
3 以上の自然数 n について、
x^n + y^n = z^n
となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない。
ディオファントスの「算術」の余白が狭かったせいで、300年以上世界中の数学者たちを翻弄してきたこの問題。n=3の証明、n=5の証明、、、個別の証明はされていくが、立ちはだかるのは無限の壁。数多の天才たちが壁に挑むも完全な証明には至らない。もはや証明不可能とまで言われはじめたフェルマーの最終定理。
幼少期にこの問題に魅せられて数学の世界に入ったアンドリュー・ワイルズ。7年間屋根裏で進められた孤独な研究。ケンブリッジ大学 -
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頻繁に用いられる「パラダイム・シフト」という言葉の出元はトマス・クーン氏の本書から。どのように科学革命が起こり、現代から振り替えると何故その構造が見えなくなるのかを考察している。
その構造を彼は通常科学のアノマリーに対する執着に起因するとしている。まず通常科学の語彙・装置・実験が「パラダイム」として存在し、そこに存在する「例外」が無視し難いものとなり、危機が生まれ、パラダイム・シフトし、革命が起こる。そしてシフト前後の通約不可能性を説き、(完全に類似ではないとしながらも)ゲシュタルト演出を例にしている。
改めて読むと「イノベーションのジレンマ」もほぼ本書を源流としている。ニュートンやコペルニク -
Posted by ブクログ
上巻では数学、下巻では科学→物理学という感じ。
暗号が出来たての頃は生々しい理由からだったけど、今や情報ツールとして私たちが利用しているのも暗号化されているものが身近に沢山ある事を知った。
量子暗号や量子力学、または量子コンピューターなどこれについて初心者だった為もあり分かりやすく纏められていて助かった。
量子力学の本も積んでいるので予習できて良かったと思う。
様々な天才たちが暗号を作成、解読しているドラマチックでロマン溢れるこの行為は現在も続いてるとなると胸が熱くなりわくわくする。
最後が読み手によって合うか合わないか別れそう。
私は進化という意味で楽しめた。
暗号関連ちょっと追ってみたくな -
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Posted by ブクログ
暗号の歴史について、科学史の大家、現代のカール・セーガンともいうべきサイモン・シンが紐解いた本。
上巻はスコットランド女王メアリーからエニグマ解読まで。相変わらずドラマチックだし、メアリー女王は勿論、ヴィジュネルやバベッジ、チューリングなど題材に魅力的登場人物が多いのも良い。エニグマの解説はどうしてもややっこしいので一般本だとこの本の解説が限界かなぁ。
とはいえ元の情報を巧みにデタラメな文字列にする暗号発明者と、デタラメな文字列から巧みに法則性を見出す暗号解読者。この2つの視点で書くことで従来の解説本よりも暗号の面白さが際立ってる。こうしてみると暗号技術は理論と職人芸の切磋琢磨により成長してき -
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ネタバレフェルマーが証明を残さなかったことで350年間、数学者たちを悩ませ続けたフェルマーの最終定理を、1993年にアンドリュー・ワイルズが証明するまでの軌跡。一つ一つ積み上げていって、ワイルズが100ページ超の論文として発表することからは、後書きで訳者言っていた通りまさに、ニュートン曰くの「巨人の肩に乗った」というのがふさわしい。偉大な先人たちが少しずつ少しずつ証明していった知識を活用して一歩一歩進んでいく感じが、なんというか頭の中はサカナクションの「怪獣」だった。全ての楕円方程式はモジュラー方式である、という谷山=志村予想が最後の鍵になっていくように、この定理には実は日本人も寄与していたことも初め
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Posted by ブクログ
ネタバレ優生学は、理論的根拠として遺伝学を取り込み、間違った考えや歴史を生み出した。いまだに私たちの無意識にも、そのような悪しき優生思想の片鱗が存在しているかもしれない。
自己責任という言葉もそう言った優生学の考えが下敷きにあるからこそ、出てきて、物事の本質を見ないで責任をその人自身の責任にすり替える言葉だと思う。
この本は、遺伝学をニセ科学の優生学から取り戻すための、挑戦の書である。
親ガチャの呪いから我々は脱却することができるのだろうか?そのヒントがこの書には丁寧に記述されていました。
人はこの世に誕生する時、2種類のくじを引かされる。「社会くじ」と「遺伝くじ」だ。
社会くじは、格差や不 -
Posted by ブクログ
ネタバレ子どもが育つ社会的環境的条件と、子どもの人生には関係があることは前提=社会くじ。
遺伝子の偶然も子どもに影響するか。遺伝子の影響も子どもは選べない=遺伝くじ。
遺伝子の影響を議論すると優生学的とみなされる。
人種間に遺伝的な違いは無い=人種とは、人類が分類したモノに過ぎず、遺伝子的には広汎な選択肢がある。
遺伝子は多様正がある。ふたりの親から生まれる子どもの遺伝型は70兆以上の組み合わせがある。一つの特徴的な遺伝情報は、プールの中の一滴のインクのようなもの。エンドウ豆のように単純ではない。
遺伝子はたんぱく質をつくるレシピ=レシピが同じでも同じ料理はできない。GWAS(ジーワス)=ゲノムワイ -