青木薫のレビュー一覧
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数学好きに言わせると数式とはとてもエレガントで美しいものらしい。そんな筋金入りの数学好き、エドワード・フレンケル氏の著書、数学界の一大事業といわれるラングランズ・プログラムにおいて、中心的な役割を果たしているメンバーの一人である。
もともと物理に興味があった少年時代のフレンケル氏が、数学者を目指すようになったきっかけや、大学入試の際に受けた人種差別、ソ連からアメリカに移り住むこととなった経緯、そして現在取り組んでいるラングランズ・プログラムについてなど、特に数学に興味がある人には盛りだくさんな内容となっている。
今まで何冊か数学に関するノンフィクションは読んだが、それらに比べて本作は現役の -
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青木薫氏の初の著書ということで話題になっているようだ.本格的な内容は最近の新書の中ではかなり硬派な部類に属するだろう.
カーターの強い人間原理(p.155)とは
宇宙は(それゆえ宇宙の性質を決めている物理定数は),
ある時点で観測者を想像することを見込むような性質を持っていなければならない.デカルトをもじって言えば,
『我思う.ゆえに世界はかくの如く存在する』のである.
ということ.ストア学派の目的論の再生のように考えられた人間原理が,ビッグバン・インフレーションモデルから多宇宙ヴィジョンの誕生という宇宙像の変遷の中で,観測選択効果として受け入れられるようになっている.
というのが内容 -
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さくさくよめたし、おもしろかった。期待したほど重量級じゃなかったけど、バンタム級のチャンピオンがヘビー級よりも劣るというわけじゃないだろうし。
「世界を変えた」ではなく「世界でもっとも美しい」であることに注意。いちおう古い順に並べてはあるが、網羅的でもないし、つながりもあるようなないような。むしろ「美しさ」をもうすこしワキにおいて、つながりを重視してくれたほうがわかりやすかっただろうとは思う。
実験における美しさとは何か。まとめるとしたら、「自然について深い事柄を明らかにすること」「実験を構成する個々の要素が効率的に組み合わされていること」そして「さらなる推論や考察を必要とすることなく、そ -
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化学は物事を明らかにする。事象に光を照らす。そういうものだと思っていた。
しかしながらこの本で描かれるのは、薄暮の世界。
少しずつ角度を変えて世界を照らしていく、そういった科学の歴史。
めまぐるしく化学が進化してきているように感じるけれど、論理のみでは化学は進まず、観測機器や社会情勢の変化による意識の変化も必要で、ほんとにゆっくりである。
そもそも私自身ビッグバンってなんなの? え? 多次元宇宙ってSFの世界じゃないの?というレベルなので何度も読み返さないと理解はできないのだけれど、ゆっくりと一歩一歩仮説を重ねて研究を進めていく世界なんだなあ……と面白く感じた。
もっと科学的教養が -
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一番美しい科学実験。私はアインシュタインの一般相対性理論を実証した、日食時の光の歪みの測定が世界で一番美しいと思っていたが、それはこの本には書かれていなかったのでちょっとしょんぼりした。アレは測定ってだけで実験には含まれないの?そんなアホな…。でも、フーコーの振り子やヤングの干渉など、実証こそが科学の真骨頂!と思わせる実験が沢山出てきて、読むだけでわくわくした一冊だった。
文章や言葉選びがとても優美でいい。鮮やかなファンタジー映画を描くような魅力的な文章で、科学の美しさがよく伝わる。
これからも、整然とした物に対する美も、曖昧で不明瞭な物に対する美も、両方とも美しいと思える自分でいたい。 -
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Posted by ブクログ
科学史上美しい実験のアンケートをとり、それを元に著者が選んだ10の科学実験
この特集を組んだのが物理系ジャーナルだったのと、おそらく歴史の流れ的に、物理実験が多いです。
重力や光の干渉とか・・・
一番印象的だったのは、地球が自転している事を示した「フーコーの振り子」
地球が自転しているなら、振り子は時間経過とともに少しずつその軌跡がずれていく、というもの。
振り子の先に尖った芯のような物を付け、振り子を揺らし、下に砂を敷いて軌跡を見ると確かにずれていく。
それを見た瞬間に、動いている振り子のずれから、地球の自転まで考えが及ぶのだろうか・・・
実際にその実験を是非見てみたい。
有名なものか -
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実験するのが退屈で苦痛になった全ての理系の学生に、実験の深さを思い出させてくれるであろう本。
科学を見るのには論理性と正当性、他方には政治や利権、金という側面がある。そして『美しさ』を味わうならば、今までにはあまり注目されなかった人の心を揺さぶる側面があるという。これを読んで、科学万能主義だった高校生の頃を思い出した。
科学における『美』とは何なのか?芸術や音楽と同じように、科学にも『美』は存在するのか?
この世界の全てが人間の目に露になる日は永遠に来ず、人は歴史的、文化的に受け継がれてきた仮説を通して世界を見る。そうした仮設はこの世界の一部を露にもすれば隠しもする。だがその一方で、人は美しい -
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ネタバレ 購入済み
好みの問題ですが
好みの問題ですが、私には合いませんでした。高いお金を出してまで読むほどの価値はないように感じました。また最初の1話目からヒロインの紹介文に「辺境伯令嬢、王太子妃」と書かれておりどっち?と読み進めるまでわかりませんでした。2作目もヒロインの母親が最後に出てきて実は転生者で「私の物語はハッピーエンド」で締めくくられていますが、もはや令嬢じゃないですし。どのお話もツッコみたくなり、私にはイマイチでした。