青木薫のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
暗号にまつわる紀元前から21世紀以降までの壮大な物語。
言語学、数学、コンピュータ科学などさまざまなジャンルの知識が盛り込まれていて面白かった。
線文字Bの解読など、暗号ではないが読解不能な言語を蘇らせるストーリーも非常に興味深かった。
暗号というと軍事用途などの機密保持のイメージが強かったが、数千年昔の単換字式暗号から現代のRSAに至るまで一般市民にとってもプライバシー保護に重要な役割を果たしてきたことを改めて認識した。
暗号技術は、ブレッチレーパークの例のように、その軍事上の有用性から新技術が公表されず、開発者や技術が一般的に認知されない場合もある。今現在も秘密裏に新たな暗号技術が開発さ -
Posted by ブクログ
ネタバレホーキング博士のチャームポイントはその率直さにある。自らを世界一コネクテッドな人間と表現し、世界で最初に宇宙旅行に行く人間の一人になるといい、神=自然法則、シンギュラリティ=ある、核融合エネルギー待望・・等々、少しもウェットなところがなく原理に則りいともあっさり述べているところが大変面白かった。
P29 収縮するブラックホールから放出され、ブラックホールが消滅した後に残された放射が、いったいどうすればブラックホールを作り上げたものに関する情報を運べるのかということだ。私が発見したのは、情報は失われないが、役立つような形では取り戻せないということだった。それはちょうど、百科事典を燃やしてしまい -
Posted by ブクログ
実験室で宇宙を作ろう、という話で、その理論と少し無謀な挑戦の話かと思ったら、どうも主旨が若干違っていた。
宇宙物理学者が創造主をどう考えるのか。多くの科学者は、素粒子物理学の統一理論を構築したノーベル賞物理学者のワインバーグのように、完全合理主義者であり、そのことを標榜もしている。アインシュタインが神はサイコロを振らないと言ったとき、もちろん彼は必ずしも人格神を信じていたわけではない。リチャード・ドーキンスは、宗教が生む非合理的でときに危険な行動を批判したアンチ宗教の立場で有名である。学問の世界では、創造論への信仰をほのめかすのは、明らかにその人の研究者としての評価には大きなマイナスであるら -
Posted by ブクログ
宇宙は、なにも無いところからひょっこり誕生する。
したがって宇宙の始まる前や後を考えることは意味がない?
「人間原理」…30年ほど前、わたしが『時間とはなにか』HPを書いたとき、同じようなことに辿り着いた。
「コンピュータの知性」…上記HPで人の脳について触れた。ただの科学物質の作用が⦅十分に複雑化》すると心が生じる。同様に複雑な電子回路が知的な、まるで心があるかのようなふるまいを示すことは起こりうると思う。
「AI」…人類を超えるAIの到来。本当の危険性はAIに悪意があるかどうかではないという。AIの目標が人類の目標と整合しないかもしれない。核戦争や地球温暖化を防ぐためには人類がいない -
-
-
Posted by ブクログ
読んでよかったと言える本。皆にもお勧めしたい。
この著者のシリーズは興味深い話が多い。
現代医療の臨床検査による医療の効果の測定について、今では当たり前になっているけど、思ったよりも最近になってから定着したのだという印象を受けた。
自分が歳をとったので、100年前というのが、古いとは思うが、以前よりも近いと感じるためだと思う。
また、私も鍼には効果があるのでは?ってなんとなく考えていたけど。まったく効果がないとは、そこはちょっと意外だった。
海外の話だが、ホメオパシーのようないかにもいい加減に聞こえるものが大手を振って医療行為としてなされているかと思うと怖くなった。 -
Posted by ブクログ
アインシュタインvsボーアを軸にした量子論史。この対決が凄まじく、また面白い。
SFで飽きるほど見た猫だのテレポートだの宇宙の分裂だのが、どういう流れから産まれたのか分かるのも楽しい。
が、やはり文章から量子論をイメージするのは難しすぎる。訳者は量子論解説本の決定版のように褒めるが、とてもついていけない。「波」と言われて私が想像するものと、量子論でいう「波」は似ているようで全く違う。そんなイメージのズレが至る所に現れるのだから、当然量子論の全体像は群盲像を撫でるが如くである。
私のような盲が理解に近づくには、象を撫で倒すしかないらしい… -
Posted by ブクログ
二千年以上前にヒポクラテスは警告した。
「科学と意見という、二つのものがある。
前者は知識を生み、後者は無知を生む」
本書は一言で言うと、怪しい代替医療手段に手を出すのはやめましょう、という点に尽きる。
なぜならば、通常医療はコストのかかる臨床試験を経て効用と安全性が実証されているのに対し、代替医療は無法地帯のように効能ばかりが強調されているが科学的に立証されていない。
代替医療はプラセボ効果以上のものはないという結論である。
「フェルマーの最終定理」などの著書で有名な科学ルポライター、サイモン・シンと、自らホメオパシーを施術する代替医療分野における世界初の大学教授絵エツァート -
Posted by ブクログ
レーダーマン著,青木薫訳ということで,これは読まなくちゃと思ってた。
冒頭,目次裏に“本書を、税金で基礎研究を支えてくださっている国民のみなさんに捧げる。”とある。著者が伝えたかったのは,「加速器は強力な顕微鏡」という大変シンプルな主張。超ひも理論だ何だじゃなくて,「加速器は凄い顕微鏡!」ってシンプルに報道してくれさえすれば,SSCのときのように納税者から無用な反発はないはずだ,とのこと。
実際はそんな単純な納税者ばかりではなくて,やはり金かかるのに実用性ないって嫌がられるような気もするが,実験素粒子物理学者としての矜持が感じられる本だった。
一貫してアメリカの基礎研究への投資が少ないことに警