青木薫のレビュー一覧
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ビッグ・クエスチョンとは、人間が問い続けてきた根源的な問いや、人類の未来を左右する課題など、人類にとっての難問のこと。
→「私たちはどこから来たのか?」「人工知能は人間より賢くなるのか?」など。
ホーキング博士は、理論物理学を使うことで、ビッグ・クエスチョンのいくつかに答えようとしてきた。
例えば。。。
■神は存在するのか?
・昔、宇宙は神が創造したとされていたが、今では全てを自然法則によって説明できる。
・宇宙は、エネルギーと空間からなる。これらは、ビッグバンと呼ばれる宇宙誕生の際に生じた。
・原子サイズ以下の小さな世界では、陽子などの粒子が、何もないところから現れる。
かつて宇宙はとて -
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ホーキング博士が、神はいるのか?などのビッグ・クエスチョンに答えてくれる本。
論理的というよりは、もう少しだけ大胆に飛躍した答えを出してくれているのが興味深いです。未来と人類の進化を見据えての回答に感じます。
なので、人類は宇宙に出るべきだし、AIなども活用して科学文明を進めるべきだという、大きな問いに対して大きな答えを出しているのではないかと思います。
おそらくそれは、博士がご自身の残り時間を考えて、我々に託した思い、希望なんだと思います。
訳者の青木氏には「フェルマーの最終定理」を面白く読ませてもらいましたが、本作も博士の特徴がよく分かる本になっています。 -
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ネタバレ45 宇宙をつくる3つの要素、物質・エネルギー・空間。それらがビッグバンで自発的に生まれた。つまり、宇宙は何もないところから自発的に生じた。空間は負のエネルギーで満たされている、差し引きゼロの状態で常に一定。では何もないところに宇宙誕生の引き金を引いたのは何か、それが量子力学の領域。陽子のスケールでは、何もないところに粒子が出現し、消滅しては別のところに姿を現す。
52 ブラックホールの中では時間そのものが存在しない。時間の消失こそ、宇宙の始まりに起こったこと。
61 一般相対性理論が明らかにしたのは、空間と時間は、宇宙に含まれる物質とエネルギーによって形作られる力学的な量であって、永遠に -
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まず、作者の題材の選び方が素晴らしい。数学、暗号、宇宙ときて次は代替医療。代替医療と一口に言ってもその数はかなりあります。
鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法、この4大医療のほかにもアーユルヴェーダ、アレクサンダー法、アロマセラピー、イヤーキャンドル、オステオパシー、キレーションセラピー、クラニオサクラルセラピー、クリスタルセラピー、結腸洗浄、催眠療法、サプリメント、酸素療法、指圧、人智学医療、カッピング、スピリチュアルヒーリング、セルラーセラピー、デトックス、伝統中国医療、ナチュロパシー、ニューラルセラピー、パッチフラワーレメディ、ヒル療法、風水、フェルデンクライシス法、分 -
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難解さゆえに知的好奇心をくすぐる作品です。
人類が生み出した最も知的パズルである暗号の歴史をできるだけわかりやすく解説しようと努力している意図が伝わり(にもかかわらず、十分に難解です)、その発展の歴史は戦争という野蛮な行為抜きには語ることができないのも皮肉ですが・・
暗号は、他人に知られたくない秘密の文書を直接伝えることのできない相手に届けるために発明されたものですが、暗号を考える人と解き明かす人との攻防により、より高度で難解な暗号として発展することになりました。
特に、死命を決する戦争という状況での伝令はまさに国家の存亡がかかっているわけで、科学者や数学者たちが戦争協力者として極秘に招集され -
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ニュートン、ガリレオ、フーコー、キャベンディッシュなど、科学会の歴史の中で、もっとも美しい10の実験について描かれたもの。単に実験の中身ではなく、どのような背景や苦労があったのか、人物像や社会の情勢なども解説されていてとても興味深い。ここでいう美しさの定義は、実験がシンプルであること、その実験の前と後では世界が変わってしまっていること、誰でも再現できることなどが挙げられている。確かに、フーコーの振り子で地球の自転を確認できたり、太陽と影の長さで地球の長さを測ったりなんて、シンプルだけど世界の見方が変わる。物理学・宇宙・化学にはあまり縁のない分野を学んできたが、やはり憧れる。
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暗号解読の下巻。本書では戦中から現代まで。直近で多少システムをかじるようになってから、暗号化の仕様でtripleDESを求められたが、本書ではDESの創られた経緯が紹介されていて興味深かった。
「コンピューターによる暗号化とはいっても、その手続きの大半は従来の方法と変わらない。実際、コンピューターによる暗号化と、エニグマのような機械による暗号化との大きな違いは、次の三点だけである。第一に、機械式の暗号機では、その機械を実際に作れなければ話にならないのに対し、コンピューターは、恐ろしく複雑な仮想暗号機をまねることができるという点である。…
第二の違いは、単純に速度の問題である。…
第三の、そ -
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前半は初心者にも優しい口調で話しかけてくれてとても嬉しかったが、後半に行くにしたがって理解できない専門用語が多くなり、そのうちには初心者への説明を放棄してしまったように感じた。しかも最後には研究費削減への恨み節。
政治も科学も経済も、もっと一般人に興味を持たせるような伝え方ができないのだろうか。もっと分かりやすく説明をすることはできないのだろうか。と、自分の頭が悪いのを棚にあげて言ってみた。
内容が理解できたとはとても言えないけれど、量子論は本当に興味が尽きない。まだまだ挑戦するぞ!
で、結局は、ヒッグス粒子がプラトンの言うエーテルだった。てことじゃないんですかね? -
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宇宙の平均密度を計算してみると、地球1000個分の体積にわずか1グラムというものだった。宇宙の大部分はからっぽの空間なのである。惑星、恒星、銀河などは例外的に多くの物質が集中しているところであって、極めて異例な場所ってことになる。
下記の話は『人類が知っていることすべての短い歴史(上) 』のレビュー
「原子のサイズを理解するために、原子の幅を1ミリと仮定してみる、そうすると一枚の紙の厚さがエンパアステートビルに相当する。その極めて極小の原子を大聖堂の大きさまで拡大してみる、すると原子核はハエほどの大きさにしかならないらしい」って同じこと言ってる気がする。 -
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数学の様々な最先端分野の知見を橋渡しして研究しようとするラングランズプログラムに関わっている著者が、自分の研究者としての生い立ちと、そのプロジェクトの概要を伝える本。正直なところ、数学の先端分野を理解するには専門書を何冊も読んでも一般読者には厳しいです。著者もそこは割り切っていて、相当かみ砕いて解説していますが、それでも何のことかチンプンカンプンなページはいっぱいありました。ただ全く異なる分野を突き詰めると、何故か共通する概念に辿り着くという体験を何とか伝えようとする著者の熱意や、「もしかしたら数学のすべての分野を律する概念があるんじゃないか。細分化された先端分野を統一して記述できるのではない